フルコンタクト空手「新極真の風」

(2019/10/26紙面掲載)

第12回全世界空手道選手権大会

フルコンタクト空手世界最強決定戦

新極真会福岡支部5選手が挑む 精鋭紹介(上)

  4年に一度、フルコンタクト空手の世界王者を決める「第12回オープントーナメント 全世界空手道選手権大会」は11月9、10日に東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開かれる。体重無差別で争われ、世界各国の代表男子161人、女子43人がエントリー。誇りと威信をかけて、最強を決める戦いに挑む。新極真会(緑健児代表)福岡支部からは、緑強志(30)、亀山真(27)、江口雄智(23)、南原朱里(20)、藤原桃萌(20)の5人が出場する。大会を間近に控え、稽古にも熱が入る精鋭を2回にわたって紹介する。 ※次回は11月1日のスポーツ報知西部版 新聞紙面で掲載します

4年前に続き2大会連続で出場する亀山
4年前に続き2大会連続で出場する亀山

 亀山 真  (かめやま・しん)

 

日本勢2万人の思い背負い戦う

 強烈な使命感が、亀山を突き動かしている。4年前に続き、日の丸を背負う。「日本勢2万人の中から選ばれた代表。死ぬ気でやらなければ」。高まる緊張感とともに、稽古はさらに激しさを増している。

 

原点は奄美道場

 奄美大島出身。小学校2年の時に空手と出会った。島の道場に通い始めてすぐに、その面白さに魅了された。当時、道場に来て指導してくれたのが現新極真会代表の緑健児。1メートル65、72キロの体格で第5回大会を制し「小さな巨人」と呼ばれた世界王者が、直接稽古をつけてくれるのがうれしくてたまらなかった。

 

 いつの日か、自分も師範と同じように世界の舞台に立ちたい。そう思うのは必然だった。コツコツ稽古に励んだ。福岡へ出て、さらに頭角を現し始める。全国レベルの大会でも結果を残し、支部を代表する空手家の1人となった。現在は北九州地区の道場を中心に指導しながら、稽古に汗を流している。

 

道場生の期待を背負い戦う
道場生の期待を背負い戦う

防御力にも磨きかける

 これまでは、恵まれた体格を生かしパワーで圧倒する組手を追い求めてきた。ただ自分よりも大きい海外勢を相手にする世界大会では、それだけでは勝てない。転機は9月。福岡支部の5人で前回王者の島本雄二がいる広島支部へ出稽古に行った。そこで連戦を勝ち抜くにはダメージをもらわないことも必要だと再認識した。今は足を使った防御の練習にも時間を割いている。

 

道場生のまなざしが推進力

 前回大会はベスト16。もっと高い所へ。練習はうそをつかないことを知っているから、自身を追い込める。何より、その背中を見つめる道場生のまなざしが一番の推進力だ。

 

 「今教えている子供たちに夢を持ってもらいたいんです」。自身が子供の頃、世界王者・緑健児にあこがれたように、彼らにいつか日の丸を付けて世界大会に出たいと思ってもらえたら。そんな思いを胸に、大舞台に挑む。

 


女子日本代表の主将にも選ばれた南原
女子日本代表の主将にも選ばれた南原

 南原 朱里  (みなみはら・じゅり)

 

4年前準V 栄光と悔しさ

 4年前の栄光は、悔しい敗戦の記憶としても胸に刻まれている。怖いもの知らずだった16歳の高校生は、初めての世界大会で快進撃を見せた。次々と強豪を倒して準優勝に輝き、表彰台で万雷の歓声と拍手を浴びた。

 

 もちろん、うれしかった。ただ、決勝で敗れたのも事実だった。「この負けを意味あるものにしなければいけない」。敗戦のたびに、そうやって前を向いてきた。最高峰の舞台で感じた悔しさは、さらに南原を強くさせた。

 

夢が目標に

 「あの準優勝で夢が目標に変わりました」。小さい頃から世界チャンピオンになりたかった。それは、遠い憧憬ではなくなった。手の届く距離にある――。その称号を、ありありと近くに感じることが出来た。

 

 あれから4年。着実に成長を遂げた。2017年には、カザフスタンで開かれた「世界ウエイト制大会」の女子中量級と、「全日本大会」で優勝。階級別の世界王者と、日本王者の称号を手に入れた。「試合後のファンタグレープが楽しみ」と、あどけない表情を浮かべていた少女は指導員となり、後輩を育てながら稽古に励む日々を送る。今大会は、女子日本代表の主将という大役も任された。

 

前回大会は準優勝。今度は表彰台の1番上に立つ
前回大会は準優勝。今度は表彰台の1番上に立つ

目指すは「王道」

 目指すのは、どんなタイプの相手にも対応できる「王道」の組手。前に圧力をかけ強烈な突きを繰り出していくのがスタイル。攻撃力が最大の武器だが、体重無差別で争われる大会だけに、フットワークを使った防御にも磨きをかけている。

 

 最近よく、表彰台の1番上でトロフィーを掲げている自身の姿をイメージするという。「世界王者は家族の夢でもあるし、師範や支えてくれる人に恩返ししたい。集大成と思って、命をかけて試合に臨みたい」。頂点だけを見据え、4年前の忘れ物をつかみにいく。

 


 ※次回は11月1日のスポーツ報知西部版 新聞紙面で掲載します