(2019/11/20紙面掲載)
【ボートレース】
松田竜馬 デビュー15年目覚醒
初優勝から2節連続V
15年目に花開く。96期の松田竜馬=写真=が覚醒している。11月3日に鳴門で初優勝を飾ると、15日の芦屋も優勝。デビューから初優勝まで36回の優出を要したが、吹っ切れたように2節連続優勝を達成した。
長くかかった初優勝の感想は「もちろんうれしかったけど、どこか上の空というか。芦屋に来てみんなに祝福されて、ようやく実感も出てきました」と振り返る。「優勝出来ずに終わるのかもと、頭をよぎったりしていた」とも。感謝の思いを人一倍表すのは、デビューから面倒をみてもらった師匠の木下繁美さん(2017年に引退)。「(現役で)一緒に走っている時に優勝したかったけど、ようやく報告できました」と笑顔を見せていた。
また、家族の存在も大きな力になった。「下の子が幼稚園の相撲大会で優勝したんですよ。上の子も習字で入選して、良かったねって言って(初優勝の)鳴門に行った。子どもが(ツキを)持ってきてくれたって思いましたね」。来年2月には第3子が出産予定。プライベートも充実し、さらなる発奮材料にも事欠かない。
師匠・木下繁美さんに近づく
優勝だけではなく、前期は勝率6・74で初のA1昇級。「デビューした時とか、本当にポンコツだった。こんなに勝率を残せたことは自分でもびっくりです」と話すが、実力を蓄え、優勝も時間の問題だったと言える。新期は勝率が0・01足らずにA2降格となったものの、今の勢いなら問題なくA1再昇級を果たすだろう。
そして師匠の教えはさらに上の存在。「記念レーサーになるという目標だった。(木下)繁美さんと同じようにはできないけど、自分のやり方で上を目指します」。一走一走の積み重ねで少しずつ力を付けてきた。SG出場4回、G1優出4回の実績を残す師匠に近付くべく、今後も努力を続けていく。 (中村 雅俊)