宮島レディースオールスター編(2017.2)

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宮島レディースオールスター編(2017.2)

~上~

 

 Kです。今年新設された女子のグレードレース「GⅡレディースオールスター」が宮島(広島)で開催されました。次の旅打ちは児島(岡山)のSGクラシックと考えていたのですが、宮島には久しく行っていないし、そこそこ荒れて高配当が出ているし、天気も良そうだし…と3日の金曜日、旅打ちのムシがうずき始めました。優勝戦がある5日の日曜日は所用があるので、チャンスは4日の土曜日のみ。ということでバタバタと予定外の弾丸日帰り旅打ちツアーを敢行しました。

 

 まだ暗い午前6時前に車で出発。約270キロ。朝日を浴びながら山陽道をひたすら東進し、なんとか開門前に滑り込みました。眼前には日本三景のひとつ「安芸の宮島」。春霞がかかっているのか、少し靄(もや)っています。その前には世界遺産・厳島神社のシンボルでもある赤い大鳥居。満潮に向かう時間帯で海に浮かんでいるように見えます。左手には牡蠣(かき)の養殖いかだがずらり。天気予報通り初春の陽光がまぶしく、風もほとんどありません。まさに「春の海終日(ひねもす)のたりのたりかな」の水面になりそうです。

ボートレース宮島

 宮島はGⅠ第25回新鋭王座決定戦があった2011年1月以来です。その後は2015年6月のSGグランドチャンピオンに“出走”する予定で、ホテルまで予約していたのですが、家事都合により“欠場”となってしまいました。宮島では13年ぶりのSGだっただけに張り切っていたのですが…。


 それにしてもあの頃の新鋭戦はレベルが高く、面白かったですね。毒島誠(群馬)、岡﨑恭裕(福岡)、峰竜太(佐賀)、篠崎元志(福岡)ら今やSGの常連となった若手が常に優勝争いを演じていました。宮島での優勝戦でも新田雄史(三重)、平本真之(愛知)と、後のSGウイナー2人が名前を連ねていました。
 メンバーは①新田②山田哲也(東京)③水摩敦(福岡)④坂元浩仁(愛知)⑤木下大将(福岡)⑥平本です。このメンバーでは新田、平本が格上で、特に3年連続優勝戦に乗ってきた新田が1号艇とあって断然の人気でした。しかし好事魔多しと言いますか、新田がスタート直後の1マークでまさかの振り込み。後続の平本が間一髪のところでハンドルを切り、ことなきを得ましたが、ひとつ間違えば事故レースになるところでした。結局、2コースから差し抜けた山田が優勝。②⑤④30,830円のビッグ配当で決着しました。

 

 実はこのレース、新田から平本を絡めた舟券を本命筋とする半面、穴目としてスタートの早い山田の2コースまくりを想定して②-③④⑤-③④⑤を少しだけ持っていました。新田が振り込んだ瞬間、悲鳴を上げそうになりましたが、バックで山田が突き抜けていくのを見て、ポケットに入れていた舟券をもう一度確認し、あとは「このまま、このまま」と必死に祈っていました。


 ゴールした瞬間、心の中で小さくガッツポーズをしたのですが、すぐ近くで「やったー! ほうれみろ、わしの言うた通りじゃろうが」と周りの人が振り向くぐらい大きな声で叫んでいるおじさんがいました。「何がわしの言った通り」なのかはわかりせんが、隣りの列で払い戻し窓口に並んでいたこのおじさん、「そうじゃろ、そうじゃろ」「こうなると思うとったんよ」とずっとハイテンションでした。その気持ち、よーくわかります。最終レースを万舟でとったんだから。

 

 今回は女子戦。「6年前の夢よもう一度」と実戦開始です。今回の出場選手はファン投票で選ばれているため、SGの出場経験もあるA1級の強豪からデビューして間もない116期のB1級まで幅広く、技量の差は歴然です。舟券の軸を絞りやすい反面、B1の若手が舟券に絡めば配当は一気に上がります。


