グランプリ編(2016.12)

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グランプリ編(2017.12)

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住之江グランプリ編(2016.12)

~上~

 

 ボートレースファンにとって、大一番と言えば、年末のグランプリ(賞金王決定戦)でしょう。大晦日にクイーンズクライマックスがありますが、やはり1億円バトルの方が総決算にふさわしいでしょう。

 

 記憶も新しい昨年の開催場は住之江(大阪)。行ってきました。グランプリだけは毎年行こうと思っているのですが、諸般の事情で3年ぶりの“出走”です。その分、23日から3日間36レース、天皇誕生日もクリスマスも関係なく、2016年旅打ちの総決算です。

2016ボートレースグランプリ 住之江入場門

 前泊したホテルから大阪市営地下鉄を乗り継ぎ、約40分かけて住之江公園駅へ。この日は、セットした目覚まし時計より1時間以上早い午前6時前に目が覚めました。遠足の日の幼稚園児と同じです。外はまだ真っ暗ですが、まずは近くのコンビニまでスポーツ報知を買いに行きました。

 

 外に出ると、前日とは打って変わってかなり肌寒く感じます。気温はぐっと下がりそうです。旅打ちを始めて、その日の天候には敏感になりました。「モーターの調整をはずす選手が出てくるかも。展示は要注意だな」などと喫茶店でモーニングを食べながら自分に言い聞かせ、頃合いを見て地下鉄に飛び乗りました。

 

 住之江公園駅は北改札2号出口の階段を上がると、もうそこはレース場です。地元・福岡は「都心から一番近いレース場」と言われますが、最寄り駅から一番近いのは住之江でしょう。開門(午前9時30分)の15分ほど前ですが、試運転のモーター音が聞こえてきます。2号出口から正門前までは屋根付きの通路でつながっており、のぼりやポスターが等間隔で設置され、まさにグランプリロードです。おそらく最終日は開門前から、この通路まで人であふれるはずです。

 

 さて、旅打ちの時の舟券は、本命筋6、穴目4といった割合で資金配分します。根が小心者なので、1点にドカーンということができません。どちらかというと多点買いの方でしょうか。本命筋が入れば、元返しでOK。穴目(万舟券)を1本でも取れれば、その日の収支はプラスといったところです。


 この日は本命決着となった第5レース(①②④で1,240円)を1本取っただけで後半戦へ。当然のことながらここまで大幅な赤字です。迎えた第8レース。1号艇は長田頼宗(東京)、3号艇にシリーズ回りとなった魚谷智之(兵庫)がいます。魚谷が展示一番時計で、1周タイムも上々です。魚谷のまくり差しに期待し、穴目として③-①②④-①②④の6点を買い、これが③④①で5,630円。マイナス分をかなり取り戻しました。第10レースでは、今節、機力(気力も?)充実の1号艇今垣光太郎(福井)と、展示で前付けに動いた6号艇・白井英治(山口)の①=⑥-全で3,110円をゲットし、ここでなんとかトントンにまで戻しました。


 第11レースからはいよいよグランプリトライアル2ndです。


 11レースは1号艇に前日大敗したとはいえ、エース機を駆る坪井康晴(静岡)。3号艇に瓜生正義(福岡)、5号艇に篠崎仁志(福岡)。福岡から参戦している身としては、瓜生と仁志に頑張ってもらいたいところです。特に仁志は史上初の兄弟でのグランプリ出場を果たしながら、兄・元志がケガで途中帰郷を余儀なくされており、「兄の分まで」と気合十分のはずです。しかし、ここはインが強い住之江。展示、1周タイムともダントツの坪井には逆らえません。本命筋は①-③-全と仁志の3着付けの①-②④-⑤で勝負。


 穴目をどうするか。迷いました。まず頭に浮かんだのは、応援舟券的な要素も含め①③⑤のボックス。次いで瓜生が3コースからまくり、仁志が追随しての③=⑤-全。いずれも⑤の頭ならいい配当ですが、さすがに5コースからはきついなと思い直し、結局、瓜生の強襲に坪井のふところが空くかもしれないと、2号艇の松井繁(大阪)の差しに期待し、②-①③④-①③④に。


 結果は仁志がファイナルへ望みをつなぐ見事なレースで2着に入り、①⑤③で5,840円。くっ、悔しい。やっぱり①③⑤のボックスやったぁ!しばしはずれ舟券をながめながら反省することしきりですが、反省だけならできるサル以下にならないようにもしなければ。

