ほうち楽ナビ

(2018/8/16紙面掲載)

だざいふ遊園地

昭和レトロ 魅力今も

 緑に囲まれた太宰府天満宮の境内にある、昭和の雰囲気を残す小さな遊園地。世代を通じて愛されている「だざいふ遊園地」は昨年、開園60周年を迎えた。絶叫マシンもなければ、バーチャルリアリティーなどの最新技術を駆使したアトラクションもない。それでも、遊びに夢中だった「あの頃」を思い出させる大切なものが、ここには残されている。長い間、子供たちを魅了し続けているレトロな遊園地を訪ねた。 (加藤 博之)

だざいふ遊園地
どこか懐かしさを感じさせるレトロな雰囲気が魅力だ。自然との調和も特徴のひとつ

昨年で開園60周年

 参道を抜けると、ほどなくして、緑の木々に囲まれたピンク色のゲートが見えてきた。入場門をくぐるとすぐに、バッテリーカーが置かれていた。人気アニメキャラクターのカートを見るや、大きな声を上げて駆け出していく子供たちの姿があった。きっと60年間、変わらずに繰り返されてきた光景なのだろう。

 

 メリーゴーラウンド、ビックリハウス、こども汽車。14基ある遊戯施設は決して派手さはないが、子供心を引きつけてやまないものばかり。それぞれに係員がいて、声をかけてくれる。「こんにちは。暑いですねー」「面白かった? また来てね」。アットホームな感じが、どこかうれしい。 

だざいふ遊園地 こども汽車
開園以来ずっと走り続けている「こども汽車」は子供たちに大人気だ。写真は1977年(だざいふ遊園地提供)

“デビュー”に最適

 開園以来、親しまれ続けているのは「こども汽車」だ。ずっと走り続けてきた「べんけい号」は30人乗り。シンプルだが変わらぬ人気を誇る。座席から、うれしそうな表情で家族に手を振る子供たちを見ていると、その興奮が伝わってきて、思わずこちらも笑顔になった。「ここで、遊園地デビューする子供さんも多いですよ」という、広報の扇裕子さんの言葉にうなずいた。

 

 オールドファンには、「だざいふえん」と言った方がなじみがあるかもしれない。開園は1957年。当時のキャッチフレーズは「夢をもった近代的レクリエーション・パーク」だった。西日本初となるジェットコースターを導入。最先端の遊園地として、一時は年間入場者数が60万人を超えるほどの人気を誇った。

 

 時代の変化とともに次第に入場者が減少して行く中、2005年にリニューアルされ、現在の名称に。ここ数年は、なつかしいレトロな雰囲気で再び注目を集めるようになった。入場者数は回復傾向で、親に手を引かれ訪れた世代が今、子や孫を連れて訪れている。

 

境内にあるピンクの入場門
境内にあるピンクの入場門
だざいふ園
1978年の「だざいふえん」正門(だざいふ遊園地提供)

四季折々の自然も

 神社の境内に遊園地があるのは、全国でもめずらしいという。宝満山を望む豊かな自然は、サクラ、ツツジ、アジサイ、新緑や紅葉など四季折々、来場者をなごませてくれる。九州国立博物館も近くにあり、幅広い世代で同時に楽しめる観光地としても人気だ。

 

 訪れた日は、夏真っ盛りだった。セミの鳴き声と、子供たちのはしゃぐ声が重なった。子供の頃にデパートの屋上や遊園地へ連れて行ってもらった記憶がよみがえった。時を経ても変わらぬものが、ここにはある。長い間愛され続けている理由が、少しだけ分かった気がした。


【だざいふ遊園地】

 8月31日までは午前9時30~午後5時。9月1日以降は、平日が午前10時30分~午後4時30分。土日祝日が午前10時~午後5時。入園料は、中学生以上500円、3歳~小学生と65歳以上は400円。乗り物料金は別途必要で、お得なフリーパスもある。9月15日からは、同園を中心に福岡県内の遊園地の写真25点を集めた「昭和なつかしのゆうえんち展」も開かれる。10月31日まで。(問)092-922-3551

ほうち楽ナビ
旅ゴコロ~長崎県~
旅ゴコロ~熊本県~
旅ゴコロ~鹿児島県~