◆第１０３回全国高校野球選手権大分大会▽決勝　明豊６－０大分舞鶴（2021年7月25日）

　第１０３回全国高校野球選手権大分大会の決勝では、センバツ準優勝の明豊が６－０で大分舞鶴を下し、４年ぶり７度目の夏の甲子園出場を決めた。先発のエース・京本真（３年）が３安打８奪三振完封の快投を見せるなど、投打に圧倒した。

重圧乗り越え成長

　重圧から解き放たれ、喜びがはじけた。最後の打者を打ち取ると、明豊の京本は力強く右拳を握った。マウンドへ、次々とナインが駆け寄ってくる。川崎絢平監督は「センバツの準優勝で重圧を感じ、毎日苦しい思いをしてきた。選手はよく耐えて頑張ってくれた」と、胸の内を明かした。

　勝利を呼び込んだのは、背番号１を背負う京本の力投だ。力みのないフォームから繰り出される１４０キロ台の直球は、最後まで球威を失わず、初の甲子園を狙う大分舞鶴打線を封じ込んだ。三塁を踏ませない完璧な内容に、川崎監督も「すばらしい投球をしてくれた」と賛辞を惜しまなかった。

さあ夏こそ全国の頂点だ

　センバツで準優勝。手応えと自信を得た一方で、大きなプレッシャーも背負った。勝って当たり前という雰囲気。周囲の期待も大きく、押しつぶされそうになった。そんな中、ナインの支えとなったのは、それぞれが胸に秘めた悔しさにほかならない。

　幸修也主将（３年）は、優勝した東海大相模ナインが歓喜に沸く画像をスマートフォンに保存。悔しい気持ちを忘れないよう、事あるごとに見返した。センバツの決勝でサヨナラ打を浴びた京本は「もう一度、ここに戻ってくる」と誓い、春から大きな成長を遂げた。

　あと一歩届かなかった全国の頂点へ。「伸び伸びと好きな野球を目いっぱいやってくれたら、結果はついてくる」と川崎監督。重圧を乗り越え、一段とたくましくなった明豊ナインが、再び聖地に乗り込む。（加藤　博之）

＞大分大会全試合結果（報知新聞社）

（2021/7/26紙面掲載）