 

 さあ、最終レース。旅打ち初日からグランプリロードをうなだれて帰るのか、2号出口の階段を軽やかに下りるのか。


 メンバーは①井口佳典(三重)、②太田和美(大阪)、③石野貴之(大阪)、④山崎智也(群馬)、⑤菊地孝平(静岡)、⑥辻栄蔵(広島)。展示は菊地が良く見えました。案の定、展示、1周タイムともダントツです。舟券は、その菊地と次いで展示が良く見えた太田、6号艇とは言え、「忍者」の異名をとり、いつの間にか舟券に絡んでくる辻を絡めた組み立てが頭に浮かびました。石野は三国や鳴門でオーシャンカップを取った時のような威勢のいいコメントは出ていません。住之江で2度、黄金のヘルメットをかぶっている山崎も展示タイムが悪く、機力的には一番劣るような気がします。スタートの早い菊地の内というのも不安です。
 ということで、本命筋は思い切って③と④を切って、①-②⑤⑥-②⑤⑥の6点。穴目は――。今回は迷いませんでした。穴になるとすればスリット付近の足も良そうな菊地の頭しかありません。まくり差し時とまくり切った時の両構えで⑤-①②⑥-全の12点で勝負です。
レースは期待通り、菊地がスタート一気に飛び出し、見事なまくりを決めました。⑤⑥④で払い戻しは何と49,830円。旅打ち史上、5本の指に入る高額払い戻しです。往復の新幹線、ホテル代はもちろんこの日の夜の一人反省会(飲み代)の“会費”まで賄えそうです。破顔一笑。何とか人間に踏みとどまることができました。


 払い戻しを終えると、場内のテレビで翌日の枠番抽選の中継が始まりました。B組ではイの一番でガラポンを回した菊地の玉は緑(6号艇)。一方、A組は瓜生が3番目に回し、白玉(1号艇)をゲット。優勝戦の1号艇を争う瓜生と菊地で明暗が分かれました。グランプリは腕や機力だけでは取れないと言われますが、瓜生が流れをつかみ取ったような抽選会でした。ただ、菊地が6号艇のまま黙ってはいないでしょう。「菊地のレースは進入から面白そうだ」と早くもワクワク。一人反省会でじっくり検討しなければと住之江を後にしました。

 

 ご存知の通り、最終日、黄金のヘルメットをかぶったのは瓜生でした。瓜生の初戴冠を目の前で見ることができ、感激ひとしおだったのですが、問題は舟券の収支。果たして2016年の打ち納めの結果はいかに。住之江グランプリの後半戦は次回で。

(2017/1/10)


住之江グランプリ編(2016.12)

~中~

 

 Kです。住之江グランプリへの旅打ちの2回目です。


 23日、場内のテレビで中継されていた翌日の枠番抽選の結果をメモし、ホテルに戻りました。今回の宿泊先は大阪市営地下鉄・江坂駅から歩いて7、8分のビジネスホテルです。新大阪駅から二つ目なので、てっきり大阪市内と思っていたのですが、吹田市でした。駅の周辺には小、中学校があり、大阪市のベッドタウンといったところでしょうか。

 

  駅からホテルへの道すがら、一人反省会の会場となりそうな店を探します。旅打ちの楽しみのひとつにご当地グルメがあります。宮島(広島)ならカキ、浜名湖(静岡)ならウナギ、鳴門(徳島)なら鳴門鯛…。大阪ならさしずめお好み焼きか串揚げですが、その類の店が見当たりません。とりあえず「博多もつ鍋」の看板を掲げた目の前の店に飛び込みました。「福岡から行って、もつ鍋はないだろう」と言われそうですが、「一刻も早く生中(ビール)を」と、万舟に興奮した体中の細胞が叫んでいます。

2016ボートレースグランプリ 住之江

 カウンターとテーブルが4卓ほどの小さな店です。祭日、いやクリスマス“イブイブ”の午後7時前。客はまだ一人もいません。カウンターに腰を下ろすと、若い男性店員がおしぼりを差し出しながら「今日はお仕事でこちらへ?」と愛想良く尋ねてきました。「いや、福岡から住之江にボートレースをやりに」「へぇー、福岡からわざわざボートに」。感心しているのか、呆れているのか。

