【競輪】今月デビュー119期 田川翔琉 父に負けじと先行で“駆ける”

父・辰二譲りの粘り強さ

 熊本県から119期生7選手が今月、チャレンジ戦で本格デビューを迎えた。同県で1年先輩の117期生は7人中6人が大活躍しており、続く新人も注目を浴びている。

 その中の一人、田川翔琉(かける)=写真=も有望視されている。本格デビューとなった5-7日の久留米F2では11②。決勝こそ山根将太の先行をまくれなかったが特に準決で迫力ある自力勝負を展開し、父で師匠の辰二譲りの粘り強さを披露した。

タンデムで大学日本一

 高校から自転車競技を始め、中距離競技で実績を残し将来の競輪選手を視野に入れつつ大学進学。最初は芽が出ず、2年生の時点には一度は進路変更を考えたが、3年生になり夢が再燃した。

 「中距離からタンデム競技に切り替え、短距離の強化をしました。そしたらタイムも出て、いい方向に向きました」。欲しかった結果も2019年の全日本大学選手権タンデムスプリント1位という形で出し、大いに自信を付けた。

地脚生かして先行勝負

 脚質は長い距離を踏める地脚。「一度出てマイペースに持って行くのが得意」ということで、まずは若手らしく先行で戦っていく。久留米では納得の一戦がなかったため、精度を高めていくのが今後の課題だ。

 1年先輩で、すでにS級に在籍する松岡辰泰、伊藤旭の117期コンビとは同門。また脚質が似た上田尭弥とも一緒に練習し、長所の強化に努めている。「環境はとてもいい。父が先行で強かったぞ、と言われるのではなく、息子の方も強い、って言ってもらえるようになりたい」。勝負の世界に飛び込んだ若武者にエールを贈りたい。(中村 秀昭)

(2021/7/14紙面掲載)

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