24~K部長のボートレース放浪記 三国編

(2017/2/9)

三国回想編

(2010北陸艇王決戦)

 Kです。3月のSGクラシックへの最後の切符をかけ、各地で地区選の熱い戦いが始まりました。開催は各レース場持ち回りのようで、九州(若松、芦屋、福岡、唐津、大村)だと5年に1回、近畿(三国、琵琶湖、住之江、尼崎)だと4年1回、回ってきます。今年は九州が福岡、近畿は三国(福井県)ですが、今回はその三国のお話です。


 旅打ちの楽しみのひとつにご当地グルメがありますが、味も、そして値段も最高峰にあるのは三国でしょう。そう、冬の味覚の王様、越前ガニの本場です。レース場のマスコットキャラクターも越前ガニをモチーフにした「カニ坊」です。


 三国への“初出走”は2010年9月の周年記念GⅠ北陸艇王決戦です。新大阪でJRの特急「サンダーバード」に乗り換え、「芦原(あわら)温泉」で降ります。福井県への旅そのものが初めてだったので、車窓からどんな景色が広がるのか――。京都を過ぎてしばらくすると、右手に海が見てきました。「これが日本海かぁ」。日本海というと荒波のイメージがありますが、波は静かです。


 ん? 待てよ。頭の中で日本地図を思い浮かべます。大阪から北陸方面に行く場合、日本海は左手に見えるはずだが…。「日本海じゃない。琵琶湖だ!」。重度の方向音痴の本領発揮です。これまで旅打ち先のホテルに最短距離で着いた試しがありません。地理の勉強もやり直した方が良さそうですが、まあ、琵琶湖が海のように大きいから一瞬勘違いしたということにしておきましょうか。

ボートレース三国 カニ坊

 芦原温泉駅からは巡回バスを利用しますが、レース場まで歩いて行ける最寄り駅は、福井と三国港を結ぶ第3セクター・えちぜん鉄道の「あわら湯のまち」です。なんとも風情のある駅名です。駅前にはその名の通り、芦原の温泉街が広がっています。この温泉街を抜けたところにレース場はあります。

 

  この時の旅打ちでは、初めての土地ということもあり、1日は三国観光にあてました。サスペンスドラマでよく登場する自殺の名所「東尋坊」や江戸時代、北前船の寄港地として栄えた三国港などを見て回りましたが、考えてみれば、三国港は越前ガニの水揚げ港としても有名です。「次はカニのシーズン(冬)に旅打ちしたいな」と思いをはせました。

 

  旅打ちはSGやGⅠを中心に出かけていますが、三国ではSGの予定は当分なさそうですし、周年記念のGⅠは悪天候になることが多いせいか、カニの最盛期を迎える冬場にはありません。ようやく巡ってきたのが2013年2月の近畿地区選です。GⅠには珍しく優勝戦が3日の日曜日と日程も申し分ありません。行くしかない!

 

 しかし、事前の宿探しは苦労しました。夕食に越前ガニが付くことが条件です。レース場までの足を考えると、芦原温泉街がいいのですが、宿泊代が半端ではありません。1人当たりの料金が博多-新大阪間の新幹線2往復分なんてざらです。ちょっと手が出ませんし、ほとんどが「1部屋2名様から」です。安くてさらに1人でも泊まれる宿はないかとようやく見つけ出したのが、東尋坊近くの海岸沿いにある「休暇村 越前三国」でした。レース場からはかなり距離がありますが、「かに極みコース」が付いて新幹線1往復分ほどです。 

 

越前ガニ

  準優勝戦が終わり、日没間際に宿に到着しました。目の前には湖ではなく、鉛色した本物の冬の日本海が広がっています。夕食は館内のレストラン。老舗旅館のように部屋食というわけにはいきませんが、案内されたテーブルには、赤くゆで上がった越前ガニが長い脚を左右に大きく広げてドーンと横たわっています。黄色のタグ(水揚げされた漁港名が入っており、いわば越前ガニの証明書です)もちゃんと付いています。ほかにもカニ刺し、焼きガニ、カニ味噌甲羅焼きなどなど。


 従業員にゆでガニの食べ方を教えてもらい、いざ実食。「カニを食べる時、人は黙る」と言いますが、その言葉通り、あとはひたすらちぎってはほじり、ほじってはしゃぶりつき。昼間のレースの一人反省会をすることすら思い浮かばず、われを忘れて食べ続けました。特に甲羅焼きのカニ味噌をまぶしたカニ肉のおいしいこと。一緒に頼んだ地酒「越の蔵」がことのほか進み、絶品でした。

 

 さて、翌日は近畿地区選の最終日。前日は大きく負け越していましたが、この日は朝から好調です。第5レースの万舟(13,360円)をはじめ11レースが終わった時点で5勝し、前日の負けを大きく取り戻しました。


 優勝戦は①田中信一郎(大阪)②太田和美(大阪)③中島孝平(福井)④川原正明(福井)⑤丸岡正典(大阪)⑥吉永則雄(大阪)。さしずめ大阪VS地元・福井の構図です。スタート展示は枠なりの3対3。展示一番時計は川原ですが、ほかの5人も大きな差はありません。

 

 ただ、1周タイムは中島が抜けています。中島は前日の準優勝戦、3号艇からまくりを決め、優勝戦にコマを進めてきました。この時も1周タイムは断トツでした。中島が最も重視する回り足がきている証拠です。前日、穴目で中島の頭から展示タイムが良かった⑤向所浩二(兵庫)への③-⑤-全を買っていました。結果は③⑥①(29,660円)。悔しい思いをしていたので、ここはもう一度中島から勝負です。うまくいけば前夜の「かに極みコース」代が出ます。まくり、まくり差しの両面作戦で、③-①②④-①②④と③-⑥=全で勝負しました。


 本番は進入が変わり①④②/③⑤⑥。中島が4カドからまくり、結果は③⑤④の15,120円。……。③-①④⑤-①④⑤だったか。2日続けて中島にのっかり、そして負けた。そんな三国の近畿選手権でした。

 

 今回の三国はだれが制するのでしょうか。今年は行けませんでしたが、4年後には2013年のリベンジを果たしたいものです。「今度こそ、カニ代を稼ぐぞ!」と、あの夜の越前ガニの姿が思い出されます。でもまあ、こんなことを考えて舟券を買うと、ろくなことにはならないんですがね…。