高校野球

(2019/7/30紙面掲載)

第101回全国高校野球選手権

【宮崎】富島 黒木5戦42回防御率0.00 初切符

初出場

2試合連続完封勝ちした富島の黒木拓馬
2試合連続完封勝ちした富島の黒木拓馬

▼決勝(7月29日・サンマリン)

富 島 101 200 000=4

小林西 000 000 000=0

 

2戦連続完封劇

 最後の打者を仕留め、黒木拓馬は右拳を小さく握った。準決勝に続き、2試合連続の完封シャットアウト。ナインが駆け寄った歓喜のマウンドで、両拳を突き上げた。

 

 またしてもスコアボードに「0」を並べた。1回から4回までは毎回得点圏に走者を背負った。それでも得点は許さない。ピンチになればなるほど集中力は増し、ギアを上げた。浜田登監督(51)は「しびれる場面でもしっかりと投げ切る勇気がある」と、精神面の強さを長所に挙げた。

 

 力強い直球と切れ味鋭いスライダーなどの変化球を、コーナーに集める制球力が武器。加えてマウンドでの駆け引きや洞察力にもたけている。この日も相手打者がバッターボックスの前に立っているとみるや、力強いボールで押し、詰まらせた。終盤に入ると少し腕を下げサイドスロー気味に変更。相手の目先を変え翻弄した。

選抜に続き夢舞台へ--

 宮崎県大会5試合すべてに先発。ほとんどを一人で投げ抜いた。42回を投げ、防御率は0.00という安定感。大車輪の活躍で、チームを頂点に導いた。

 

 昨年11月、右肘のクリーニング手術を行った。少しずつ投球練習を再開したのは年が明けてから。それでも投げられない日々を無駄にはしなかった。リストや握力を徹底的に強化したことで、スライダーの回転が増し、キレが鋭くなった。黙々とトレーニングを積んだ日々が、この日もマウンドで何度も自身を救ってくれた。

 

 控え投手だった昨春のセンバツでは2番手として登板し、甲子園の雰囲気を味わった。もう一度あのマウンドに立ちたい――。それが心の支えだった。浜田監督も「エースらしい投球でした」とたたえた好投。大きく成長した黒木が背番号1を背負い、再び聖地のマウンドに立つ。(加藤 博之)

※新聞紙面では優勝校の別カット写真を掲載 バックナンバ-お買い求め方法