レジャー情報~山口県~

(2019/2/14紙面掲載)

下関市立美術館 来月24日まで

さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか……

  人気劇画「ゴルゴ13」の半世紀にわたる軌跡を紹介する特別展「さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか……」が山口県下関市の市立美術館で開かれている。3月24日まで。ビッグコミック(小学館)での連載50周年を記念したもので、初公開となる原画や、さいとう・プロダクション内の「武器庫」にあるモデルガンを展示している。仕事場を再現したり、制作の裏側を紹介したり、ファンにとってはたまらない内容。実際に足を運び、幅広い世代に愛されるゴルゴの魅力を探った。(加藤 博之)

さいとう・たかを ゴルゴ13
さいとう・プロダクションの資料用モデルガンも展示

読者を楽しませ続け-ゴルゴ50年の軌跡

 ぶれずに、生きてきた。どんな時代であろうと、自身のルールだけに従って。だからゴルゴは、これだけ長い間、多くの人を魅了してやまないのだろう。ずらりと並んだ原画は、そのことを物語っていた。

 

 息づかいが伝わる1枚1枚には、丁寧な解説が添えられている。コマ割りが特徴的で、映画撮影のカメラワークのような手法で描かれているという。「ズキュゥーーン」といった「音入れ」も絶妙に配置されており、標的を撃ち抜いた時の「ビシッ」や、ミッション終了を意味する銃をしまう時の「チャッ」などは、ファンの間でおなじみだ。

 

 作者のさいとう・たかをさん(82)は、自身とゴルゴについて、「監督と、よく言うことを聞いてくれる役者の関係」と話す。ゴルゴはほとんど口を利かず、感情を表に出さない。しかし、独特の表情やその目は雄弁だ。だからこそ、時折口にする何げない言葉でも印象的な響きを持って、読者の心に残るのだろう。

さいとう・たかを ゴルゴ13
ゴルゴの最終話はすでに、さいとう・たかをさんの頭の中にあるという

ファンの共感呼ぶ 仕事へのこだわり

 銃や街並みのリアリティーを追求した、細部へのこだわりも魅力の一つ。外車のリンカーンがひっくり返るシーンでは、その裏側までもきっちりと描くほど。当初は10話で終わるつもりだった連載は、総発行部数2億部を突破、コミック界における連載最長記録も更新中だ。

 

 作品と自身を、さいとうさんは花火師と花火に例えた。花火師が打ち上がった花火を見ている暇はないように、視線は常に次へと向けられている。読者を楽しませ続けることへの挑戦――。それが創作の原動力だ。

 

 好きなエピソードがある。ゴルゴは、冷酷に、その仕事を遂行する。一方で、アリを踏みそうになると慌ててまたぐ優しさも持っている。スナイパーではあるけれど、ただ職務を果たしているだけなのだ。「男は、仕事しかない」と、さいとうさんは言う。1968年の連載開始から一度も休載することなく描き続けてきた作者と、そんなゴルゴが重なった。ファンの共感を呼ぶ理由がここにもある気がした。


【ゴルゴ13】超A級スナイパー・デューク東郷(自称)。本名、国籍、生年月日など全て不詳。引き受けた狙撃依頼はどんなことがあってもやり遂げる。少なくとも18か国語以上に精通。182センチ、80キロ(いずれも推定)。A型。

 

連載50周年記念特別展

【さいとう・たかを ゴルゴ13 用件を聞こうか……】

 「軌跡」「狙撃」「女性」「制作」「人気」の5章で構成。プロダクションの「武器庫」から門外不出だったモデルガンが集結。ほかに、作画や脚本を完全に分担する「分業制」を早くから導入した仕事場の紹介や、ゴルゴ愛用のライフル「アーマライトM16」のモデルガン体感コーナーも。また、作中に登場する女性100人を壁一面に並べてみたり、名作「海へ向かうエバ」を初公開の15枚とパネルで全ページ展示したり、多角的に魅力に迫る内容だ。

 月曜休館。午前9時30分から午後5時。入場料は一般1200円、大学生900円、70歳以上と高校生以下は無料。問い合わせは下関美術館083-245-4131