 

 メニューをめくると、どうやら九州料理がメインの店のようです。もつ鍋のほか、からしれんこんや馬刺し、黒豚ギョウザ、ゴーヤチャンプルーなどが並んでいます。ビールのあてにからしれんこんを頼み、もつ鍋からは「少しでも旅気分を」と京味噌もつ鍋を選びました。

 

 これが大正解でした。輝くような乳白色のもつはプリップリで全く臭みがなく、少し甘めの白味噌のスープとよく絡み、口中にうま味が広がります。添えられたユズゴショウを溶かしながら食べると、もう止まりません。もう一人前追加し、鹿児島のイモ焼酎「赤兎馬」のボトルまでキープしてしまいました。これで翌日の一人反省会の会場も決まりです。


 焼酎のロックを片手に、翌24日のグランプリトライアル2ndに思いをはせます。枠番抽選の結果、第11レースが①瓜生正義(福岡)②松井繁(大阪)③太田和美(大阪)④辻栄蔵(広島)⑤坪井康晴(静岡)⑥石野貴之(大阪)、第12レースが①山崎智也(群馬)②池田浩二(愛知)③井口佳典(三重)④桐生順平(埼玉)⑤篠崎仁志(福岡)⑥菊地孝平(静岡)。


 優勝戦の1号艇を争う得点状況は菊地が19点でトップ、瓜生が17点で続いています。抽選運も味方につけた11Rの瓜生の頭は固そうです。その場合、菊地は2着勝負駆け。6号艇でどうするか。3コースまで動いて①②⑥/③④⑤? いや、スタートの速い菊地のすぐ内を池田が嫌って①⑥②/③④⑤? 若手とはいえ仁志も大外は嫌だろうから菊地に抵抗しつつ①⑤⑥/②③④もありか? 考え出すとキリがありませんが、一人反省会の楽しいひと時です。焼酎が進みます。結局、「菊地がどうするかは瓜生の結果次第。スタート展示を見て判断するしかない」と、半分ほどに減った「赤兎馬」のボトルを残し、店をあとにしました。

 

 翌24日は朝からきれいな青空が広がり、1マーク側の水面が朝日を反射してキラキラと輝いています。前日に比べると暖かく、絶好のボートレース日和になりそうです。

 

 第2レースで展示気配が抜群に良かった6号艇の萩原秀人(福井)の2、3着付けを狙い、①⑥②6,400円をゲット。幸先いいスタートを切りましたが、それからがいけません。全く当たりません。本命筋が入った第7レースと第9レースを取りましたが、完全にトリガミ。第10レースが終わった時点で、2レースの貯金は使い果たし、水面下に深く沈んでいます。トライアルの11、12レース次第では大敗の1日になりそうです。

 

 11レースは、展示を見ても瓜生の頭は固そうです。穴目はあえて狙わないことにし、2、3着は松井、太田の地元コンビとエース機の坪井の争いと見て、①-②③⑤-②③⑤の6点で大勝負。ただ、これまでの経験から大勝負にいった時に抜け目が来ることがよくあるので、前日同様、「忍者」辻を絡めた①-②=④と①-④=⑤を追加しました。結果は瓜生が期待に応え①②④で1,100円。追加しておいて良かった。ボートの神様にまだ見捨てられてはいないようです。

 

 続く12レース。2着以上が条件となった菊地ですが、スタート展示ではだれも入れてくれず枠なりのオールスロー。「1億円がかかっているだけに、簡単には入れてくれないよな」。本番もオールスローになるかどうかはわかりせんが、少なくとも進入は枠なりを想定しました。


 本命筋は、大外とは言え最低でも2着がほしい菊地を絡めての①-②④⑥-②④⑥。それと前日の反省に立って仁志を絡めた①-⑤-全と①-②④-②④⑤。枠なりを予想したとはいえ、本番はどうなるかわかりません。進入が乱れた時は穴が出ることがよくあります。12Rはスケベ心を出して少し穴目を買うことにしました。前日同様、菊地のまくりも考えましたが、山崎が1号艇の時にスタートが遅れたシーンを何度か見たことがあります。菊地が前付けに動いて深い起こしになればなおさらあり得ます。そこで池田のじかまくりと、それを見てスピードターンで差してくる桐生との折り返しで②=④-全にしました。


