24~K部長のボートレース放浪記 住之江編

(2019/1/29更新)

住之江 グランプリ編(2018.12) 下②

 ここまで完全にイン逃げの流れです。荒れたのは7Rのみ。22、23日のように万舟券が出ないので、そこそこ当たっても収支は大幅なマイナスです。グランプリ順位決定戦の10Rも桐生順平(埼玉)のイン戦信頼で①-②-③④⑤と①-③⑤-②③⑤で勝負。このうち一発逆転を狙って①-②-④にドーンと張り込みましたが、①④②(1,420円)で見事なまでの抜け目、裏目決着。残るはシリーズ(11R)とグランプリ(12R)の優勝戦。きっちり取って2018年の掉尾を飾りたいところです。

 まずはシリーズ優勝戦。①平尾崇典(岡山)②石野貴之(大阪)③新田雄史(三重)④山田康二(佐賀)⑤中野次郎(東京)⑥湯川浩司(大阪)。石野、新田がトライアル組ですが、エンジンパワーなら平尾が断トツです。展示タイムは連日、抜けた一番時計で、ここまで6戦4勝。パワーがありすぎるのか、スタートを踏み込まなくてもこの成績です。問題は「コースは動きたい」と言っていた湯川の動向です。レース前まではオールスローか入っても4コースまでと予想していました。その注目のスタート展示。湯川が回り込みますが、だれも入れてくれずオールスロー。と思った直後、石野が回り直し大外へ。並びは①③④⑤⑥/②となりました。展示タイムは平尾が飛び抜けています。次いで湯川。1周タイムは湯川、山田、中野の順。石野はどちらも平凡なタイムです。

 

 展示を見る限り、平尾の逃げは固いところですが、進入予想が難しく、2着を迷います。まずどのコースになっても石野は「ピンロク」勝負になるだろうとはずしました。湯川もスローの5か6コースでは出番はないでしょう。結局、平尾から内寄りのコースへ①-③④-全の8点を本命筋としました。平尾を破るとすれば石野しかいません。穴目は「ピンロク」の「ピン」の方に期待し、②-③-全と②-⑥=全です。

 

 本番。ピット離れで石野が飛び出します。平尾を出し抜く勢いです。「あわや」と思いましたが、インは平尾が死守。小回りブイ前までの攻防が終わると、今度は湯川が展示同様、回り込みます。これには新田、山田、中野が早々と抵抗。石野も舳先を前に向ければスローの2コースの位置ですが、艇を流したまま動こうとしません。2M前の観客から「引け~、石野」の声が飛びます。平尾が舳先を前に向けたのを確認するように石野がゆっくりと艇を後方へと引っ張ります。スタンドから大きな拍手と歓声が沸き起こります。結果的に展示同様、石野が単騎ダッシュの①③④⑤⑥/②。風は追い風4㍍。石野がスタート先行し、まくり切れば石野の頭。不発なら舟券絡みはなし。両立ての舟券、どちらにころぶのか…。

 

 スロー勢の起こしは100㍍あたり。大外、最後方から石野がスピードに乗って迫ってきます。スタート。少しのぞいた石野がすかさず絞ろうとしますが、湯川がブロック。ごちゃごちゃとする中、湯川が先攻め。これに抵抗するかのように山田も握りマイ。1M、両者がもつれ、この間に平尾、新田と抜け出し、平尾が強力な伸びを生かして新田を振り切り①-③隊形。出来上がりです。3着には中野との接戦を制した山田が入り、①③④の1,380円。進入からスタートまでは見せ場を作った石野ですが、5着に終わりました。「あわや」のイン取りがあれば石野の頭もあったかもしれませんが、これは「たられば」。でもピット離れから面白いレースでした。

 

 マイナスの穴埋めが少しだけでき、いよいよ最終レース。平成最後のGP優勝戦です。私にとっては、買えていれば的中していた舟券が締め切りに間に合わず、買い損ねるという前年のリベンジレースでもあります。

 

 1号艇は、前日のトライアル最終戦で5コースからまくり差しを決め、グランプリ初優勝を手繰り寄せた峰。以下、②井口佳典(三重)③白井英治(山口)④岡崎恭裕(福岡)⑤毒島誠(群馬)⑥菊地孝平(静岡)。峰、井口、毒島、菊地の4人は2017年に続いてのGP優勝戦。桐生に敗れているだけにそれぞれ「今年こそは」と期するものがあるはずです。前年同様、菊地が6号艇。前年も進入から沸かせてくれましたが、今回も同じです。注目のスタート展示は、予想通り、菊地が内を狙いますが、岡崎、毒島は早々と抵抗し、オールスロー。「伸び一本の調整をした」という井口が前年と同じように菊地を入れてダッシュに引くかとも考えたのですが、その気配はありません。展示タイムは峰、井口、毒島、1周タイムは峰、毒島、菊地の順。

 

