高校野球

(2019/7/30紙面掲載)

第101回全国高校野球選手権

【福岡】筑陽学園 進藤逆転2ラン&好リード 春夏連続甲子園

16年ぶり2度目

甲子園出場を決め、喜ぶ筑陽学園ナイン
甲子園出場を決め、喜ぶ筑陽学園ナイン

▼決勝(7月29日・久留米)

筑陽学園  000 022 012=7

西日本短大付012 000 010=4

 

西舘の力投救う逆転弾

 頼れる扇の要が、力投を続けるエースを攻守で支えた。1点を追う6回、2死一塁。筑陽学園の6番・進藤勇也捕手(3年)は「西舘がきつそうだったので助けてやろうと思った」。直球に的を絞り、初球を強振した。打球は左翼席に飛び込む逆転2ラン。だが、打った本人はいたってクール。一度も口元を緩めることなく、淡々とダイヤモンドを一周した。

 

 西舘昂汰(3年)のほか、西雄大(3年)、菅井一輝(3年)と好投手が3人いることから投手陣は“3本柱”と称されるチーム。進藤は、彼らの特徴を熟知し、好リードで引っ張ってきた。うれしい逆転弾でも表情を崩さない背番号2は、甲子園がかかる大一番でも冷静沈着。前日の準決勝で151球投げた右腕の疲れを考え、「三振を狙わず、守備を使っていった」と打たせて取る配球にした。

 

6回2死一塁、左越えに逆転2ランを放つ進藤勇也
6回2死一塁、左越えに逆転2ランを放つ進藤勇也

“変化”交えてリード 

 精神的な支えにもなった。疲れが見える試合中盤には「暗いから顔(色)を変えろ」と声をかけるなど、常に右腕を気遣った。体力の限界に達していても完投の意思を示す右腕の気持ちに応えるべく、「ミットの構え方とか、ちょっとしたことを変えた」と微妙な変化を交えて引っ張った。そして最後の打者を空振り三振に仕留めると、マウンド上で西舘と熱い抱擁。クールな進藤も、この時ばかりは表情が緩んだ。

 

 江口祐司監督(56)から「追い込まれてからでも打てる、気持ちの強いバッター」と打撃、守備とも絶大な信頼を置かれている進藤は「甲子園でもチームが勝つことを最優先に考えたい」。8強入りした選抜よりもさらに上へ。いつでも冷静な正捕手が、投手陣を、チームをまとめていく。(弓削 大輔)

2回、犠飛で先制のホームを踏んだ神宮隆太
2回、犠飛で先制のホームを踏んだ神宮隆太

西日本短大付 神宮2安打奮闘

 西日本短大付は悔しい逆転負け。2回に神宮隆太(3年)の右翼線二塁打をきっかけに犠飛で先制し、3回にも2点を加えたが、筑陽学園の粘りに屈した。西村慎太郎監督(46)は「力不足。前半はいい形で入れたけど、投手を後押しできなかった」と話した。

 

 プロ注目の捕手・神宮は2安打と奮闘。相手右腕の西舘とは中学時代に所属していた二日市ボーイズのチームメートで「西舘を破りたいという気持ちで、緊張よりも楽しくやれた」。試合後はかつての仲間と健闘をたたえ合った。

 

※新聞紙面では優勝校の別カット写真と別記事も掲載 バックナンバ-お買い求め方法