【フルコンタクト空手】新極真会・緑健児代表「こんな時だからこそ 心だけは豊かに 前を向いて」

緑代表兼福岡支部長に聞く 2021年の展望

心身ともに鍛えて 閉塞感漂う世の中乗り越える

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。スポーツ界にも様々な影響が出る中、直接打撃を行うフルコンタクト空手でも昨年は大会の中止や延期が相次いだ。世界中に閉塞感が漂う今、新極真会の緑健児代表兼福岡支部長は「こんな時だからこそ、心だけは豊かに、前向きでなければならない」と、力を込める。2021年の展望などを聞いた。(加藤 博之)

閉塞感のある今こそ、武道の力が発揮される時だ

昨年の全日本大会は無観客

 ―まさかこんな状況になるとは、誰も予想していなかった。そんな中、新極真会は昨年11月に全日本大会を初めてとなる無観客で開催した。

 「大会の中止や延期が相次いでいたが、選手が輝ける場を用意したかった。スポンサーの協力や、関係者の尽力で感染対策を万全にして、無事に終わらせることができました」

 ―選手にとっては、目標とする大会があるのとないのでは大きく違う。

 「開催してくれてありがたいという声が選手からも多く聞かれた。コロナ禍の中でも、それぞれが大会に向けてしっかりと準備してきていたのが印象的だったですね」

 ―福岡支部からは最多となる男女合わせて11人が出場。江口雄智が4位入賞し、多田成慶が快進撃を見せ6位入賞を果たした。

 「江口はこれで新極真会のトップクラスに名を連ねた。新極真会を引っ張っていく選手になっていくでしょう。多田は本番で力を出しましたね。勢いがあるので今後の成長が楽しみです。19年にマレーシアのアジア大会に優勝して自信になっているみたい。結果が出ると顔つきも変わってきますから」

昨年の全日本大会の入賞者。前列左が江口、同中央が多田

男子の世界王者輩出を

 ―南原朱里が一昨年に世界大会を制した後、緑代表は「今度は弟子の中から男子の世界チャンピオンを出したい」と話していた。福岡支部は新しい世代の選手も育っていて、層が厚くなってきている。

 「やはり南原が世界王者になったのは、福岡支部にとって大きかったです。ただ他流派もすごく強くなっている。もっとレベルアップしなければ。今年はこれまで以上に選手育成に力を入れていきますよ」

 ―具体的には。

 「月2回の強化稽古を始める。そのうち1回は九州の各支部から強豪が集まってくる。ライバルと互いに鍛錬することで、選手にとって大きな刺激になりますしね」

 ―例年夏にあるドリームフェスティバルが昨年は中止となり、3月に開かれる。各世代のチャンピオンを決める大会で、福岡支部は前回総合優勝を果たした。

 「もちろん、連覇を狙ってます。4月には昨年第1回が開かれる予定でコロナのため中止となった福岡県フルコンタクト選手権も開かれる。福岡県で誰が強いのかを決める大会で、選手たちの新たな目標になると思います」

「あきらめず、前向きに」と話す緑代表

各道場で感染症対策を徹底

 ―昨年は今宿と福津道場がオープン。今年は糸島にも新たな道場を開設する。一撃必殺の強さに憧れ、子供たちはフルコンタクト空手を志す。道場では、礼儀、礼節を学び、心身ともに鍛えられる。

 「道場に来れば仲間がいる。こういうコロナの状況の時にこそ、武道の力が発揮できる。前向きに乗り越えていく力を養うことができます」

 ―徹底した除菌や換気。安心、安全に道場で稽古ができるよう十分な注意を払っている。

 「感染対策は徹底してやっているし、これらからも続けていきたい。空手を通じて免疫力はついている。全国的にも道場でクラスターは起きていない。指導員や生徒にはうがい手洗い、十分な睡眠と食事を取るよう伝えています」

トンネルは必ず抜ける

 ―学校などで周りにコロナにかかる子も出てくるかもしれない。

 「万一、そこで差別やいじめがあるようなら、空手をやっている子供は、やめるよう注意することができるはず。強くなればなるほど、人には優しくなれるのだから」

 ―まだまだコロナの収束が見えない中で、新極真会にとって、どんな1年になるのか。

 「トンネルはいつか抜ける。苦しさは乗り越えられる。空手も大会の3か月前は死ぬ気で苦しい稽古を積み重ねるが、それも試合が終われば達成感がある。人類も必ずコロナを克服すると思います。今は閉塞感があるけれど、これは永遠には続かない。空手をやっているみんなには、あきらめず前向きに、心だけは豊かに。そんな気持ちを持ち続けていてほしいですね」

(2021/1/31紙面掲載)

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