24~K部長のボートレース放浪記
ボートレース鳴門 小鳴門橋

第12レース

<ピット離れ~スタート>

1周1マーク~ゴール(後編)

 

 Kです。福岡のSG「ボートレースオールスター」の余韻も冷めやらぬところですが、早くも鳴門(徳島)でSG「グランドチャンピオン」が始まります。ボートレース界は5月から8月まで毎月SGが開かれます。さらにプレミアムGⅠ「レディースチャンピオン」も8月に開催されます。ボートレース好きにとっては一番楽しい時期でもありますが、一身上の都合により今年は鳴門への旅打ちはできそうにありません。楽しみは次の丸亀のSG「オーシャンカップ」までとっておくことにし、今回は鳴門の思い出話をさせてもらいます。

 

 鳴門は24あるボートレース場の中でも好きなレース場のひとつです(まあ、嫌いなレース場はひとつもないのですが)。舟券がよく当たるとか、万舟が出やすいとかではなく、レース場の雰囲気、景色がいいのです。1マーク側には小鳴門海峡に架かる小鳴門橋が見えます。たまたま過去3回の旅打ちが夏だったこともありますが、紺碧の海に赤い橋が映えます。逆に小鳴門橋からはレース場を見下ろすことができます。この角度からレース場を見ることができるのは、鳴門と戸田(埼玉)ぐらいではないでしょうか。

 

 鳴門への最初の旅打ちは2010年のGⅠ「開設57周年・大渦大賞」(7月29日~8月3日)。24場制覇を目指して旅打ちを始めたばかりの頃で、丸亀のSG「オーシャンカップ」に続き2か月連続で四国まで遠征したことになります(何せ1000円高速時代ですから)。当時はまだ舟券の成績を詳細にメモしていなかったので、この初遠征で勝ったのか負けたのか定かではありませんが、第1レースが始まる前に観潮船に乗って鳴門海峡の渦潮を見に行ったことは覚えています。残念ながら小型の渦潮しか見ることはできませんでしたが、船から見上げた鳴門大橋の雄大な姿が印象に残っています。

 

ボートレース鳴門 旧スタンド

 2回目は2013年のGⅠ「第27回女子王座決定戦」(8月6日~11日)です。翌年2月から2年間休催し、スタンドの建て替えも決まっていたので、旧スタンドでは最後のGⅠ戦。「今のスタンドの見納めに」と少し早い盆休みを取って参戦しました。当時のスタンドは天井の鉄骨がむき出しで、お世辞にもきれいとは言い難かったのですが、昭和の香りを残すスタンドは魅力がありました。売店のタコ天や鳴門金時(サツマイモ)の天ぷらは、私の中ではレース場B級グルメの上位にランクされています。

 

 さてレースですが、女子王座決定戦は翌年、「プレミアムGⅠレディースチャンピオン」に名前が変わったので、結果的にはこの名前での大会は鳴門が最後になりました。その優勝戦のメンバーは①平山智加(香川)②谷川里江(愛知)③山川美由紀(香川)④金田幸子(岡山)⑤浅田千亜希(徳島)⑥寺田千恵(岡山)。初日のドリーム戦を1号艇で制し、予選をトップ通過した平山が堂々の1号艇。平山は24回大会(三国)、26回大会(若松)と優勝戦1号艇に座りながら敗れています。3度目の正直なるか、です。

 

 展示は枠なりの3対3。1周タイムは平山が抜けており、展示タイムは寺田が断トツです。平山にとって鳴門は準地元水面でもあり、1月には男女混合戦の尼崎の周年記念を1号艇で逃げて制しています。出した結論は「3度目の悪夢はない」です。問題は2、3着ですが、当時も今も6号艇の展示一番時計は買いが信条です。本命筋は①-⑥=全で勝負。穴目は寺田の差し切りまであると読んで⑥-①=全。タイムが良かった平山、寺田と心中覚悟の舟券です。

 

