【フルコンタクト空手】緑武士 無差別強豪とガチンコ勝負/新極真会全日本大会 福岡支部出場選手紹介(下)

第52回全日本空手道選手権大会 11月21、22日開催

 フルコンタクト空手の男女の日本一を決める「第52回全日本空手道選手権大会」(新極真会主催)はきょう21日、東京のベルサール六本木で開幕。2日間にわたって熱い戦いを繰り広げる。頂上決戦に、全国で最多となる男女合わせて11人を送り込む福岡支部。その精鋭を紹介する最終回は、緑武士(24)に、多田成慶(20)、前平斗真(20)、山内慎太(19)の若手ホープを加えた4人。意地と誇りをかけて、全国の強豪に立ち向かう。なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今大会は無観客開催となる。 ※大会の模様は11月28日の新聞紙面で掲載予定

緑武士 潜在能力は十分「最低でも8強」

 そろそろ、全国レベルの大会で好結果を出してもいい頃。緑自身も、そう思っているはずだ。「最低でもベスト8。他流派に勝って、まずはそこまで行きたい」。これまでの全日本大会の最高成績はベスト16。8強どころか、その上を狙える潜在能力を十分に秘めている。

 昨年は苦しんだ。階級別の日本王者を決める5月のJFKOで初戦敗退。雪辱を期しV候補として臨んだ8月の全九州選手権では、準決勝でまさかの敗戦を喫した。失意の中、父でもある新極真会の緑健児代表の勧めで出場した11月の鹿児島大会で、ようやく復活Vを果たした。

1年ぶりの実績

 今大会はそれ以来、1年ぶりの実戦となる。新型コロナウイルスの影響で大会が次々と延期となる中、自粛期間は福岡市の高地トレーニングスタジオ「ハイアルチ」などでウェートトレーニングに励んだ。164センチ、76キロと決して大きくないだけに、無差別で争われる全日本に向けて、黙々とパワーを付ける練習に取り組んだ。

 大会に向け、同じ福岡支部の江口雄智と稽古に励む中で、気づいたことがあった。「相手が動く前に動いている」。積極的に仕掛けて主導権を握ることで、自分の組手に持ち込んでいた。すぐに自らも取り入れた。いいと思ったことを素直に吸収できる柔軟さも持ち味の一つだ。

 昨年の世界大会には出場はかなわなかった。しかし、会場で兄・強志の戦いぶりを目に焼き付けた。世界大会に出た選手との距離がどれだけ縮まっているかを測るには、今回は絶好の機会となる。「選手として、あまり長くやれるとは思っていないので」。一戦一戦、ありったけの決意で臨む覚悟だ。


多田成慶 前へ突き進む組手魅力

 ガンガン前に出る。無鉄砲にも見える多田の組手は時に、爆発力を発揮する。その力が存分に発揮されたのが、昨年マレーシアで開かれたアジア大会だろう。次々と強豪を打ち破り、見事、軽重量級で優勝を果たした。「自信になりましたし、もっと強くなりたいと思った」と振り返る。

 課題はスタミナの配分。最初から全力で向かって行ってもバテないようにするため、体力を付けるトレーニングにも取り組んでいる。もちろん、組手に臨む際の精神面が重要なのは、本人もよく分かっている。

 得意は下段回し蹴り。順当なら2回戦で他流派の森田奈男樹(宮本道場)との対戦が見込まれる。過去に対戦して一度敗れており、「絶対に負けない」と力を込める。アジア大会以来の実戦だけに、まずは初戦で試合勘を取り戻したい。


前平斗真 優れた総合力で成長一途

 今、最も急成長を遂げている選手かもしれない。前平は、全日本大会への出場は今回が2度目となる。前回は1回戦で敗退したが、その時は65キロで軽量級だった。今は174センチ、78キロ。筋トレの効果もあり、体つきが全然違う。その分、パワーも付いた。

 何かが特に優れているとかではなく、すべての技で勝負できる。バランスがよく、戦いぶりも安定しており、調子の波が少ないのが持ち味だ。ずっと稽古をつけてきた渡辺大士師範代も「伸びしろもあるし、福岡のトップ選手、エースになって欲しい」と期待を寄せる。

 昨年はけがに泣き、あまり大会に出られなかった。加えて今年はコロナで延期や中止が相次いだ。実戦は昨年11月の鹿児島大会以来。「出るからには1番上を目指して。入賞とか、2日目とか考えていたら、そこまで行けない。失うものはないし、胸を借りるつもりで臨みたい」。その意気やよし、である。


山内慎太 若手ホープが初出場

 取材を申し込んだら、山内からこんな返事が返ってきた。「僕なんかに、ニーズあるんですか」。もちろん、ある。福岡支部を背負い、全日本大会に挑む11人の一人だ。福岡大に通うホープは今、着実に力を付けている。

 6歳で空手を始めた。「泣き虫だったみたいで。親に連れられて」。次第に結果を残すようになり、今では道場で後進の指導にあたることもある。「その子らのためじゃないけど、強い先生に教えてもらいたいと思うんです」。道場生らの期待も力に変えるつもりだ。

 小気味いい組手が持ち味。スピード、キレは全国の強豪に全く引けを取らない。「小さい頃、山野翔平先生に教えていただいた」という後ろ蹴りは強烈で、一発で試合を決める力も秘める。

 無差別級で争われる全日本大会は初めての出場。「自分がどこまで行けるか、ワクワクする。失うものはないので。親に恩返しできればいいですね」。周囲も本人以上に、楽しみにしている。


オンライン有料ライブ チケット発売中
 大会の模様を、オンライン有料ライブで見ることが出来る。チケットは「LINE LIVE-VIEWING」、「ZAIKO」で販売中。新極真会福岡支部のウェブサイトからも購入ページに移動できる。
29日テレQ 来月5日Jスポーツ3で放送
 また、大会の模様はTVQ九州放送で11月29日午後4時~午後5時15分、Jスポーツ3で12月5日午後1時~3時に放送される。

(2020/11/21紙面掲載)


関連記事

過去記事(月別)

ページ上部へ戻る