競輪・オート・地方競馬

(2017/9/20掲載)

武雄競輪GⅡ「共同通信社杯」

諸橋 特別初V

 

 諸橋愛(めぐむ)(40・新潟)がデビュー21年目で初のビッグ制覇―。武雄競輪で熱戦を繰り広げたGⅡ「第33回共同通信社杯」は19日、11RでS級決勝が行われ、諸橋が平原康多の番手を回り、4角から落ち着いて差し切り優勝。初のGⅡタイトルと優勝賞金2130万円(副賞含む)を獲得した。2着は平原が粘り、関東ワンツーで決着。3着は新田祐大。渡辺一成は落車、再乗7着に終わった。

 

平原の番手から差し切り

 「愛」が勝った。激戦を切り抜け、競輪界のトップスター平原を番手から見事に差し切った。自然と握りしめた右拳。その横で、2着の平原は仲間の優勝を祝福するようにほほえんだ。関東ワンツー。その頂点に、競輪愛に満ちた男が立った。

 

 関東勢の作戦は「前受けしてから」。注文通り、平原に前を任せて付いて行った。最終バック過ぎ、平原が新田の内懐を突いて平原―諸橋で直線へ。4角で「抜けないな」と思ったという諸橋だったが、こん身の力を振り絞り、2分の1車身速くゴールを駆け抜けた。

 

 1997年4月デビューから20年5か月。体力の衰えとともに、真剣に競輪と真剣に向き合うようになった。きっかけは元競輪選手でトレーナーの江嶋康光氏との出会い。体幹や筋力トレーニング法など様々なアドバイスを受け、弱点だったダッシュ力も身に付いた。

 

 直前の弥彦FⅠで優勝。上り調子で武雄に乗り込んで来た。20年履き続けた靴を、前回の弥彦から「軽くて、力がダイレクトに伝わるカーボン製の靴」に履き替えた。このシューズも、努力を惜しまない男を後押しした。

 

 「優勝して、タイトルを狙える位置まで来てるのかなあと感じました。残り2つのGⅠを頑張って、年末のグランプリを目指したい」。競輪に対する情熱を惜しまない40歳が、目を輝かせた。 松永 康弘

 

【決勝戦レース経過】

 平原-諸橋の関東コンビが前受け、単騎の松谷が3番手に入り、渡辺-新田-守沢の北日本トリオ。村上義-村上博-稲川の近畿ラインは後方。残り2周前に村上義が上昇し渡辺を抑えると、渡辺は下げて7番手。打鐘で村上義が先行態勢に入るが、すかさず渡辺も反撃して最終ホームでたたき切る。北日本を追った平原は、3コーナーで新田が車を外に振ると、その内を突いて先頭に。平原に続いた諸橋がゴール前で差し切りビッグ初V。


清水裕友と鈴木美教
地元でS級初優勝を果たした清水裕友とガールズ優勝の鈴木美教

(2017/9/15掲載)

防府競輪FⅠガールズ「スポーツ報知杯争奪戦」

清水 S級初V

 

 熱戦を展開してきた防府競輪のFⅠガールズ「スポーツ報知杯争奪戦」は14日、最終の12RでS級決勝が行われた。地元の清水裕友(22・山口)がバック6番手から気迫の差しを決めてS級初優勝を果たした。佐藤幸治の逃げに乗った五十嵐力と三上佳孝が2、3着に入り2連単②①は1920円で4番人気、3連単②①⑥は13180円で35番人気だった。清水にはスポーツ報知杯が贈られた。11RのA級決勝は山本直が3番手まくりでV。10Rのガールズ決勝は7月にデビューしたばかりの新人・鈴木美教が差し強襲で通算3度目のVを飾った。

 

気迫の差し

 「気持ちいいです。絶対優勝すると思って来たので」。地元の清水裕友がS級初Vをパーフェクトで飾った。最終バック6番手から内を突き、追い込み選手顔負けの差しを決めた。「竹内(翼)さんが浮いていたし、外は届かないと思った。一か八かでした。こけてもいいくらいの感じで。何とかコースが開いてくれた」。最終3角は竹内と三上佳孝の間をすり抜けるように突っ込んだ。落車覚悟で必死にペダルを踏んだ。「五十嵐(力)さんに合わされたと思ったけど、気合で乗り切りました」。ゴール勝負でも執念で踏み勝った。