 結果は4カドから0.11のトップスタートを切った金田のまくりが決まり、④⑤①(21,420円)の波乱決着。平山のスタートタイミングは0.22の6番目。「せめて1艇身(0.15)前後のスタートを行っていれば」と思うレースでした。平山はこの年の賞金女王決定戦(現・クイーンズクライマックス)を1号艇で優勝しましたが、女子王座決定戦(レディースチャンピオン)だけはいまだに縁がありません。ボートレース界の七不思議のひとつです。

 

 結局、戦績は2日間の参戦で8勝16敗、回収率70%。優勝戦を含め万舟が8本も飛び出した鳴門への2回目の旅打ちは大赤字で終わりました。

 

阿波踊り

 舟券は散々でしたが、徳島の夏を彩る阿波踊りは堪能しました。阿波踊りと言えば、最大規模を誇る徳島市のそれが有名ですが、県内各地で行われています。鳴門市も例外ではなく、優勝戦があった11日が最終日です。市内のあちこちに踊り広場や演舞場が設けられ、お囃子と「ヤットサー、ヤットサー」の掛け声が響く中、夜遅くまで見て回りました。

 

 翌日は徳島市の初日です。昼間は眉山からの吉野川の雄大な流れを眺めたり、阿波の人形浄瑠璃を上演する「阿波十郎兵衛屋敷」で「傾城阿波の鳴門」を観劇したりと市内観光。踊りの本番は夕方からです。有料の桟敷席が設けられた演舞場が市の中心部に4か所ほどありますが、それ以外でもあちこちで踊りは繰り広げられます。まるで市全域が踊り広場になったような熱気です。「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々」。この掛け声の意味が皮膚感覚でよーくわかります。

 

 それにしても初めて間近に見た女踊りにはしびれましたねえ。浴衣姿に編笠を深くかぶり、足元は下駄。男踊りと違い腰を伸ばし、内股気味に膝を上げます。その姿の何と艶(つや)っぽいことか。「一かけ二かけさ三かけて、四(し)かけた踊りはやめられぬ、五かけ六かけ七かけて八(や)っぱり踊りはやめられぬ」。数え歌風のかわいらしい掛け声とともに2013年夏の最大の収穫だったような気がします。

(2017/6/17)


ボートレース鳴門 新スタンド

第12レース

<1周1マーク~ゴール>

ピット離れ~スタート(前編)

 

 鳴門の旅打ち3回目は昨年のSG「オーシャンカップ」(7月13日~18日)です。完成したばかりの新スタンドで、鳴門としては58年ぶりのSGです。オーシャンカップは優勝戦が「海の日」となるので、土、日、月曜日と3日間、ボート漬けです。


 新スタンドは「日本一コンパクト」とのうたい文句通りでした。初日(16日)に場内を見て回りましたが、あっという間に終わってしまいました。感覚的にはボートピアを二回りほど大きくした感じです。その分、別棟に特別観覧施設「ROKU」と広大な芝生広場がありますが、「優勝戦の日はスタンドに人が入り切れないんじゃないか」と心配したほどです。旧スタンドのイメージは一新されていましたが、タコ天などを売っていた売店がなくなっていたことはとても残念でした。


 さて舟券ですが、予選最終日の16日は1レースから3レースまで連続で的中し幸先いいスタートを切ったのですが、後半失速し、結局7勝5敗(回収率99%)でトントン。17日は準優勝戦前の9レースまでに万舟が4本と荒れ模様。安い配当のレースはそこそこ取れたのですが、万舟にはかすりもせず、ここまで若干のマイナス。この日のプラスをかけて準優勝戦3レースで勝負です。


 10レースは①丸岡正典(大阪)のイン戦。①②③と鳴門には珍しく内3艇で決着し、3番人気の1500円。外枠の⑤篠崎元志(福岡)、⑥坪井康晴(静岡)に目がいき、③寺田祥(山口)を買えずにはずれ。続く11レースはこの時の旅打ち、いえこれまでの旅打ちの中で最も印象に残るレースとなりました。メンバーは①井口佳典(三重)②辻栄蔵(広島)③毒島誠(群馬)④中野次郎(東京)⑤石野貴之(大阪)⑥篠崎仁志(福岡)。井口を信頼し、①-②③④-②③④と①-⑥-全で勝負しました。結果は⑤③⑥、18,240円の万舟でした。舟券がはずれ、本来ならば悔しいはずなのに、このレースだけはそんなことより「恐ろしいものを見せてもらった」と思うほど、石野の見事なレースでした。