 さて、第1レース。最初のレースを取れるかどうかでその日の流れが決まるような気がするので、ここはなんとしてもものにしたいところですが、オールB1の混戦番組です。敗者戦だけあって節間成績は「5」や「6」が目立ち、最初から思案のしどころです。


 勝率やキャリアを考えると②藤堂里香(福井)、③木村沙友希(静岡)が舟券に絡んでくることは間違いなさそうです。あとは最若手のひとり、村上奈穂(広島)のイン戦を信頼するかどうかです。村上にとっては繰り上がりで出場した地元の大舞台。このイン戦は逃げたいところです。前日、6コースから3着と初めて舟券に絡み、「足はいい」との本人のコメント通り、展示、1周タイムとも上々。スタート展示タイミングも「00」で、若手のインコースにありがちな立ち遅れもなさそうです。イン信頼! 穴目はなしで①-②③-②③を厚めに展示一番時計だった同じく若手の深尾巴恵(群馬)を3着に絡めた①-②③-⑤の4点で勝負しました。結果は①②⑤1,820円。配当は付きませんでしたが、幸先いいスタートを切りました。


 その後、第2、第5、第8レースと5,000円前後の中穴をゲットし、準優勝戦が始まる前までに往復の高速代ぐらいは勝ち越すことができました。あとは準優の3個レースが今回の旅打ちの浮沈を握りそうです。

 

ボートレース宮島 がんす

 その前に腹ごしらえです。宮島のバクチ飯と言えば穴子丼が有名ですが、今回は「がんす」にしました。がんすは板状にした魚のすり身にパン粉を付けて揚げたもので、広島のソウルフードのひとつだそうです。全国のレース場のB級グルメを紹介する「ばくばく! バクチごはん」という漫画でも取り上げられていました。店は4階の食堂「三代目勝海舟」。肉うどんにかき揚げとがんすがのった、ちょっとぜいたくなうどんを注文しました。がんすは佐賀県の唐津あたりで親しまれている魚ロッケに似ていますが、魚ロッケがカレー味なのに対し、がんすはピリ辛です。一味唐辛子が入っているようです。うどんのつゆを吸って衣はしっとりですが、中はしっかりと歯ごたえがあり、うどんとの相性もぴったりです。レースとレースの間にかき込むバクチ飯には最適で、車でなければがんすの単品とビールを注文していたことでしょう。

 

 さて、準優最初の第10レース。メンバーは①細川裕子(愛知)②松本晶恵(群馬)③川野芽唯(福岡)④鈴木成美(静岡)⑤角ひとみ(広島)⑥桜本あゆみ(東京)。内の3艇が強力です。いずれもA1で、松本、川野は昨年、一昨年のクイーンズクライマックス覇者です。名前だけなら内の3艇で決着しそうですが、スタート展示では角がインを取り、並びは⑤①②/③④⑥。施行者推薦で出場した角。「優勝戦に乗って、地元に恩返し」とばかりの気迫がうかがえます。


 これで予想が悩ましくなりました。角がどこまで入れるのか、入れてもらえるのか。インは無理でも2、3コースまでならありそうです。展示でダッシュに引いた川野が入れると読んで、①②⑤/③④⑥を想定。舟券は技量上位の①②③と角の気迫を信じ、少し変則ですが、①②③-⑤=①②③の12点にしました。
本番は川野まで抵抗し、並びは①②③⑤/④⑥。トップスタートを切った松本を意識したのか、1マークで細川の艇が流れ、松本の差しが入ります。さらに若干スタートで後手を踏んだ角も小回りし、その内を追走。2マークでは、その角が最内から渾身の先マイを果たし、スタンド前は①②⑤が並走状態です。2周目1マークで松本が先行する細川の内を付き抜け出してきました。舟券的にはほぼ出来上がりです。あとは着順です。②⑤①ならかなりの配当が期待できますが、2周目2マークで角と細川が接触。角の奮闘も一歩及ばす②①⑤で決着しました。配当は3,010円とかなり下がってしまいましたが、十分です。

 

 これで資金にかなり余裕ができました。浮いた資金を全額、残りの2レースに突っ込んだのですが、その結果は次回で。

 