 さて本番。菊地が猛然と内を取りに来ました。それに仁志が抵抗。①②⑤⑥の並びに。驚いたように桐生もあわてて舳先をスタートライン方向に向けましたが、すぐに回り直し大外へ。結局、並びは①②⑤⑥/③④。「やばい!」。本命筋は菊地とともに桐生が舟券に絡まなければなりませんが、6コースです。しかも内の4艇はかなり深い進入。本命筋の舟券は風前の灯です。こうなると何がくるかわかりません。


 ダッシュ分スタートでのぞいた井口が内を絞りにかかりましたが、菊地が抵抗。山崎とともに外に大きく流れていきます。「あ~っ」と思った瞬間、青いカポックが差してきて、バックでは桐生と池田が先頭争いです。レース展開は全くの予想外ですが、舟券だけは桐生、池田の折り返しを持っています。「よっしゃー!」。④②①で10,750円。結果オーライ舟券ですが、これがあるからボートレースはやめられません。

 

 優勝戦は瓜生が1号艇。前夜に続き、「赤兎馬」のロック片手に京味噌もつ鍋をつつきながらあれやこれやと予想。「赤兎馬」のボトルが空になったのを機に、クリスマスケーキを店頭販売しているコンビニの前を素通りし、ホテルに戻りました。

(2017/1/24)


住之江グランプリ編(2016.12)

~下~

 

 Kです。住之江グランプリへの旅打ちの最終回です。


 25日。泣いても笑ってもいよいよ最終日。開門30分前の午前9時すぎに住之江に到着しました。入場門の前にはすでに大勢のボートレースファンが列をなしています。隣接する早朝前売発売所「ボートバウ」をのぞくと、足の踏み場もないほど人であふれ返っています。年末の大一番の興奮がひしひしと伝わってきます。

2016ボートレースグランプリ 瓜生正義

 前日同様、穏やかな天気ですが、配当は朝から荒れ模様です。4,000円~6,000円台の中穴が続いたあとは一番人気の650円。「これで少し落ち着いてくるのかな」と思っていたら、その次のレースは、⑥⑤②で何と25万2,220円の超大穴。120番人気です。「SGでこんなのありか」と呆然。今回のグランプリのキャッチフレーズ「聖なる日に、奇跡が起きる。」とは、このことか!?


 こんな日は、なかなか舟券は当たりません。本命筋は抜け目の3着が入ったり、穴目は全くの見当違いの頭を買ったりと踏んだり蹴ったりです。初的中は第6レース。次いで第7、第9レースも取りましたが、元返しがやっとで、優勝戦の資金がかなり心細くなってきました。迎えた第10レース。聖なる日、ここに神様がいました。


 グランプリ順位決定戦。メンバーは①篠崎仁志(福岡)②山崎智也(群馬)③坪井康晴(静岡)④太田和美(大阪)⑤池田浩二(愛知)⑥井口佳典(三重)。展示タイムはエース機の坪井が断トツ。一周タイムは仁志、坪井、池田の順で、この3人が抜けています。舟券はこの3艇を軸に考えました。本命筋は仁志の頭を信頼。井口は機力劣勢のうえ大外とあって舟券の対象からはずし、枠の利で山崎を選び、①-②③⑤-②③⑤の6点。穴目は一周タイム上位3艇のボックスです。一周タイムを参考にするようになってから、良くやる買い方です。①-③=⑤はあるので、③⑤-①③⑤-①③⑤の4点にしぼり、いつもより多めに資金配分しました。


 スタートは、①②/③④⑤⑥。坪井がダッシュに引き、まさかの3カド戦です。最近よく見かけるようになりましたが、成功した例をあまり見たことがありません。期待と不安が入り混じります。坪井がまくっていけば③-⑤、⑤-③はありそうですが、果たして①が残せるかどうか…。


 スリットでのぞくほどではなかった坪井ですが、果敢に握っていきます。それを牽制するようにして仁志が先マイ。「逃げた!」と思った瞬間、黄色のカポックがきれいな弧を描きながら、坪井の内側を全速で差し抜けてきました。さらに先行する仁志までとらえ、2マークを先取り。仁志も懸命に追いますが届かず、⑤①③でゴール。SG8冠男の意地を見たようなレースでした。配当は15,840円。ここまでの負けをかなり取り戻すことができました。


