【フルコンタクト空手】藤原桃萌 世界大会のリベンジへ/新極真会全日本大会 福岡支部出場選手紹介(上)

第52回全日本空手道選手権大会 11月21、22日開催

 11月21、22日に東京で開かれるフルコンタクト空手の男女の日本一を決める「第52回全日本空手道選手権大会」(新極真会主催)。福岡支部からは全国で最多となる男女合わせて11人が参加する。頂点を目指し激しい練習に励む精鋭の横顔を紹介する。1回目は、藤原桃萌(21)、志和ひかる(18)、網川来夢(17)の女子3人。

藤原桃萌 心身とも大きく成長

昨年の世界大会の雪辱を誓う藤原

「強くなりたい」

 待ちに待った大会だ。藤原にとっては、昨年11月の世界大会で味わった悔しさをぶつける絶好の機会となる。初めての「世界」は3回戦敗退。「今までで一番悔しい」。試合後、涙が止まらなかった。あれから一年。心身ともに大きな成長を遂げ、再び大舞台に戻ってきた。

 ゼロからの再出発。まずは敗因を分析するところから始まった。「自分が勝つという気持ちが強すぎたのかな…」。本戦で決めようと攻め立てたが決めきれず、延長に入ってスタミナ切れした。勝ち急ぐのではなく、落ち着いて戦うこと。もっと、スタミナを付けること。課題は分かった。となれば、あとはコツコツと取り組むだけだった。

 世界大会から1か月後の昨年12月。ポーランドで開かれた国際大会で優勝した。少しだけ、光が見えた。体を休める日曜日以外は、毎日道場に通う。以前は試合の2か月前から自らに課していた激しいトレーニングを1年中こなす。「もっと、強くなりたい」。世界大会で敗れた後に絞り出した言葉は、うそではなかった。

南原がサポート役

 頼もしい味方もいる。昨年世界王者に輝いた南原朱里だ。世界大会に向け合宿などを共にして、年下ながら学ぶことも多かった。「絶対に練習で気を抜かない。私にはそこが足りないかなと思った」。今大会は、その南原が裏方として支えてくれている。「朱里ちゃんがいて心強いです」。これ以上ないサポート役を手に入れ、「目標は優勝です」と力強く宣言した。

 今大会は福岡支部の女子では最年長。引っ張って行く役割も求められる。「これまではそういう立場ではなかったので緊張している。3人みんなで勝ち続けられたらいいですね」。表情がキリリと引き締まった。


網川来夢 誰もが認める潜在能力

全日本大会初出場の網川来夢が台風の目となるか

全国に名前とどろかせる

 初めての全日本大会。他流派も含め全国から強豪が集う。網川の胸の内にあるのは、不安か、ワクワク感か。おそらく、そのどちらもなのだろう。「出ているのは自分より力のある人ばかり。チャレンジャーとして臨みたい」と意気込んだ。

170センチ 恵まれた体格

 170センチ。日本人離れした体格を生かした組手が持ち味。膝蹴りが得意で、自分の間合いなら長い手足が生きる。例え懐に入られそうになっても、飛び込んで来た相手に膝を合わせられるうまさも持ち合わせている。そんな才能が開花したのが昨年マレーシアで開かれたアジア大会だ。

 小さい頃から共に鍛錬してきた志和とともに出場し、中量級で優勝を果たした。決勝で下したカザフスタンのイオアンナ・ベリフは世界大会8強の実績を持つ強豪だった。「今大会も志和選手と互いに高めあって、マレーシアの時みたいにいい結果を出せるといいですね。目標は優勝です」。そう言ってにっこり笑った。

 昨年南原が世界女王になったことも刺激だ。「先輩はどんな練習にも手を抜かず、常に全力。参考になります」。どんな相手が来ても対応出来る南原の組手を参考にしている部分も多い。

前蹴りを強化

 今大会に向けては前蹴りを強化している。得意の中段や膝蹴りを生かすためには、自分の距離で戦うことが重要だと考えたからだ。

 その伸びしろは十分で、潜在能力は誰もが認めるところ。福岡支部の女子のホープが、その名を全国にとどろかせる。


志和ひかる 気持ちの強さ武器に大暴れだ

軽量級の志和ひかるは、気持ちで勝負する

俊敏なフットワーク

 福岡支部11人のうち、最後に参戦が決まった。高校3年の志和は就職活動などで多忙だったからだ。「出なくて後悔するよりも、出た方が自分のためにもなるかなと思った」。決めた以上、全力でやる。空手家としての闘志に火が付いた。

 全日本大会は2回目の出場。初めてだった一昨年は、3回戦で敗退した。152センチと小柄ながら、俊敏なフットワークが持ち味で、何より気持ちの強さが一番の武器だ。指導する渡辺大士師範代は「ここで勝負するタイプ」と言って、胸を指さした。

 自信になった大会がある。昨年マレーシアで開かれたアジア大会の軽量級で優勝した。初めての海外の大会で次々と強豪を打ち破った。人一倍の練習量でつかみとったアジア王者の称号は、さらに志和を稽古へと向かわせる原動力にもなった。

弟・蘭丸の助言も

 大会に向けては、接近戦からの前蹴りを重点的に練習中。「相手の動きを止めることが出来るので」。アドバイスをくれたのは、同じ道場に通う3つ離れた弟の蘭丸。「弟はセンスがあるんですよ」。家族の支えも志和の強みの一つだ。

 空手とは? 「ずっと長く毎日やっているので、当たり前になっている」。志和にとっては日常。しかし当然、楽しいことばかりではない。「きついこともあるんですけど、自分が成長できる場所ですかね」。全日本大会を終えた時、今度はどんな成長を遂げた自分と出会えるだろうか。

(2020/11/7紙面掲載)

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