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【福岡】断食お泊まり体験やってみた/福岡県篠栗町
- 2021/7/1
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「ファスティング旅館 若杉屋」
ファスティングって、ご存じだろうか。いわゆる断食のことで、このところ健康的な観点からも注目を集めている。コロナ禍で思うように行楽やレジャーを満喫できない中、この機会に自身の体と向き合いたいと思う人も増えているようだ。長年、不摂生を続けてきた記者もそんな一人。50歳を前に、健康診断の数値も気になり始めた。福岡県篠栗町の「ファスティング旅館 若杉屋」で、2泊3日の断食お泊まり体験ができると聞き、訪ねてみた。(加藤 博之)

のどかな山里で心と体を解放
JR篠栗駅からタクシーで約20分。のどかな山里に若杉屋はある。昼過ぎに到着すると、朝からの雨が庭のあじさいをぬらしていた。前日の夕食の後、何も食べていなかった。空腹を我慢できるかなという不安と、自分の体がどう変化していくのかという好奇心。2つの気持ちが交錯していた。
今回、参加者8人のうち、6人が女性だった。ダイエット、内臓を休めたい、腸内環境を整えたい…。それぞれに目的があるようだ。記者以外の唯一の男性だった志免町の末永治さん(49)は今回が3回目の体験。「コロナで予定がなくなったので。体質改善が目的です。頭より体が効果を感じています」と話した。

ハンモックセラピーや写経などゆったりリラックス
滞在中は、様々なプログラムが用意されている。森林セラピー、お遍路体験、写経など。中でも、ハンモックセラピーは、とても心地いい体験だった。波間を漂うようなハンモックの揺れに、リラックスして身をゆだねる。聞こえるのは鳥のさえずりと、自分の呼吸音だけ。静かに、ゆっくりと時が流れていった。
2日目。次第に腹がグーグー鳴り始めた。それでも、さほど空腹感を感じないのが不思議だ。思えば30年近く、毎日のようにビールを飲んできた。暴飲暴食でずいぶん胃腸に負担をかけてきたなと反省した。
散歩したり、読書をして過ごす。体が食べないことに慣れてきたのか、まだまだ続けられそうだった。消灯時間になると、すぐに寝てしまった。普段より、ぐっすりと眠ることができた。

60時間ぶりの食事は重湯
翌日の朝食は、重湯だった。約60時間ぶりの食事だ。おそるおそる口に運ぶ。ふわりと、お米の香りがした。口いっぱいに、その甘味が広がる。「あー、おいしい」。思わず、声に出していた。

スタッフの広田美由紀さんは「この環境で、心と体を解放してファスティングをしていただくことで、きっと響いてくるものがあると思います」と話した。
体重は1キロ減って67キロだった。数字以上に、体が軽くなったような気がする。これからは生活習慣を見直そうかな。そんな風に意識が変わったことが、一番の収穫だった。
13:00 オリエンテーション、体重測定
ハンモックセラピーなど
自由時間
眠りのワーク
22:00 消灯
…2日目…
目覚めのヨガ
写経
ハンモックセラピー
足助式医療体操
生活習慣改善セミナー
眠りのワーク
22:00 消灯
…3日目…
足助式医療体操
朝食(重湯)
お遍路体験
88ワーク(座学)と回復食(おかゆと具なしみそ汁)
11:30 解散
料金は、2泊3日のプランが3万6000円(税別)、3泊4日のプランが4万6000円(同)。他に1泊200円の宿泊税がかかる。「篠栗ヤド泊キャンペーン」(2022年3月31日まで)を利用すれば1人あたり1泊につき最大3000円の割引がある。(問)092-410-8522 https://wakasugiya.com/
(2021/6/29紙面掲載)