【福岡】30分で2時間分の運動効果 高効率の高地トレーニングを手軽に体感

ハイアルチ福岡薬院スタジオ(福岡市中央区薬院)

 福岡市中央区薬院にある高地トレーニングスタジオ「ハイアルチ」。酸素濃度を標高2500メートル以上という特殊な環境下に設定することで、より高い運動効果が得られると注目を集めている。都心で手軽に「高地トレ」ができることもあり、薬院スタジオでは、心肺機能向上を目指すマラソンランナーやJリーガーといったトップアスリートをはじめ、ダイエットを目指すサラリーマンや主婦、運動部の学生らが汗を流す。

ダイエットにも効果的というハイアルチは女性にも人気だ

標高2500メートルの酸素濃度

 スタジオ内は平地で約20%の酸素濃度が約15%に設定されている。薬院スタジオのマネジャー緑貴子さんは「同じ運動をするにしても、高地環境ならば30分で2時間の運動効果が得られます」と話す。心肺機能が高まるだけなく、造血ホルモンが増え酸素の運搬能力も上がるため、アンチエイジング、冷え性、貧血など、根本的な体質改善にも効果が得られるという。

ハイアルチでトレーニングするマラソンの福田選手

トップアスリートも認める体の進化

 プロマラソンランナーの福田穣選手(31)も、その効果を実感している1人だ。福岡国際マラソンや防府読売マラソンでも活躍し、東京五輪の代表選考レースとなった一昨年のMGCにも出場した。自己ベストは2時間9分52秒。今は2024年のパリ五輪を見据え、トレーニングに励んでいる。

 所属は「NNランニングチーム」。世界記録保持者で東京五輪金メダリストのエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)ら世界有数のランナーがいるチームだ。福田選手は一昨年、実業団を辞めチームに加わった。昨年はトータルで半年以上、ケニアでトレーニングを行い「高地トレ」の効果を感じている。日本にいる間も、ケニアと同じように練習できないかと「ハイアルチ」を利用し始めた。

福岡国際マラソンで力走する福田選手

マラソン福田選手「ケニアと一緒の感覚」

 「同じ練習でも、高地と平地とでは感覚が全然違う」と福田選手。継続して高地トレーニングすることで、レース後の回復力など自身の進化も感じ取っており、「ハイアルチでのトレーニングは、ケニアと一緒の感覚です。代謝も上がるし、ダイエットにもお勧めですよ」と話す。

 薬院スタジオのランニングマシンは自走式。スピードを調節できるため自分のペースで運動ができる。他にも、バイク、筋トレなど様々な機器が設置されており、ジュニアアスリートから70歳代までが通っている。ぜひ一度、最先端の「高地トレ」を体感してみてはいかがだろう。


「トップアスリートを目指したい」と高地環境のトレーニングを続けている東福岡高の横島選手

ジュニアアスリートも心肺機能向上を実感

 ハイアルチ福岡薬院スタジオには小学~高校生のジュニアアスリートも通っており、トレーニング効果が結果に表れている。

 東福岡高ボクシング部の横島克一選手(2年)は昨年9月に通い始め、10月に行われた福岡県の新人戦ライト級で優勝を飾った。ボクシング歴は2年。始めた頃は小学4年から続けているフルコンタクト空手との距離感の違いもあって結果が残せていなかった。ところが高地環境のトレーニングを始めたことで「自分でも驚くくらい変わった。息の戻りが早くなった」と心肺機能が向上したという。

 以前は主に屋外のランニングを中心にトレーニングしていたが、週5回、毎日1時間ほどハイアルチでランニングや筋トレをするようになった。決して長い時間の運動ではないが「きつい。ものすごく汗をかく」と、長時間の運動と同じような効果を得られたという。

 その効果は試合でも発揮された。「今まではパンチを打ち続けていたら腕が疲れていたけど(ラウンドを重ねても)強いパンチや連打が出せるようになった」。スタミナの強化で手数を増やせたことが好結果につながった。

 このほか、小学生ゴルファーや中学生の陸上選手など、さまざまな競技のジュニアアスリートがハイアルチに通っている。

◆ハイアルチ福岡薬院スタジオ 平日・午前10時~午後10時、土日祝日・午前10時~午後7時。年末年始など休み。福岡市中央区薬院3-13-23 092-406-4409 >ハイアルチ福岡薬院スタジオ

(2022/1/10紙面掲載)

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