【ボートレース】菅章哉の強伸び仕様にファンもワクワク チルト3度をもっと多くの場で

チルト3度が代名詞となった菅

鳴門周年で峰竜太を撃破

 今月21日に終わった鳴門のG1周年記念は、菅章哉(33・徳島支部)の走りに興奮した。ボート界最強と言われる峰竜太(36・佐賀支部)とのレースは衝撃的だった。チルト3度の強伸び仕様で6コースから攻めた菅、それを内で受け止めた峰。しかし、道中では菅が峰をツケマイで逆転した。その時のSNSでの盛り上がりはすごかった。

 チルト3度はリスクがある。必ず伸びが来るとは限らないし、乗りづらく、ピット離れは犠牲になる。それでも研究と努力を重ね、菅は自分のスタイルを確立させた。対戦する選手の警戒が強まっても、ファンの夢を背負って攻める。高いレベルのG1でも、伸びにこだわった調整。今では注目度の高い、売れる選手になった。

今年V5 来春クラシック大村の上限は1.5度

 菅はチルトを跳ねるばかりではなく、インにも2コースにも入る。ペラを大幅に叩き変えたり、チルトを上げ下げして自由自在。それでも「チルトは何度にしているかな」と気になるし、3度にしていたらワクワクする。そんな菅が今年7月に大村を走った時、こんなことを言っていた。「大村でもチルト3度が使えたら、もっと伸びると思うんですけどね」と。

 チルトの上限は水面やコース状況によって異なる。狭い戸田ではプラス0・5度まで。九州・山口で3度が使えるのは下関、芦屋、からつ。徳山は2度、若松、福岡、大村は1・5度までだ。

 実際のところ、多くの選手がマイナス0・5度を選択。最近は0度も増えてはいるが、プラス0・5度以上を使う選手は多くない。まして、3度なんて1600人近くいる選手の中ではまれだ。それでも、そこにこだわって戦いを挑む選手がいる。今まで以上にチルト3度を使える場が増えれば、伸びに特化して戦いを挑む選手が増え、さらにボートレースが面白くなるかもしれない。菅は今年優勝5回。来年3月に大村で開催されるSGクラシックの出場が見えてきた。SGに菅が出場するなら、やはりチルト3度が見たい。(長谷 昭範)

(2021/9/29紙面掲載)

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