 さて舟券です。朝から峰の頭を買うことは決めていました。若いころから応援してきたこともありますが、枠番抽選で連続して「黄色」を引き、今年も黄金のヘルメットは無理かと思われましたが、前日の超絶ターンで自力でもぎ取った1号艇です。ここは期待と信頼を込めて裏なし、穴目なしです。何よりあれやこれや考えて前年のように買い損ねては元も子もありません。とは言え、進入が難解なだけに2着の軸をだれにするかは迷います。菊地が前付けに動くのは確実ですが、何コースになるのか。菊地の動きを見て、井口がどうするのか。オールスローならコース、エンジン素性から白井です。井口が4カドになるのならば井口やその外もあり得ます。いろいろと考えましたが、出した結論は展示通りの枠なりオールスローです。展示を見る限り、岡崎、毒島は入れるつもりは全くなさそうです。そうなれば井口はダッシュとは言え、大外からの単騎。いくら伸び仕様でもシリーズ優勝戦の石野の二の舞になりかねません。そうなればコース有利に2コースからという見立てです。

 

 進入がオールスローならエンジンからして白井で①-③-全。大本命筋です。あとは九州勢ワンツーに期待し①-④-全か、スローの大外でもスタート決めての①-⑥-全か。この時、ふっと若松(福岡)担当の井上誠之記者の言葉を思い出しました。5月に尼崎(兵庫)で行われたSGオールスター優勝戦。白井が3号艇で、2着の舟券は本命筋で持っていたのですが、結果は①⑤③ではずしてしまいました。福岡に戻り、そのことを井上記者に話すと「優勝戦での白井の3号艇は3着あるある、ですよ」とのことでした。その白井があの日と同じ3号艇です。ここは報知のエース記者の言葉を信頼です。①-全―③を追加。オッズを見て、①-②=③を厚くし、今回は無事、舟券の購入を完了しました。あとは出走を待つだけです。

 水面際はすでに人で溢れ返り、身動きできないほどです。若者や女性ファンが急増していることもあってか、例年以上の熱気を感じます。とても水面際までたどり着くのは無理なので、1M側の後方から観戦です。照明が反射する水面に向け、ピットアウト。岡崎が遅れ、菊地が展示同様、素早く内に回り込み4コースへ。①②③⑥の並びになり、あとは岡崎、毒島がどうするか。その2人も少し遅れて舳先を前に向け、①②③⑥④⑤のオールスロー。入れ替わりはありましたが、オールスローならイン有利に変わりはありません。と、ここで毒島が回り直し、単騎ダッシュへ。スタンドが一気に揺れます。追い風4㍍。スロー勢は100㍍を切っています。「頼む、峰。スタートだけは行ってくれ」。

 

 スリットは案の定、菊地がトップで通過。絞りに行きますが、伸び返した井口、白井が壁になり、届きません。この間に峰が先マイし、他艇を寄せ付けず、バックで早くも独走態勢。「ヨッシャー、逃げた」。後続は差した井口と握った菊地が2着争い。その後ろに毒島。白井は5番手です。2周目1Mを回った後は毒島が2着に浮上しましたが、肝心の白井はまだ5番手。前の井口、菊地をさばくのは至難の技でしょう。舟券的には惨敗濃厚です。しかし、今回はツキ(?)があるのでしょうか。2Mで白井が2艇を差して逆転の3番手浮上。一度はあきらめた舟券が何と復活です。このまま順位は変わらず、峰が先頭でゴール。2017年、丸亀(香川)オーシャンカップでSG初優勝を飾った時は勝利をかみしめるように右腕を小さく引くガッツポーズでしたが、今回はGP、右手を高々と突き上げてのガッツポーズです。①⑤③は7番人気の2,220円。この日の収支をプラスにすることはできませんでしたが、十分です。「おめでとう、峰」。そして舟券的には「ありがとう、白井」です。ないところからよくぞ3着まで上がってくれたものです。

 

 峰のウイニングランが始まりました。多くのファンが残って手を振っています。救助艇の上で峰も涙をぬぐいながら祝福の声に応えます。地元・唐津(佐賀)のダイヤモンドカップで弟子の山田康二がGⅠ初優勝を飾って号泣し、下関(山口)のチャレンジカップでは倒すべき相手の馬場貴也(滋賀)のSG初優勝に涙した峰。負けて泣き、他人(ひと)のために泣き、そして自分のことで泣き。「泣き虫王子」の面目躍如。水の上とのこのギャップに女性ファンは萌えるのかもしれません。

 

 峰の黄金ヘルメット姿を見ようと、中央ホールに急ぎましたが、出入り口からも人が溢れており、とても中に入るのは無理です。仕方がないので場内のモニターでその姿を目に焼き付けました。それにしても黄金のヘルメットって、だれがかぶっても似合いませんね。なんだか坊主のカツラをかぶっているようで。まあ見た目ではなく、その重みが大事なのかもしれません。

 終わりました。2018年の総決算。平成最後のGP。トータル収支では大幅なプラスで、念願だった峰のGP初制覇も見ることができた大満足の3日間でした。峰の優勝は、5日目(23日)のトライアル最終戦で5号艇から勝ったことに尽きるでしょう。あの5コースからのスーパーまくり差しは峰のGP初優勝とともに長く語り継がれることになるでしょう。そのターンを間近に見て、しかも舟券まで取れたことが、今回の旅打ちの最大の収穫だったような気がします。

 

◇2018住之江グランプリの戦績

22日:6勝5敗1欠場 回収率 271%

23日:5勝7敗 回収率 116%

24日:5勝7敗 回収率 89%

トータル 153%

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