フルコンタクト空手「新極真の風」

(2019/8/31紙面掲載)

第33回全九州空手道選手権大会

緑武士&藤田春人4強 福岡支部4人入賞

 青少年育成チャリティー第33回オープントーナメント「全九州空手道選手権大会」(スポーツ報知西部本社など後援)は8月25日、福岡市博多区の福岡国際センターで開かれた。国内外から流派を超えた精鋭が59部門で頂点を目指し、熱い戦いを繰り広げた。男子一般上級の部は賀数拓海(新極真会・東京東)、女子フルコンタクトの部は田中真奈美(芦原会館)がそれぞれ初優勝した。新極真会福岡支部では、緑武士、藤田春人が男子一般上級の部で4強入り。多田成慶、森田裕也が入賞を果たした。3人が出場した女子フルコンタクトの部は入賞に届かなかった。

男子一般上級の部で入賞した4人(左から)藤田春人、緑武士、森田裕也、多田成慶
男子一般上級の部で入賞した4人(左から)藤田春人、緑武士、森田裕也、多田成慶

緑武士 無念…準決勝で惜敗

勝利目前で上段浴び

 準々決勝で敗れた後、緑武士は駆け寄ってきた道場生に声をかけた。「ごめんね、負けちゃった」。優勝候補として臨んだ大会。地元福岡支部の期待を背負い、いつも稽古をつけている子供らの声援を受けた。それだけに、悔しさが募った。

 

 準優勝した池内敬直(新極真会・香川中央)との対戦。本戦では決着がつかずに延長へ。ここで緑はギアを上げた。グッと前へ出る。中段回し蹴りが何度も相手をとらえる。残り20秒。勝ちを確実にするため、決めに行った。その瞬間、相手の上段が緑をとらえた。技あり。反撃の時間はなかった。判定負けだった。

決勝進出はならなかった緑武士
決勝進出はならなかった緑武士

敗戦を糧に

 「甘さが出た。師範に申し訳ない」。充実した練習を積み、コンディションも「いい感じ」。試合に向けての調整は万全だった。この一戦も、落ち着いて試合をコントロールしていたのは緑だった。勝てた試合だっただけに、余計に悔しかった。

 

 5月のJFKO全日本大会で初戦敗退。気負い過ぎが敗因だった。その屈辱をこの大会で晴らすべく、稽古に励んできた。「重圧の中でもリラックスしてやれていた」。準決勝に勝ち上がってくるまでの試合内容には手応えを感じていた。この3か月間やってきたことは無駄ではなかった。勝負の世界では、負けた後の取り組みが何より大事になる。「来年…。次こそは」。この日の敗戦もまた貪欲に糧とする。

4強入りと大躍進の藤田春人
4強入りと大躍進の藤田春人

藤田春人 充実のベスト4

軽量ハンデ越え高校1年生躍動

 高校1年の藤田春人が4強入り。「充実感がある」と、手応えを口にした。

 

 165センチ、69キロ。スピードを生かすのはもちろんだが、序盤に下突きで相手のスタミナを奪い、終盤にラッシュをかける組手スタイル。今大会もそれがはまった。準々決勝では、180センチ、85キロの佐藤真大(勇征会)に延長で5-0の判定勝ち。「大きい相手でも果敢に攻めていくのが自分の組手」。軽量のハンデを感じさせない狙い通りの試合運びに、してやったりの表情を浮かべた。

 

 5月のJFKO全国大会で1回戦負け。「延長に入ってボディーを攻められ動けなくなった」。反省を生かし、この3か月はスタミナ強化に取り組んだ。ミット打ちにランニング。黙々と取り組んだ成果が最も出たのが準々決勝だった。

 

「いつか世界大会へ」

 5歳で始めた空手。「試合に勝てた時のうれしさが格別」とその魅力を話す。指導する渡辺大士師範代は「自分の練習の前に道場に来て、後輩たちに教えている。普段の練習から手を抜かず、取り組む姿勢は素晴らしい」と絶賛する。そんな日々の取り組みを思えば、今回の結果は必然だったのかもしれない。

 

 準決勝で敗れた後、マット上では11月の世界大会に出場する5人が紹介されていた。その方向へ視線を移し、つぶやくように言った。「いつか世界大会へ出たい」。夢はきっと、今歩んでいる道の延長線上にある。

 

多田成慶

多田成慶5位入賞

次の目標はアジア大会

 多田成慶は準々決勝で涙をのんだ。相手は優勝した賀数。一進一退の攻防の中で、冷静さを欠き一気に仕掛けていったことで、後半まで体力を残しておくことができなかった。「悪い癖が出て、ペース配分を失敗してしまった。優勝を狙っていたので悔しい」と肩を落とした。次回は9月8日のアジア大会(マレーシア)に出場予定。「この悔しさをぶつけたい」と前を向いた。

 

森田裕也

森田裕也6位入賞

武士先輩に一歩及ばず

 準々決勝で緑武士と対戦した森田裕也。序盤から一歩も引かない戦いを繰り広げたが延長で判定負け。わずかに及ばなかった。「武士先輩は強かった。自分の方が体も大きくパワーがあるはずなのに、向こうの勝ちたい気持ちが上回ったと思う」と精神面を敗因に挙げた。それでも「準々決勝に残って武士先輩とやるのが一つの目標だったので」と気を取り直した。この反省を生かし、「大会の大小を問わず、まずは優勝したいですね」と新たな目標を掲げた。


JFKO初戦敗退 再チャレンジ実る

 ▼男子一般上級の部優勝 賀数拓海(新極真会・東京東)「5月のJFKO全日本大会で初戦敗退したのですが、もう一度チャレンジしようと参戦を決めた。稽古がつらかったり、試合前に不安になったりしたが、初心にかえって楽しもうと思った。世界大会や全日本大会の優勝を目指してやっていきたい」

 

スタミナ生かし最後まで動けた

 ▼女子フルコンタクトの部優勝 田中真奈美(芦原会館)「初優勝はとてもうれしく思います。自分の長所でもあるスタミナを生かし、最後まで動きまわることが出来ました」

 

※新聞紙面(8月31日)では全部門入賞者の名前および福岡支部入賞者の写真を掲載 バックナンバ-お買い求め方法