高校野球

(2019/7/26紙面掲載)

第101回全国高校野球選手権

【熊本】熊本工 “奥の手”スリーバントVスクイズで決めた

6年ぶり21度目

歓喜に沸く熊本工ナイン
歓喜に沸く熊本工ナイン

▼決勝(7月25日・リブワーク藤崎台)

熊本工 001 013 002=7

九州学院103 001 000=5

 

吉山バントに自信

 最終回で“奥の手”スクイズを決めた熊本工が接戦を制して6年ぶりの夏切符をつかんだ。5-5の9回、1死三塁。2番・吉山綸太郎(3年)はカウント2-2の7球目でバットを横に向けた。「外されたと思ったけど、勢いで、気持ちで行った」。外角のボール球だったが必死に体を伸ばしてバットに当て、投前に転がした。三塁走者の江川輝琉亜(2年)が相手捕手のタッチを交わして生還。これが決勝点になった。

 

 2ストライクになってもファウルで粘り、有利なカウントに持ち込んでから打っていく攻撃スタイル。スクイズはめったになく、今大会は準々決勝で1回決めただけだった。ただ吉山はバントに自信を持っており、大会中に「勝負所では行けます」と田島圭介監督(38)に申し出ていた。指揮官はその言葉を思い出し、7球目になってサインを送り、一発でスリーバントスクイズを成功させた。

 

 初戦から打撃の調子が上がらず、決勝も3打数ノーヒットと苦しんでいた吉山は「前の試合ではエラーもしていてみんなに迷惑を掛けていた。(江川が)ホームインしたときは言葉が出なかった」と感無量の様子だった。

2番手の村上仁将は投打に活躍した
2番手の村上仁将は投打に活躍した

2年生・村上 投打で活躍

 継投も決まった。3回に先発左腕の林彪太郎(3年)が牛島希に2点二塁打を打たれると、指揮官は「少し早かったけど、自信を持って送った」と2年生の村上仁将にマウンドを託した。その村上は3回のピンチを1失点(自責0)で切り抜けると、以後6イニングを2安打1失点。6回には2死満塁で3点差を追いつく走者一掃の右越え二塁打を放ち、投打にわたって活躍した。

 

 就任4か月目にして甲子園に導いた田島監督は「2死からでも点が取れるチームになったし、一戦一戦、落ち着いてやっていた。選手に助けられました」とナインに感謝した。聖地でも熊本工伝統の粘りを発揮して白星を重ねていく。(弓削 大輔)

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3回、左中間2点二塁打を放ち、喜ぶ牛島希
3回、左中間2点二塁打を放ち、喜ぶ牛島希

九州学院 ノーシードから健闘準V

2年生・牛島3打点

 九州学院は3番の牛島希(2年)が初回の先制打を含む3打点など5回まで優位に進めていたが、好投を続けていたエース・蒔田稔(3年)が6回につかまった。その裏に一度は追いついたものの、あと一本が出ずに同点止まり。9回に2点を奪われて涙をのんだ。

 

 それでも今大会はノーシードながら、2回戦で選抜出場の熊本西を破ったのを始め、球磨工、秀岳館とシード校を次々と撃破。ヤクルト・村上宗隆が1年生で中軸を担った2015年以来の甲子園出場はかなわなかったが、大健闘の準優勝だった。