 第11レースはグランプリシリーズの優勝戦。1号艇は今垣光太郎(福井)で、初日からオール舟券絡みの成績。6年ぶりのSG制覇は目前です。機力のいい2号艇の斉藤仁(東京)と前日の準優勝戦を3号艇で勝ち上がってきた重成一人(香川)との絡みで①-②=③あたりが本命でしょうか。しかし、オッズは相当下がりそうです。グランプリの優勝戦に備えて資金を温存する意味でも、ここは半ば「見」するような感じで①-②③-⑥の2点だけにしました。6号艇は寺田祥(山口)。根拠は何もありません。配当妙味があるのと、この日は⑥が舟券によく絡んでいるなと思ったからです。結果は①③⑥で2,410円。十分です。何だかツキが回ってきたような気がします。これで気持ちよく最終レースに臨めます。

 

 第12レース。私にとっても2016年旅打ちの総決算です。


 メンバーは①瓜生正義(福岡)②菊地孝平(静岡)③桐生順平(埼玉)④石野貴之(大阪)⑤松井繁(大阪)⑥辻栄蔵(広島)。5号艇に松井がいるだけに前夜からずっと進入が気になっていました。3コースまで入っての①②⑤/③④⑥か、入れてもらえずの①②③④⑤/⑥か。レース前のスタート練習では、回り込もうとする松井を桐生が激しくブロックするシーンも見られました。桐生はコースを譲る気はなさそうです。


 その通り、スタート展示ではコース取れずに①②③④⑤/⑥でした。展示航走は瓜生と菊地が抜群によく見えます。ボートが暴れることなく、水面に吸い付くように旋回していきます。見た目通り展示タイム、一周タイムもこの2人が抜けています。次いで桐生です。石野はシリンダケースを交換しての出走ですが、舟足が上向いているようには見えません。展示、一周タイムともに下位です。


 舟券は瓜生を信頼です。「信頼」という言葉では少し言葉足らずかもしれません。「瓜生しかない」「瓜生であってほしい」。確信と願望が入り混じった①の頭予想です。23日の枠番抽選で1号艇を引き、流れは来ていますし、旅打ち先で地元・瓜生の悲願のグランプリ初戴冠を目撃できるなんて最高じゃないですか。2010年、住之江グランプリ(賞金王決定戦)。1号艇の浜野谷憲吾(東京)がスタートでドカ遅れし、1マークの手前で舟券が紙切れと化した悪夢の旅打ちを思い出し心が少し揺れましたが、初志貫徹。ここはウラも穴目もなしです。


 とは言え、①-全-全というわけにはいきません。2着、3着の軸は展示の雰囲気からしても菊地と桐生ですんなり決まりました。まず①-②-全、①-③-全が頭に浮かびましたが、松井のここ一番での勝負強さも気になります。松井にはこれまで買うと来ない、買わないと来る、と何度も痛い目にあってきました。「展開ついて2着はありそうだなあ」。スポーツ報知のこの日の占いを見ると、10月生まれの幸運数は③と⑤です。「イケル!」。予感は根拠にない確信に変わり、勝負舟券は①-②③⑤-②③⑤の6点。それと11レースでおいしい思いをしたので、①-全-⑥を少々。


 布陣は整いました。いよいよピットアウト。水面際は多くのファンで埋まり、照明灯の明かりを映す水面を波立たせるように選手名を叫ぶ声が響き渡ります。小回りブイを回った直後、突然、大きな歓声とどよめきが起きました。松井がスルスルとインまでうかがう勢いで回り込んできます。意表をつかれたのか、瓜生、菊地、桐生があわててハンドルを切ります。瓜生はインを死守しましたが、菊地はボートに入った水をかき出すのに精いっぱい、桐生もあきらめたようにボートを横に流します。


 進入は全くの予想外、①⑤②③/④⑥。並びだけなら2、3着は②③⑤でいけそうですが、進入が乱れているだけに荒れる予感がプンプンします。案の定、松井のスタートが遅れ、瓜生は壁なしの状態で1マークへ。「ヤバイ。菊地がいってしまう」と一瞬肝を冷やしましたが、瓜生があっさり先マイ。そこに青いカポックが差し込んできました。どこかで見た光景。そう11レースと同じ展開です。が、今度は1号艇までは届きません。瓜生の完璧な逃げですが、「えーっ、石野?④は持ってないぞ」。


