ハンドボール

(2019/11/21紙面掲載)

2019女子ハンドボール世界選手権大会 30日開幕

おりひめJAPAN 地元選手躍動

熊本5会場で熱戦

 「2019女子ハンドボール世界選手権大会」がいよいよ、11月30日に開幕する。世界から24か国が参加して、熊本県内の5会場で12月15日まで熱戦を繰り広げる。2020年の東京五輪で44年ぶりの出場が決まっている女子日本代表「おりひめJAPAN」にとっては、重要な位置づけとなる大会だ。オムロンピンディーズ(熊本県山鹿市)からは永田しおり(32)、勝連智恵(30)、宮川裕美(28)、石井優花(26)が代表入り。日の丸を背負い、地元での大一番に臨む4選手の横顔を紹介する。

オムロンから日本代表に選出された(左から)石井、永田、勝連、宮川
オムロンから日本代表に選出された(左から)石井、永田、勝連、宮川

ピボット 永田しおり

力と闘争心 迫力プレー

 ハンドボールとの出会いは15歳の時だった。将来を思い描いた時、永田の頭に浮かんだのは「五輪」の2文字。中学ではバレー選手だったが、どちらが自分に向いているかを考え、博多女子商入学と同時にハンドボール部へ。「オリンピックに出たいという夢があったので」。進むべき道が決まった。

 

 着実にプレーヤーとして成長を遂げてきた。高校卒業後にオムロン入り。中心選手として活躍する。ポジションはピボット。外国勢にも劣らないパワーと闘争心あふれるプレーが持ち味で、チームの精神的支柱でもある。「統率力があり、自分に厳しい。背中で引っ張り、周りが付いていきたくなる選手」。オムロンの水野裕紀監督もそのリーダーシップに大きな信頼を寄せる。

 

「おりひめJAPAN」の精神的支柱でもある永田
「おりひめJAPAN」の精神的支柱でもある永田

東京へ弾み「メダルつかむ」

 日本代表では副キャプテンを務め、求められる役割はチームと同じ。国際試合の出場は93を数える。2016年のリオデジャネイロ五輪の出場を逃した時、一度は競技をあきらめかけたが、東京五輪に向けてもう一度スイッチを入れ直した。「(世界選手権で)メダルを獲得して五輪につなげたい」と意気込む。

 

 ハンドボールという競技をもっと知って欲しいという思いもある。走る、投げる、跳ぶの3要素がそろったスポーツ。激しい接触も魅力で「一度見てもらえたら、絶対に面白いと思ってもらえます」。そのためにもこの大会で躍進することが重要だと考えている。

 

 甘いものが大好物。ただ今は食事管理を徹底し、全ての時間を世界選手権のために費やす日々を送る。「勝つために。そのことしか考えていない」。15歳の時に描いた夢。憧れの舞台に通じる道を、一歩ずつ前に進んでいる。

 


スピードでファンを魅了する勝連
スピードでファンを魅了する勝連

レフトウイング 勝連智恵

多彩な技で相手を手玉

 抜群の身体能力を生かしたスピードあふれるプレーが、勝連の持ち味だ。ポジションはレフトウイングで、国際試合出場は48。通算123得点をマークしている。「キーパーとの1対1の駆け引きが面白い」と話すように、狭いスペースから繰り出すスピンシュートなどの多彩な技で魅了する。

 

 競技は中学から始めた。「小学生の時はハンドボール自体知らなかった」と笑う。高い向上心と負けず嫌いな性格もあって、宣真高(愛知)を卒業後にオムロン入りして、さらに力を付けた。今大会では、日本代表が得意とする速攻を仕掛ける際に重要となるポジションだけに、キープレーヤーとなりそうだ。

 

編み物や裁縫も得意

 オムロン加入が北京五輪の年だったことから、コートネームは「オリ」。手先が器用で、編み物や裁縫も得意なサイドプレーヤーは、多彩なシュートテクニックを披露してくれそうだ。

 

