エンタメ

(2019/2/14更新)

舞台「暗くなるまで待って」九州初上陸

加藤和樹「緊張感味わって」

 俳優の加藤和樹と凰稀かなめが主演する舞台「暗くなるまで待って」(FBS福岡放送、M.I.O主催)の福岡公演が23日、福岡市民会館大ホールで行われる。 アパートの一室で繰り広げられる、悪党3人と盲目の若妻との駆け引きを描いたサスペンス劇。1966年にブロードウェーで初演、67年にオードリー・ヘプバーン主演で映画化された。九州初上陸の舞台、その魅力を主演の加藤に聞いた。

加藤和樹
公演をPRした加藤和樹

 この暗闇で何が行われているのか 

--自身も観劇したことがある作品。その時の印象は

 2007年に客席で見てからずっとやりたいと思っていた。当時は舞台とかもそんなに観劇したことがなかった頃だったので、すごく刺激を受けました。

 

--暗闇になる場面が注目されている

 真っ暗闇になるとお客様は見るものがない。芝居としては視覚を奪うのはとてもリスキーなこと。でもその中で音のみの世界、お客さんも盲目のスージー(凰稀)になる瞬間がある、その緊張感、今、この暗闇で何が行われているのかっていうスリリングな状況をお客さんにも味わってもらいたいですね。僕が見たときにもすごくハラハラ、ドキドキした。

 

--演じている側も何も見えない

 無駄な音を出さないように気を遣う。ほとんど見えない。日によって床に何が散らばっているのかも変わってくるし、物にぶつかるのは当たり前、細かい切り傷、擦り傷はある。手探りで、ガチで命のやり取りをしている。

 

 

 “共感ゼロ”の悪役 

--とてつもない悪役を演じる

 今まで演じた悪役はどこかで人間味があったり、実はいい人だったというのはあるけど、ここまで共感ゼロというのはない。「悪」と「ワル」は違う。ほかの2人は単純に「ワル」。生きていくために詐欺師、だまして金を奪って捕まってという。しかしロートは違う。ワルさえも凌駕(りょうが)する。本当に悪。しかし彼からするとそれが悪ではなく、それが日常。端から見るとめちゃめちゃ怖い、何をしでかすか分からない。その恐怖感をお客さんに体感してもらうのがロートの存在意義かな。こういう役もなかなか珍しい。ロートが楽しめば楽しむほど、お客さんは怖い。 

 

--盲目を演じる凰稀さんとの掛け合いも興味深い

 声がする方向に対してのリアクションになる。彼女を怖がらせるのは音だけ。見えていない人に怖いことをやっても伝わらない。部屋のものを壊すとか、足音だったり、声の距離感だったり、そういうところでの楽しみ方が結構面白い、そこも毎日、あまり決めずにやっていますね。

 


 ライブ感の強い作品 

--出演者は8人と少数

 少ない分、スポットを当てる人物が限られる。その分、こちらもごまかしがきかないので、役者の動きというものをより隅々まで感じてもらえると思う。この人がどういうアクションをするんだろう、と。「罠」をやったときは2時間出ずっぱり、追い詰められて人を信じられなくなるくらいの精神状態になったこともある。だからこそお客さんの集中力も切れることがない。今回も休憩時間なく、2時間ずっと走りっぱなし、集中して見られると思います。

 

--東京公演での客席の反応は

 お客さんも緊張して観劇してくれています。スージーがしーんと耳をこらすシーンとか、お客さんが息をのんで、それに反応する。カーテンコールでお客さんの顔を見ると、どっと疲れたような表情をしていました。他の作品に比べてしーんとしているのが多いので、咳払い一つとかすごく神経を使うと思います。舞台上の音だけではなく、お客さんも音を出さまいとする。こういうライブ感が舞台の醍醐(だいご)味。

 

--福岡公演に向けて

 九州のお客さんは温かい。ライブでは何度も来たことがあるが、芝居では数回ほど来たくらい。迎え入れてくれる感というのは、カーテンコールの拍手で感じられますね。福岡は千秋楽で1回切りの公演。仕上がっていると思うので、ぜひ九州の人たちに見てもらいたいですね。

【暗くなるまで待って 福岡公演】

 2月23日、福岡市民会館大ホール 午後1時30分開演

 全席指定8800円

 問い合わせは、M.I.O.096-288-6696(平日午前10時~午後6時)