 瓜生の初戴冠は確実ですが、舟券はまだ終わっていません。①-全-⑥が残っています。3着の菊地を追走する辻を必死に応援しますが、柳の木の下にそうそうドジョウはいません。結果は①④②で2,290円。嗚呼! 「石野の5コースはあるよな」「結局、グランプリが始まる前の賞金上位3人で決まりか」…。後付けの理由だけは次から次へと浮かびます。

 

 結局、3日間の収支はプラスでしたが、優勝戦が取れないと、その喜びは半減です。試合に勝って勝負に負けたという感じでしょうか。収支がマイナスでも、最後に払い戻しに並ぶことができれば(フライング返還は別ですが)、帰りの足取りも軽くなります。

 

 瓜生のウイニングランが始まりました。水面際まで出て「おめでとう、瓜生」と手を振りました。舟券を取っていれば、こう叫んでいたと思います。「ありがとう! 瓜生」と。

 

◇住之江グランプリの戦績
23日:4勝8敗 回収率 147%
24日:4勝8敗 回収率 107%
25日:4勝8敗 回収率 105%

(2017/2/1)


住之江グランプリ編(2017.12)

~上~

 Kです。明けましておめでとうございます。各地で正月レースが終わり、ボートレース界の2018年がスタートしました。今年も時間と金が許す限り、旅打ちを続けるつもりです。その結果は随時、この欄でご報告しようと思っていますので、よろしくお付合いください。

 

 年頭のご挨拶はこのぐらいにして、まずは2017年の総括をしなければなりません。そう、住之江(大阪)のSGグランプリです。2016年に続き、行ってきました。前年は瓜生正義(福岡)の黄金のヘルメット姿を見ることができ感激しましたが、肝心の舟券は取れず、モアモヤしたまま1年を締めくくることになりました。「今年(2017年)こそは」の決意で12月23、24日の2日間の参戦です。

ボートレース住之江 グランプリ

 

 22日の夜に現地入りし、23日の第1Rから勝負です。2016年は参戦初日に菊地孝平(静岡)の頭を穴目で狙い5万舟をゲット。幸先いいスタートを切ったのですが、今回はいけません。10Rまで的中は3レースのみ。いずれも本命サイドでの決着で、ほとんどがトリガミ。私の舟券スタイルだと穴目を当てないことにはプラスにならないのですが、当たらないどころか、そもそも穴が出ません。10Rまでイン逃げのオンパレード。最高配当が2Rの①⑥②、9,150円で、万舟は1本もなし。毎レース、穴目もせっせと買い続けてきましたが、こんなレース傾向では勝てません。残り2レース。トライアルの11、12Rにかけるしかありません。

 

 

 11R。メンバーは①峰竜太(佐賀)②菊地孝平(静岡)③毒島誠(群馬)④井口佳典(三重)⑤原田幸哉(長崎)⑥白井英治(山口)。獲得賞金ランキング1位で乗り込んできた峰。初日の1号艇はしっかりと逃げましたが、2日目は3号艇で4着。抽選で白玉を出し、このレースが2度目の1号艇。ここを逃げれば、12Rに1号艇で登場する得点率トップの桐生順平(埼玉)の着順いかんでは優勝戦の1号艇もあり得ます。

 

 展示は白井が内に動き、①②⑥/③④⑤。展示タイムは峰と、ともにエース機を駆る菊地(39号機)と井口(10号機)が同タイムで抜けています。1周タイムも菊地が1人35秒台をたたき出し、次いで毒島、峰の順です。ここは峰のイン逃げ信頼です。①-②-④を大本線に①-②-③。「100点の仕上がり。ターン回りがすごくいい」と自分好みのエンジンに仕上がってきた毒島を2着に①-③-②④⑥。本命筋はこの5点。穴目は菊地の差し切りから②-①-③④⑥と②-③④-①③④です。

 

 本番は展示通りの進入から井口が5コースからトップスタートを切り、内をひとまくり。峰も何とか2着に残し、④①②は4,260円。イン逃げの流れがここで途切れるのかぁ…。井口の頭は4カドならば考えたかもしれませんが、スタートタイミング「01」、井口の「ぶち込み」スタートにやられました。スポーツ報知の名物企画「1万円大作戦 的中ファースト」で大阪本社の吉井豊記者が④①②を本線で的中。顔を合わせたことはありませんが、お見事!乗っかれなかった自分が悲しい。

