レースほっとらいん

(2018/10/24紙面掲載)

【ボートレース】

将来性豊かな選手を発見 井上忠政&前田篤哉

前田篤哉
前田篤哉

“対照的スタイル”で成長続ける

 13日が最終日だった芦屋には将来有望な2人の選手が出場していた。119期・井上忠政(大阪)と120期・前田篤哉(愛知)だ。井上は8月戸田でデビュー1年10か月目の初優勝。前田は3期目の今期勝率は5.41としてA2昇級の可能性も残す。ともに同期の出世頭と言える存在だ。

 

 ただ、今のレーススタイルは対照的だった。1期後輩の前田が枠なり進入なのに対し、井上は外枠希望。コースを取れば成績も上がりやすく、勝率では前田が一歩リードする。有望な2人だけにこの選択が今後にどう関わるかが気に掛かった。

 

 先月のヤングダービーでは、優勝した関浩哉が師匠の教えのもと、デビューから3年間、ダッシュ一本を貫いたことが話題になった。スピードを磨いて大きく成長させたい。強くなるための回り道という考え方はよく理解できる。ただ一方、若手選手にとっては悩みの種でもある。「早くA1になって上の舞台で戦いたい。そこで学ぶことがたくさんあると思うので」。スローに入ることが許されていない選手から、危機意識とも言える本音を聞いたこともある。

 

井上忠政
井上忠政

自分の意思で外枠選ぶ井上

 外から腕を磨くべきか、早く経験を積むべきか。選手個々で事情も違い、どちらが正解とは言えない問題だろう。ただ今回、個人的に注目したくなったのは井上の方だ。

 

 外から戦うのは強制ではなく、自分の意思だという。デビュー4期目なら普通とも言えるが、目先の勝率より修行の身という姿勢を感じた。そして「自力で勝ち取った枠には入る」。今期は準優、優勝戦の3号艇が3度あり、成績はF、2着、1着。最後が戸田の優勝戦で、枠の利を生かす力は十分にある。今回なかなか見せ場も作れず、苦しむ姿を見ただけに、数年後にはどんな選手に成長しているのか楽しみにしている。 (中村 雅俊)