フルコンタクト空手「新極真の風」

(2019/11/1紙面掲載)

第12回全世界空手道選手権大会

南原朱里 世界一 4年前の雪辱果たした

 4年に一度、フルコンタクト空手の世界王者を決める「第12回全世界空手道選手権大会」が9、10日、東京都調布市の武蔵野の森総合スポーツプラザで開かれた。体重無差別で争われる戦いには、各国の代表男子161人、女子43人がエントリー。女子の部で新極真会(緑健児代表)福岡支部の南原朱里(20)が初優勝を果たした。同支部からは他に緑強志(30)、亀山真(27)、江口雄智(23)、藤原桃萌(21)の4人が出場し、江口が8強入りと健闘した。男子の優勝は島本雄二(29)=広島支部=で11回大会に続く連覇を達成した。

新極真会 南原朱里
終始攻め続けミクスタイテを圧倒した

降り注ぐ歓声 仲間たちが涙でかすんだ

 勝利を告げる旗が5本上がった瞬間、4年分の思いがあふれた。大歓声が南原に降り注ぐ。日の丸が揺れた。支えてくれた家族、緑師範、たくさんの仲間が喜んでいる。みんなの顔が涙でかすんだ。「この日のために、ずっと頑張ってきたから」。すべてをかけてきた。この景色が見たかった。

 

決勝の相手は欧州王者 

 決勝。4年前、ここで敗れた。消えることなく、ずっと胸の奥にあった悔しさ。やっとたどり着いたのだ。雪辱の舞台に。相手はインガ・ミクスタイテ。世界大会には4年連続の出場で、欧州王者に計8度輝いた実力者。不足はない。父・英俊さんの声がした。「最初から出し切れ」。力強くうなずいた。

 

新極真会 南原朱里
優勝が決まった瞬間、思わず涙があふれた

負傷いたわる師範

 開始から攻めた。突き、蹴り、一気の攻勢で圧力をかける。自分の距離、リズムで戦えている。さらに攻める。思わず後退するミクスタイテ。攻撃の手は緩めない。延長戦など考えなかった。誰よりも稽古を積んできた自負があった。2分の本戦が終わって、5-0の判定勝ち。圧勝だった。

 

 アクシデントも乗り越えた。初日の3回戦に勝利した直後だった。右ふくらはぎを負傷した。一時は歩けない状態に。幸い、翌日の準々決勝までは時間があった。その夜、携帯電話が鳴った。緑師範からだった。「朱里は気持ちが強いから。アドレナリンが出るから大丈夫だよ」。懸命の治療もあって、何とか戦える状態まで戻すことが出来た。

 

一番の支えは「やっぱり家族」

 残り3試合。痛みはないと自身に言い聞かせた。最後まで自分を信じ切ることが出来たのが一番の勝因だ。「夢は追い続けると、頑張ると必ずかなうと思いました」。女子主将として、王座奪還という日本チーム全員の思いにも応えた。

 

 この4年間、つらい時や苦しい時、一番自分の支えとなったものは何? そんな問いに、世界女王は少し考えてから、きっぱりと答えた。「やっぱり、家族ですね」 (加藤 博之)

 


新極真会 江口雄智
8強入りと健闘した江口(中央)は敢闘賞にも選ばれた

江口雄智8強 敢闘賞に決意新た

 悔しさの中にも、どこかやり切った表情が見て取れた。江口が2度目の世界大会で、初めての8強入りを果たした。「4年に一度しかないチャンス。たくさんの応援の中でベスト8に入れた」。敢闘賞にも輝き、充実感をにじませた。

 

 パワーと回転力。持ち味を十分に発揮した。2回戦、3回戦と危なげなく勝ち上がり、初日を終えた。最終日も4回戦を快勝。5回戦は、世界ウエイト制中量級王者のサラハト・ハサノフが相手だったが、果敢に攻め続け、3-0の判定で8強入りを決めた。自分のパートから外国勢を勝ち上がらせることなく、「日本代表としての責任は果たせたかなと思います」と胸を張った。

 

 迎えた準々決勝。江口の前に立ちはだかったのは、大会連覇を狙う島本。挑戦者として迷いなく向かって行った。押し込む場面もあったが、ここからが百戦錬磨の王者らしかった。「最初は行けるかなと思ったのですが、前蹴りでペースを握られた」。形成を逆転され、0-3の判定で敗れた。

 

 次の目標は体重別の世界王者。軽重量級の江口にとって、無差別で争われる大会で、ここまでやれたのは自信になったはず。「取りたいと思います」。力強く言い切った。

※新聞紙面(11月15日)では福岡支部のほか3選手の記事などを掲載 バックナンバ-お買い求め方法