 

 気を取り直して12R。このままでは終われません。①桐生②石野貴之(大阪)③寺田祥(山口)④森高一真(香川)⑤茅原悠紀(岡山)⑥松井繁(大阪)。松井が6号艇だけにこのレースも進入は乱れそうですが、展示は5コースまでで①②④⑤⑥③のオールスロー。展示タイムは石野が断トツ。1周タイムは桐生が35秒台半ばと飛び抜けており、次いで石野、寺田の順。タイムを見る限り、トライアル1st組の外枠の3艇はエンジン的には厳しいようです。しかし進入が読めません。特に3着勝負駆けの石野です。展示一番時計で伸びは良さそうなので、2コースよりはダッシュ向きのような気がします。11Rの井口同様、ダッシュからなら一撃もありそうですが…。

 

 進入はいくら考えても結論は出ないので、エンジンが断トツ気配の桐生とここ一番の勝負で思い切りのいいレースをする石野にかけることにしました。①-②=全と②-①-全の12点。石野が3着までに来るだろうという舟券で、トリガミにならないよう①-②-全を厚めに配分です。

 

 ②-①-全が来れば、この日の負けをかなり取り戻すことができます。ドキドキのピットアウト。展示同様、松井が内に回り込もうとしますが、森高、茅原が抵抗。早くも①④⑤⑥の並び。石野はコース取りに付き合う様子はなく寺田とともにダッシュに。①④⑤⑥/②③。内の4艇は100㍍を切ったあたりからの起こしです。4コースの松井がスタート後手を踏み、右隣りの石野がフルダッシュで内を締め、茅原に引っかかりながらも強引にまくり切りました。バックで早々と先頭に立ち、森高、茅原が追走。桐生は最後方に置かれています。「石野、すげぇ」と驚嘆するばかりですが、この時点で②-①-全の舟券は紙屑同然です。

 

 「今日は惨敗だ」とレースを見ていましたが、信じられないことが起こりました。次の2マークを全速で回った桐生が3着争いに浮上。さらに2周目1マークでは先行する寺田、茅原を一気に抜き去り、2番手に。「ウソやろ」「でもうれしい」「よくやった桐生」。②-①-全、奇跡の復活です。②①③、3,350円。これでこの日の負けをかなり取り戻すことができます。

 

 あり得ないレース展開に興奮しながら払い戻しに並び、上着のポケットに入れていた舟券を取り出します。ところが②-①-全の舟券が見当たりません。払い戻しの列からはずれ、他のポケットや財布の中まで探しましたが、ありません。よく見ると、①-全―②が2枚あるではありませんか。「えぇ、ウソやろ。なんで」。唖然、呆然、悄然。マークシートを塗り間違えたようです。住之江の券売機はマークシートごとに購入確認画面は出てきません。レース番号や勝式が間違ってなければ一気に舟券が発行されます。買った後、よく確かめれば良かったのですが、まさかこんなことがあるなんて。

 

 天国から地獄。初日は散々な結果に終わりました。夜、応援取材に来ている大村担当の長谷昭範記者と合流。焼酎を飲みながら、慰めてもらいました。

住之江ボート グランプリ

 24日。前夜の痛飲が過ぎたのか、寝坊です。開門前には余裕をもって到着する予定が、住之江公園駅に着いた時には開門時間を過ぎていました。売店でスポーツ報知を買い、階段を駆け上り、入場待ちの列の最後方に並びます。12月だというのにひとり、額から汗を流している姿は異様に見えたかもしれません。レースは逃げるわけではないので、そんなに焦る必要はないんですが、まあ気持ちの問題とでも言いましょうか。

 

 前日の反省も踏まえ、この日は穴目を買い散らかすことはやめにしました。インが強い住之江の原点に立ち戻り、本命筋で地道に勝負し、最後の優勝戦でドカンと勝負です。なんといっても2017年の総決算。終わり良ければすべて良し、にしたいところです。

 

 第1Rの①④⑤、2,470円を取って幸先いいスタートを切り、10Rまでコツコツと本命筋を的中させ、5勝5敗。収支はほぼトントンです。残すは11Rのシリーズ優勝戦と12Rのグランプリ優勝戦のみです。

(2018/1/11)


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