ほうち楽ナビ~福岡県~

(2018/6/14紙面掲載)

多彩な味が楽しめる

クラフトビールで乾杯!

 ビールが好きだ。これまで20年以上にわたって、ほぼ毎日飲み続けてきた。といっても、それは大手ビールメーカーの造るピルスナータイプのビールばかりだった。小規模でも醸造できる「クラフトビール」がここ数年、人気を集めているという。それぞれに造り手の感性や創造性が込められており、多彩な味が楽しめるのが人気の秘密なのだそうだ。これまであまり手に取ることがなかった「クラフトビール」。たまには違ったものも味わってみようと思い、その楽しみ方を探ってみた。 (加藤 博之)

クラフトビール awabar fukuoka 旧大名小学校跡
旧大名小学校跡地にある「awabar fukuoka」

お酒の楽しみ方の幅が広がる

 目の前に4つのグラスが置かれている。福岡市中央区の旧大名小学校跡地にあるスタンディングバー「awabar fukuoka」。旧校舎をそのまま生かした雰囲気もあって、午後6時の開店直後から多くの客がビール片手に、思い思いのスタイルで楽しんでいた。

 

 飲み比べが出来るというので、「タップ・マルシェ ビアフライトセット」(1000円)を注文した。「タップ・マルシェ」とはクラフトビール専用の小型サーバーで、一度に4種類を楽しめる。この日は「よなよなエール」「496」「デイドリーム」「ジャズベリー」を置いていた。店長の松口健司さんは「いろんなビールが楽しめますし、想像以上の人気です」と話してくれた。

 

 ワインを楽しむように、一つ一つ手にとって順番に飲んでいく。濃厚な感じのもの、あっさりしたもの。味は様々だ。ゴクゴクと、のどをうるおすというよりも、しっかりとそれぞれの味を堪能していく。フルーツ系の「ジャズベリー」は苦手かなと思っていたが、なかなかどうして、あっさりとして飲みやすかった。

 

ブルーマスター
フルーティーな口当たりの「ブルーマスター」など

醍醐味は「選ぶ楽しさ」

 酵母や麦芽などの原料や、製法の違いによって分類されるビールのスタイルは、世界で100以上ある。実は、私たちが一般的によく飲んでいるピルスナータイプのものは、そのうちの一つに過ぎない。

 

 クラフトビールの醸造所は全国に約300あり、昨年だけで40以上が新たに開業した。九州・山口にも約25の醸造所がある。消費量も右肩上がりで、こういった状況を大手ビールメーカーも歓迎する。キリンビールの営業担当・上田喜子さんは「クラフトビールには選ぶ楽しさがあります。この人気でビール文化が盛り上がるとうれしいです」と話した。

 

 福岡市城南区にあるブルワリー「ブルーマスター」は2002年の開業以来、斬新なアイデアで個性的なクラフトビールを造り続けている。代表銘柄の「ブルーマスター」をはじめ、「かぼす&ハニー」や「あまおうノーブルスイート」など、地域性を生かしたヒット商品を生み出してきた。加藤秀則社長は「この料理にはこのビールが合うといった組み合わせを見つけると、楽しみ方が広がっていくと思います」。他にはない個性。それがクラフトビールの一番の魅力なのだろう。

 

 いつも飲んでいる「定番」以外を知ることで、ビールの楽しみ方の幅が広がった気がした。待ちに待ったビールのおいしい季節――。今夜はクラフトビールを手に取ってみてはいかがですか。