(2017/3/9)


宮島レディースチャンピオン編(2017.2)

~下~

ボートレース宮島

 Kです。宮島(広島)のGⅡ「第1回レディースオールスター」の後半です。今回、宮島へ予定外の、しかも弾丸日帰り旅打ちツアーを敢行した最大の理由は、実は地元の予想紙を手に入れることにありました。その名も「V(ブイ)」。ボートレース専門チャンネル「JLC(日本レジャーチャンネ)」で「ブラマヨ吉田とういちの男舟」という番組が放送されています。お笑い芸人のブラックマヨネーズ・吉田とパチスロライター・ういちが全国のボートレース場を回り、舟券勝負するという内容ですが、その宮島編で紹介された予想紙です。この中に出てくる「競艇で勝つための信念『V10ヵ条』」を読んでみたかったのです。


 この番組のファンでもある会社の同僚からも2部頼まれました。どこで買えるかわからないままレース場に着いたのですが、心配無用でした。入口のすぐそばで女優の吉行和子似のおばちゃんが、机を出して売っていました。「JLCの番組を見て、福岡から買いに来ました」とお土産分も含めて4部買うとおばちゃん、びっくり。「そう言えば、この間も(ボートレース芸人の)グランジ大さんが『これいいね』とほめてくれたんよ」。今や宮島の「V」はボートレースファンの中で伝説の予想紙になりつつあるのでは…。


 A3判3枚(6ページ)をホチキスで留めただけの手作り感満載の予想紙です。表紙に描かれたVサインをするボートレーサーのイラストも含め昭和の香りが漂います。それでも地元の予想紙、2節前までのエンジンの使用者と成績など出走表だけではわからないデータがきちんと載っています。さて、肝心の10ヵ条ですが、まさに「ボートレースあるある」です。曰く「ギャンブルに『絶対!』と『これしかない!』は無い。競艇には『固い!』もない」「儲けるための舟券か、楽しむための舟券か自覚せよ。楽しむレースは負けて当然」…。


 そして最後は「モーターの勝率で買うのは小学生。選手で買うのは中学生。レース展開を読めれば高校生。総合力を判断するのが大学生。そしてレースを選ぶのがプロフェッショナル」。なるほど! さしずめ私は中学生か高校生あたりか。でも旅打ちに出たら1レースから最終レースまですべて舟券を買ってしまうので、大学生までは進歩してもプロにはなれそうにありません。


 閑話休題。レースの話に戻りましょう。準優の第10レースを取り、ここまで浮いた資金を全額、残りの2レースに突っ込むことにしました。準優2戦目の第11レースは①山川美由紀(香川)②香川素子(滋賀)③三浦永理(静岡)④寺田千恵(岡山)⑤堀之内紀代子(同)⑥水野望美(愛知)。水野以外は全員A級。特に山川、寺田は女子王座(現レディースチャンピオン)、三浦は賞金女王(現クイーンズクライマックス)の戴冠者です。


 山川は予選トップ通過の1号艇。驚くのは香川です。F2でありながらオール3連対で準優2号艇はすごいの一言です。スタート展示は枠なりの3対3。元々スタート力のある山川がさすがのタイミング「07」。他の5人は1艇身前後です。展示タイムも山川が一番時計で、ここは山川の逃げが固そうです。順当なら①-②③④-②③④あたりでしょうが、外枠の2人が気になります。ダッシュ戦の堀之内は豪快なまくりのイメージがあります。展示タイムも山川に次いで出ており、1周タイムは断トツです。なんか臭います。堀之内が攻めれば、その外の水野にまで展開がありそうですし、舟券に絡めばかなりの配当が見込めます。資金に多少余裕があるせいか、そんなスケべ心が頭をもたげます。よし、決めた! あえて②、③、④のネームバリューは捨て、①-⑤⑥-全の8点で勝負です。


