【オートレース】SG初制覇の篠原睦 「一戦一戦を大切に」
- 2021/9/8
- オートレース記事

デビュー22年 S攻勢からの逃げ切り
飯塚を代表するオートレーサー篠原睦(44)が、ついにSGを初制覇した。デビューから22年と4か月たった今年8月15日のSGオートレースグランプリ(伊勢崎)優勝戦。鈴木圭一郎ら強豪を相手に、持ち前のスタート(S)攻勢をかけ10周を逃げ切った。G2優勝3回の実力者がG1を通り越しSGで頂点に立ち、無冠返上を果たした。
1999年デビューからわずか2年でG2初優勝を飾り、「G1、SG優勝は時間の問題」と期待された。それから約20年の年月がかかった。
優勝戦は最高のSを切り、2着の鈴木に「隙がなかった」と言わしめた。ゴール後は何度も拳を突き上げ、喜びを爆発させた。SG優出、12回目でやっとつかんだ栄光、見守るファンにも幾度となく頭を下げ「夢みたい」と笑顔を見せた。
家族を愛するジャイアンツファン
明るく、さわやかな身長170センチ近くの細身、長身。自然体でレースに臨み、オート界屈指のS力とレースセンスを持つ。1-2角の位置取りは芸術的で、卓越したハンドルワークを見せる。競走参加中もランニングや腕立て伏せ、体幹トレーニングを欠かさない。積み上げた努力がようやく実った。
喜びを分かち合った家族は、妻と長男、長女の4人暮らしで「キャッチボールなど子どもと遊んでリフレッシュする」。オート界に導いてくれたのは、今は亡き父で元選手の忠治さん(山陽)。オート選手としての魂と、熱狂的なジャイアンツファンを引き継いでいる。
今後の目標は設定しない。「優勝戦に乗れば8分の1。あきらめずにやれば、そのうちチャンスがきっと来ると信じている。これからも一戦一戦を大切にしていきたい」と気楽に、自然体で、全力で挑み続ける。(松永 康弘)
(2021/9/8紙面掲載)