宮川が好セーブで試合の流れを呼び込む
宮川が好セーブで試合の流れを呼び込む

ゴールキーパー 宮川裕美

春代表入り 好セーブ連発

 おっとり、マイペースののんびり屋。でも時に、スーパーセーブを連発して流れを呼び込む。宮川はそんなゴールキーパーだ。元々はコートプレーヤーだったが「走るのがきつくて」と転身の理由を教えてくれた。

 

コツコツ練習してブレイク

 オムロンでもなかなかレギュラーになれず、下積みも長かった。だが「試合に出たい」とコツコツ練習を積み重ねたことでブレイクにつなげた。昨年の日本リーグプレーオフではビッグプレーを連発し、春に代表入り。「日の丸を背負う選手は意識が違う」と刺激を受けた。

 

 あざ、突き指は絶えないし、シュートが顔面に当たることもよくある。それでも「仲間と連携してシュートを止めた時がうれしい」と話す。遅咲きのゴールキーパーが、世界の強豪を相手にスーパーセーブで観客を沸かせる。

石井は司令塔として全ての攻撃の起点となる
石井は司令塔として全ての攻撃の起点となる

センターバック 石井優花

点も取れるチームの要

 コート上で常に目を光らせる。石井は司令塔となるセンターバックを務める。「ゴールへの嗅覚にはキラリと光るものがある」とチームメートが話すように、そのセンスあふれるプレーが魅力だ。

 

 ハンドボールを始めたのは小学3年からと経験も豊富。パスワークの起点となるのはもちろんだが、自らシュートを狙えるのが一番の持ち味だ。今回は10月に追加招集され、世界選手権での代表入りを決めた。

 

悔しさバネに成長

 これまで日本代表には、呼ばれたり、呼ばれなかったり。代表落ちの度に「自分に足りないものがあるから呼ばれない」と、悔しさをバネにして成長してきた。

 

 サッカーを見るのが好きで、特に久保建英(マジョルカ)のファン。サッカー界期待の若手と同じように、今大会では目指してきた東京五輪に向け、目いっぱいアピールするつもりだ。

 

予選R強豪はロシア、スウェーデン

【日程】 日本代表は、予選ラウンドのグループDに入った。強豪のロシア、スウェーデン戦も重要だが、次のステージに進むためにも、アルゼンチン、DRコンゴ、中国の3試合は絶対に落とせない。俊敏さや機動力を生かした速攻が決まるかが焦点となりそうだ。予選ラウンドの「おりひめJAPAN」の日程は次の通り。

 対アルゼンチン(11月30日15時~)

 対DRコンゴ(12月2日18時~)

 対スウェーデン(12月3日19時30分~)

 対ロシア(12月5日18時~)

 対中国(12月6日15時~)

 ※会場はいずれもパークドーム熊本

日本代表戦が行われるパークドーム熊本(熊本国際スポーツ大会推進事務局提供)
日本代表戦が行われるパークドーム熊本(熊本国際スポーツ大会推進事務局提供)

会場へは無料バス「おりひめライナー」で

 試合が行われる熊本県内の5会場は駐車場に限りがあり、無料バス「おりひめライナー」などを利用すると良さそうだ。各会場への運行ダイヤは大会公式サイトで。

 

▼パークドーム熊本 JR光の森駅、桜町バスターミナル、阿蘇くまもと空港から「おりひめライナー」を運行。

 

▼アクアドーム熊本 桜町バスターミナルからJR熊本駅経由の「おりひめライナー」を運行。最寄りはJR西熊本駅。

 

▼熊本県立総合体育館 桜町バスターミナルから路線バスで。最寄りはJR上熊本駅。自家用車の来場は不可。

 

▼八代市総合体育館 新八代駅から「やつしろハーモニーホール」まで「おりひめライナー」を運行。ゆめタウン八代内駐車場からシャトルバスを運行。自家用車の来場は不可。

 

▼山鹿市総合体育館 山鹿バスセンターから「おりひめライナー」を運行。 


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