【競輪】コロナ禍で制度の安定性欠く競輪界
- 2021/2/25
- 競輪記事
3月末めどに参加全選手にPCR検査
競輪界では新型コロナウイルス感染対策をより強化。3月末をめどに、参加全選手が事前のPCR検査を受け、陰性が確認された上で参加するシステムとなっている。そのため今月17日以降、G3、F1、F2開催の男子には検査が間に合わない直前の追加、開催中の補充を入れていない。
感染防止対策として大事なことではあるが、F1やF2の現場では問題も起きている。現在は控室等の「密」を防ぐため、F1以下のグレードでは基本が7車立て。17日を初日とする開催では直前欠場の選手が出た場で初日から欠車のレースが目立つようになった。また、最低車立て「5」を維持できず、でレースカット、レース中止も出ている。
17~19日向日町でレースカットも
競輪を行うには最低でも5車が必要。F1戦のS級の場合、初日終了時までに5人の欠車が出るると問題が生じる。2日目の一般戦が2個レースで満車は「14」。そこから5を引くと「9」。5車ずつに振り分けられず1個競走がレースカットとなる。
実際の例では17~19日の向日町F1では事前にS級選手5人が欠場。そのため2日目以降はレースカットされ12R制から11R制に変更。21日の奈良F2では第8Rを最低数の5車立てで行う予定だったが、1人の欠場が出たためレース中止。その時間がぽっかりと空いて、ファンに迷惑をかける流れとなった。
「巣ごもり特需」で公営競技の売り上げが伸びているという声もある。車立てが減ると車券も当たりやすくなるとも聞く。だが、他業種と比較して制度が安定しなくなったイメージが強い競輪。今は感染対策第一だが、「コロナ後」を見据えて魅力ある内容を考えておくべきだろう。(中村 秀昭)
(2021/2/24紙面掲載)