レースほっとらいん

(2019/5/15紙面掲載)

【競輪】

競輪新ルール ファンへの浸透がカギ

「先頭誘導員の早期追い抜き」など数項目

 競輪の新ルールが5月31日を初日とする開催から適用される。数項目に渡るが、ファンに影響すると思われるのが「先頭誘導員の早期追い抜き」に関することだ。

 

 特に先行選手にとっては、今月までに比べ厳しくなる。400バンクでは誘導員の前輪が残り2周に到達する前に抜こうとすると失格。333バンクでは残り2周半、500バンクでは残り1周半が失格ラインで、基準の位置が今までより半周前になるのが、今回の大きな変更点だ。

 

 すでに先行選手らは新ルールに備え「誘導員の早切り」をしない競走を心掛けている。その中でも個々の選手によるレースの駆け引きは行われ、見応えある競走は変わらず多い。個人的な意見では、懸念材料として聞いた「単調なレース」は、そこまで増えない印象がある。

 

事故減少目的も「失格」納得してもらえるか

 本当に心配する部分は新ルールによる失格者が出て、ファンが戸惑うことだ。2003年に外帯線から3メートル位置にイエローラインが敷かれ、先頭に出た選手が線を越えて一定時間を走ると失格となる。

 

 これがファンの間に浸透するのに時間がかかった。実際に記者がファンの声に直接対応した例がある。04年11月の一宮記念2日目、ある先行型が逃げ切ったが道中でイエローラインを3秒近く越えて走っていたため、失格となった。的中と思っていたファンからルールの説明を求められた。記者の説明不足のせいもあったためか、納得はしてもらえなかった。

 

 6月以降は高松宮記念杯を手始めにG1、G2のビッグレースが次々と開催される。もしも特別開催の決勝戦などで1着通過の選手が新ルールに抵触した場合、どれだけのファンが納得してくれるだろうか。事故減少を目的とする新ルールではあるが、ファン離れに拍車をかける結果とならないことを祈るばかりだ。(中村 秀昭)