ほうち楽ナビ~鹿児島県~

(2018/1/25紙面掲載)

桜島ゆるり

「15分の船旅」で魅力新発見!

鹿児島の旅(下)

 鹿児島をめぐる旅の2回目。西郷(せご)どんゆかりの地を散策した前回に続き、今回はフェリーに乗って桜島に渡った。言わずと知れた鹿児島のシンボル。雄大な自然、シラス台地が育む「食」や、活火山ならではの温泉を堪能した。 加藤 博之

 >前編

桜島
湯之平展望所からは、たけだけしい桜島を見ることができる

今が食べ頃「桜島大根」

 約15分の優雅な航海だ。鹿児島港を出て、桜島に向かう。潮風が心地いい。船上のあちこちで、カップルや家族連れが写真を撮りながら風景を楽しんでいた。何度も鹿児島に来ているが、桜島に渡るのは初めて。次第に眼前に迫ってくる雄大な姿に、どんな島なんだろうと期待が膨らんだ。

 

 1周約36キロ。世界有数の活火山である桜島には、二つの世界一がある。一つはは、その大きさでギネスブックにも認定されている「桜島大根」だ。ちょうど食べ頃を迎えている。島に到着してすぐに国民宿舎レインボー桜島が企画している「収穫体験ツアー」に参加した。

 

 畑に着くと、一面に桜島大根が植わっていた。葉っぱの部分を束ね、腰を据えて引き抜くのがコツという。「えいっ」。グッと手応えが感じられた。ギネス級ではないものの、なかなか重い。大地の恵みを収穫した実感があった。

桜島大根
桜島大根は今が旬。甘みがあり、煮崩れしにくいのが特長だ

香り高い風味 桜島小みかん

 もう一つの世界一は、「桜島小みかん」だ。手のひらにすっぽり隠れるほどで、最も小さいと言われている。香り高い風味が特長だ。「さくらじまの食と農の実行委員会」会長の村山利清さん(71)は堆肥に海藻を使っている。山から流れ出た栄養がミネラル豊富な海藻を育て、それがまた山に還元される仕組み。食べてみると、濃厚な甘みが口いっぱいに広がった。

 

 最後に「湯之平展望所」に向かった。火口から半径2キロは人が立ち入れないため、ここが桜島を最も近くから見ることが出来る地点となる。火口付近のむき出しの山肌や火山岩はもちろん、錦江湾を望む遠景も素晴らしかった。

 

 宿泊は「レインボー桜島」。ゆっくりと「マグマ温泉」の露天風呂につかった。夕食に、昼間収穫した桜島大根を使った「ブリ大根」が出た。錦江湾でとれたブリのうまみが、ダイコンに染み込んでいる。ほのかな甘みと相まって、桜島産の焼酎が進んだ。

 

 対岸に鹿児島の夜景が広がる。「たいていの人は対岸から桜島を見て満足するんです」。そう話すのは、「レインボー桜島」の篠原臣さん。確かにそれだけでは、もったいないような気がした。

 

 桜島大根のことも知ってはいたが、実際に収穫して、食べてみて、新たな発見があった。桜島には行ってみないと分からない魅力がある。そう感じた旅だった。

桜島小みかん
濃厚な甘みがある桜島小みかん

【国民宿舎レインボー桜島】

 季節や時間によって、ここから見る桜島が七色に変化することから、名付けられた。錦江湾でとれた魚介類や黒豚を使った料理は絶品で、様々な宿泊プランがある。体験プランは、「桜島大根収穫体験」のほか「温泉掘り体験」など。地下1000メートルから湧き出る「桜島マグマ温泉」も人気。(問)099-293-2323

【桜島フェリー】

 鹿児島市営で、6隻を保有し、24時間運航している。船内にある「やぶ金」のうどんは名物になっている。運賃は大人160円、小児80円。約50分かけて錦江湾内をまわる1日1便の「よりみちクルーズ」(大人500円、小児250円)も人気を集めている。