エンターテインメント(テレビ芸能音楽)

(2019/1/25Web限定)

映画「めんたいぴりり」

辛くない。優しい風味の昭和人情物語

映画めんたいぴりり
博多華丸(左から4人目)、富田靖子(同5人目)ら出演者たち(福岡での初日舞台あいさつで)

博多華丸、富田靖子の名コンビ

 映画「めんたいぴりり」(江口カン監督)が話題を呼んでいる。日本で初めて辛子明太子を製造、販売した「ふくや」の創業者・川原俊夫をモデルに描いた物語。納得のいく明太子を作るため悪戦苦闘の日々を送る主人公と支える妻、周囲の人々との人間模様が面白い作品だ。2013年に放送されたドラマと同じく、博多華丸と富田靖子の名コンビが夫婦役を演じる。

 

 福岡発で全国展開されたドラマ、舞台に続いて待望の映画化。今月11日にご当地福岡で先行公開、そして18日から全国の劇場で上映されている。飲食店では映画とコラボしたメニューの販売、さらにボートレース場で映画名を冠にした競走の開催など、福岡はめんたいぴりりで盛り上がっている。

 

 ドラマ版を見たことがある人は、まず“安心感”を覚えるだろう。主要キャストは6年前のまま。「のぼせもん」の大将と女将さん、中洲の食料品店「ふくのや」の従業員たちが掛け合う光景を見ると「帰ってきたね」と思える。そして飛び交う博多弁。福岡県民にとっては耳に心地いいと言うと大げさかもしれないが、一言一言がスッと入ってきて、出演者が身近にいるような気分になる。

 

 戦後の混乱期を乗り越え、経済成長が始まった時代を背景に、夫婦の絆や人の温かさが描かれた昭和人情物語。涙あり、そして華丸の相方・大吉がふんするスケトウダラの妖精の登場シーンをはじめ、笑いの要素もたっぷり。福岡県外の人やドラマを見たことがない人もすぐ、めんたいぴりりの世界に引き込まれるだろう。

 

 大切な人と一緒に劇場へ行くことをお薦めしたい。ただ、華丸が言っていた「福岡の人によくある『うわー、見に行こうと思ったら終わっとったばい』」とはならないように気をつけて。(弓削 大輔)