 5コースから0.14のトップスタートを切った石野は、スタート直後、少しだけ艇を外に振ったかと思うと、3倍速の早送りで見ているような素早い動作でハンドルを入れ、全速のまくり差し。1マークを回った直後は毒島と並んだように見えましたが、伸びを生かしてあっと言う間に抜き去っていきました。「凄い!」。右手一本でどうしてハンドルをあんなに速く回せるのか、今もって不思議なのですが、あの光景は今も脳裏に焼き付いています。


 最後の準優勝戦12レースは予選をトップ通過した峰竜太(佐賀)が1号艇。峰のSG制覇を期待しているボートファンは多いと思いますが、私もその一人です。このレースに勝てば、優勝戦は1号艇。SG初優勝が現実味を帯びてきます。ただ、メンバーは不気味です。2号艇にスタートの速い菊地孝平(静岡)、大外には前付けに来そうな田中信一郎(大阪)。案の定、展示は①②③⑥/④⑤。本番は入っても3コースまでと読み、菊地を壁に峰が逃げると①-②-全の4点勝負。この日の収支をプラスにすべく、ここはいつもより太めの舟券です。


 結果は2コースまで動いた田中と峰が痛恨のフライング。スタートの速い菊地が3コースになったことでいつもより踏み込んでしまったのでしょうか。舟券は全額戻ってきましたが、「枠なりだったら、峰が逃げてたよな。田中がいらんことするけん」と恨み節が出ます。「峰のSG初優勝に本場で立ち会う」との夢はまたも幻と消えてしましました。結局、この日は4勝8敗、回収率92%とマイナスで終わりました。

 

ボートレース鳴門 2016オーシャンカップ

 翌最終日。峰ショックに心が折れたわけではないのでしょうが、朝から6連敗を喫するなど絶不調。11レースまで2レースしか当たらず、キャッシュレス投票カードの残高は底をつきかけています。収支をプラスにするのは難しそうですが、最後、優勝戦を当てて気持ちよく旅打ちを締めくくりたいところです。


 メンバーは①丸岡正典②新田雄史(三重)③石野貴之④池田浩二(愛知)⑤毒島誠⑥岡崎恭裕(福岡)。全員がSGホルダー。いいメンバーです。展示は枠なりの3対3。展示タイムは「伸びは負けない」という石野が断トツですが、1周タイムは丸岡、毒島、池田の順です。本命筋は準優勝戦で唯一逃げを決めた丸岡を信頼。2着は石野の攻めに乗っての毒島を指名し、①-⑤-②③④の3点。穴目はもう石野しかありません。頭で来るならまくりしかないと③-④⑤-全です。


 本番は枠なりから、トップスタートを切った石野が内の新田に催促するかのようにまくらせ、それを見て余裕の差しを決めました。「なんだ! この展開は」などと言っている場合ではありません。3着は②④⑥で接戦です。舟券は③-④に期待するしかありません。2着を走っている丸岡に対し「こけろ~!」。舟券を買う前の「丸岡信頼」なんてどこ吹く風。勝手なものですが、その心の叫びもむなしく、結果は③①②(3020円)でした。


 この日の戦績は2勝11敗、回収率22%。惨敗でした。3日間のトータルも13勝23敗、回収率72%と新スタンドに多額の寄付をすることになってしまいました。収穫があったとすれば、以前にもこの欄で書きましたが、「エンジンが仕上がった時に石野の奇数号艇は頭で買い」を再認識できたことでしょうか。その石野は鳴門でオールスターに続くSG連覇、さらに丸亀でオーシャンカップ3連覇に挑みます。当分、目が離せません。

(2017/6/20)