 スタート展示同様の進入となった本番では香川が少しへこみましたが、内の4艇はほぼ横一線。期待の外枠2人は後手を踏んでいます。1マークは山川が難なく先マイ。堀之内が果敢に握っていきますが、艇がバタつき大きく流れ、万事休す。しかし水野が最内を差し、バックで先行する香川、三浦にグイグイ迫っています。2マークは山川に続き切り返し気味に先に回り、正面では香川と並んで2着争いです。①⑥②? こうなったら「水野、イケーッ」です。直線の伸びは水野に分がありそうですが、2周目2マーク、ツケマイ気味に回ったところ艇がバウンドして後退。その後も外から握って追いすがりましたが、惜しくても3着でした。①②⑥4,680円。①⑥②だったら、この倍はついていたと思いますが、ここはF2ながら2着と取り切った香川を称えるしかありません。

ボートレース宮島 がんす

 

 いよいよ最終レース。1号艇はエース機を駆る長嶋万記(静岡)。以下、②今井美亜(福井)③海野ゆかり(広島)④日高逸子(福岡)⑤後藤美翼(東京)⑥樋口由加里(岡山)。スタート展示は枠なりの3対3。展示、1周タイムとも長嶋が抜けており、他の5人は横一線といった感じです。長嶋の頭は固いところですが、地元のエース・海野も10レースの角同様、優勝戦進出に向け気合が入っているはずです。本命筋は①-③あたりか。穴目で海野の頭から③-①②④-①②④か③-①④⑤-①④⑤。超穴目で展示でスタートを行く気満々の後藤の一発駆けか。

 

 そんなことを考えている時に“事件”が起こりました。突然、携帯電話が鳴り「こちら宮島ボートレースの警備本部ですが、落とし物をお預かりしています」。この日、作ったばかりのキャッシュレス投票カードが落とし物として届けられているとのこと。あわててポケットを探りました。確かにカードがありません。思い出しました。10レース終了後、残金を全額引き出したのでした。その時、精算機にカードを置いたままにしていたようです。残高はありませんが、ポイントが少し入っていますし、再発行には手数料がかかります。急ぎ警備本部まで受け取りにいきました(届けてくださった方、ありがとうございます)。

 

 受け取りの手続きをして警備本部を出た瞬間、締め切り1分前のアナウンスが。あせります。まだ舟券は買っていません。とっさに塗りつぶしたマークシートは①-全-⑤⑥。準優の前2レースがいずれも3着に⑤と⑥が絡んでいるので、12レースもこの流れが続くだろうとの直感でした。しかし、舟券の買い目を改めて見ながら不安がよぎります。締め切り直前にバタバタとひらめいた直感が当たったためしがありません。当初の予想通り、①-③か③-①で決まるのではないか。①-③なら①-③-⑤⑥があるのでまだしもですが、③の頭だったら…。

 

 本番の進入は展示通り。スタートで少しのぞいた海野が艇を内に寄せ、2艇をまくって先頭に立ちます。うわっーあぁぁぁ!! 終わりました。①は2着争いが精一杯です。③②①11,480円。4日目までそこそこ万舟が出ていたのですが、この日は11レースまでゼロ。最後の最後に出るなんて。それも買えない舟券ではありません。夕日に向かっての帰途、運転しながら繰り言が出ます。「キャッシュレス投票カードさえ忘れんかったら、③の頭は買ってたようなぁ」。収支はトントンでしたが、なんともやるせなさの残る旅打ちとなりました。

 

 翌日、優勝戦だけネット投票で舟券を買いました。内の3艇は奇しくも準優と同じ艇番です。準優の再現があるかもと、海野(③)の頭から③-①②-全と③-①④⑤-①④⑤。結果は山川の完璧な逃げで①③②900円(2番人気)。今回は宮島には縁がなかったようです。

 

◇宮島レディースオールスターの戦績
5勝7敗 回収率104%

 

 今年最初のSG、ボートレースクラシックがいよいよ児島(岡山)で始まりました。野球のWBCも気になりますが、もうひとつのWBC(ワクワク・ボートレース・クラシック)も捨て置けません。18日から児島へ旅打ちに行ってきます。

 

(2017/3/16)


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