 

 事故点オーバーで11月はあっせんが止まり、地元記念には出られない。前検から「地元記念の分まで」と気合が入っていたが、その言葉通り見事な活躍だった。年内に地元防府を走るのはおそらく今回が最後となる。今年ラストの地元戦でしっかり結果を出した。山口に現れた久々の大型先行は「GⅠに出て活躍したい」と、上の舞台で活躍するつもりだ。

 

 今後は9月23日に開幕する青森記念の中のS級企画レースに出場する予定。地元で自信を付けた清水がみちのくでも大暴れする。(尾本 恭健)

 

【決勝戦VTR】

 佐藤―五十嵐―三上、柴崎―有賀、清水―堤、竹内―杉本の並びで周回。清水が上昇して、その上を竹内がたたいて先頭に出るが、7番手になった佐藤が打鐘前からカマして逃げる。3番手竹内、6番手清水、8番手柴崎となり一列棒状の展開。竹内が2角からまくるが、自転車の出はイマイチ。清水は外からまくるのは無理と判断。バックで杉本の内を突き、3角では竹内と三上の狭いコースをこじ開けるように割って入る。最後は五十嵐との直線勝負となったが、踏み勝って先頭でゴール。


長島大介
記念初優勝を達成してガッツポーズの長島大介

(2017/7/3掲載)

 

久留米競輪 GⅢ中野カップレース

長島 まくりV

 

 久留米競輪GⅢ「開設68周年記念・第23回中野カップレース」(被災地支援)は2日、最終12RでS級決勝が行われた。勝ったのは長島大介(28・栃木)。横山尚則の先行に乗り、番手まくりで記念タイトルと優勝賞金360万円を手にした。長島の後ろを取って鋭く差し稲垣裕之は1着失格。平原康多、山田義彦の2人は最終ホーム、稲垣と接触して落車棄権となった。9R「KEIRIN EVOLUTION」は人気を背負ったブフリがバックからまくり、10秒4の好タイムを出した。

 

横山と結束

 今年は長島にとって大きなステップアップの年になりそうだ。1月大宮で記念初優出で実績を上げると、今回は2度目の優出にしてV。11月競輪祭の出場権に加えて、初日特選のシード権も手にした。


 横山と結束しての結果が優勝で内容にも満足した。関東で別線となった平原、山田の埼玉コンビが落車。落車の原因を作った1着入線の稲垣が失格などアクシデント絡みではあったが、「横山君のおかげ。今回はラインの絆を大事に走れた。気がかりもあるが、いいシリーズだった」と振り返った。


 次なる目標はGⅠで初戦を勝ち上がること。直前の高松宮記念杯を含め過去4回のGⅠ経験があるが、すべて初戦敗退。「もっと練習し、大レースでも上がって行けるように頑張ります」と誓った。 中村 秀昭

 

【決勝戦VTR】

 初手は林、平原―山田、岩津、稲垣―沢田、坂本、横山―長島。稲垣が上昇すると、横山が抑えて先行体勢に入った。鐘では平原が仕掛けるが、外に降った稲垣とホーム手前で接触し、平原と山田が落車。3角過ぎに横山を長島―稲垣の形でまくって稲垣が差したが1着失格。長島が繰り上りV。

 

平原無念の落車

 ○…完全Vに王手をかけていた平原康多は最後が落車で終わった。横山尚則―長島大介で先行体勢に入ると、打鐘2角前から上昇。一気に前団に迫ったが、3番手を確保から外に降った稲垣裕之の後輪と平原の前輪が接触。平原、それに乗り上げた山田義彦が落車してしまった。平原に対する医師の診断は両下肢、両臀部(でんぶ)、左肩甲部の打撲擦過傷、及び後頭部打撲。治療後は自分の足で歩き、「(体は)大丈夫です」と返答した。次回のあっせん予定は15日開始の伊東サマーナイト。

 

エボはブフリがV

 ○…9Rエボリューションでは、ブフリが昨年の武雄大会に続いて圧勝した。逃げる西村光太の勢いを利用してのバックまくり。エボのタイムは参考記録となるが、最終200メートルのタイムは10秒4。公式コースレコードの10秒7をコンマ3秒も上回り、「スピードが出るカーボン(フレーム)だから、競輪の自転車で出すのとは価値が違う。でも、今後の自信になりますね」とけんそんしながらも、表情は緩んでいた。今月末の小倉FⅠ「吉岡稔真カップ」で再び九州にやって来る。


久門徹
優勝を飾りスポーツ報知杯を手にする久門徹。左は「勝利の女神」AKI

(2017/6/22掲載)

 

飯塚オート スポーツ報知オーバルカップ

久門 3連勝完全V

 

 熱戦が展開されてきた、飯塚オートの発刊20周年記念「スポーツ報知オーバルカップ」は21日が最終日。ブチ(半乾き)走路の第12Rで優勝戦が行われ、2周1角で首位を奪った久門徹(41・飯塚)が3連勝完全V。今年2度目、通算32度目の優勝を飾った。2着は阿部仁志(38・同)、3着が荒尾聡(36・同)で、2連単④―③が1920円(11番人気)、3連単④③⑧は7900円(36番人気)だった。

 

2周1角 2車ひとまくり

 素晴らしい走りだった。ブチ(半乾き)走路で上がり3秒391の好タイム。S4番手から3角で3番手、2周1角では2車をひとまくりで首位を奪った。2005年に2度目のSGオールスターを制した当時の全速まくりを披露。表彰台でひと言、「うれしいです」と満面の笑みを浮かべた。


 5月30日に優勝した愛車「ロロノア・ゾロ」から「ゾロ」に乗り換えて迎えた今節。セッティングだけで初日から噴いていた。優勝戦前にはさらにキャブ、ヘッド周りを調整。「冒険したのが良かった。全体的に感じ良くなりましたね」と道中の動きに満足していた。


 次の目標は7月の地元GⅠ「ダイヤモンドレース」。伊勢崎「シルクカップ」、浜松「ゴールデンレース」と2つのGⅠを保持しているが、地元のタイトルはまだない。「なるべく維持して取れるように頑張りたい」と久門。伊勢崎、山陽の一般戦でさらに仕上げて本番に臨む。 尾田 礼司


田中茂
久々の優勝にガッツポーズで喜びを表現する田中茂

(2017/4/6掲載)

飯塚オート GⅡオーバルチャンピオンカップ

田中茂 復活のグレード戦V

 

 田中茂がグレード戦で復活V―。飯塚オートの福岡ソフトバンクホークス杯・GⅡ「オーバルチャンピオンカップ」は最終日の5日、第12Rで優勝戦が行われ田中茂(41)=飯塚・26期=が6周3コーナーで首位に立ち押し切った。今年初Vで通算44回目、GⅡは4回目の優勝を飾った。2着は鈴木圭一郎、3着は中尾貴志。2連単⑤―⑧が2030円(8番人気)、3連単⑤⑧①は1万1620円(41番人気)だった。

 

 「どんなもんじゃい!」。ヒーローインタビューで左拳を3度突き上げて、久々に雄たけびが上がった。「3連チャンは初めて。気持ち良かった」と満面の笑みを浮かべた。G(グレード)戦は2009年5月の船橋GⅠ「黒潮杯」以来で、一般戦でも15年11月以来、勝利の美酒から遠ざかっていた。


 飯塚勢の地元G戦優勝も久々。15年7月に荒尾聡が制したGⅡ「オーバルチャンピオンカップ」以来、9大会ぶりになる。地元タイトル流出が続いたが、「最強軍団飯塚」復活ののろしを田中がぶち上げた。「Gタイトルを取ったというのは一つの励みになる。まだまだやれますね」と笑った。


 次は4月に山陽で開催のSG「オールスター」に参戦。「まだオールスターは取っていないので、また山陽で雄たけびを上げたい」と宣言。「オートグランプリ」「日本選手権」「スーパースター王座決定戦」に続くSG制覇に挑む。 尾田 礼司