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【福岡】かしいかえん 30日閉園 たくさんの思い出をありがとう
- 2021/12/25
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福岡市東区の遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」は30日に閉園する。長い間市民に親しまれてきたが、施設の老朽化や、新型コロナウイルスの影響で利用者が大幅に減少したことで、65年の歴史に幕を閉じる。閉園を前に様々なイベントが行われており、最後の記念にと訪れる家族連れも多く、「思い出をありがとう」と惜しむ声が寄せられている。

1956年オープン 市民のオアシス
かしいかえんは1956年、「西鉄香椎花園」としてオープンした。戦前はチューリップ園として親しまれていた土地で、太平洋戦争の影響で一度は荒れ果てたが、再び市民のオアシスとしてよみがえらせようという機運が高まり、都心に近い身近な遊園地として誕生した。
チューリップやバラなど季節の花が咲く観光名所として人気を呼び、ティーカップ、観覧車、ジェットコースターといったアトラクションが次々と導入された。高度経済成長とも重なり、にぎわいを見せた。
1973年 西日本最大の観覧車
73年に、当時としては西日本最大となる大観覧車が登場。78年の「西日本こども博」など大きなイベントも開かれた。86年には過去最多となる年間57万人が訪れた。
しかしレジャーの多様化や、少子化の影響もあって、次第に利用者は減少していく。2009年に西日本初となるシルバニアガーデンへの大幅なリニューアルを試みたが、抜本的な改善には至らず、16年度には22万人と最盛期の約半分にまで落ち込んだ。
さらに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた昨年度は13万人に。観客がゼロという理由で、人気が高かったシルバニアガーデンでのショーを中止することもあった。ショーにも出演する黒田裕悠美さんは、「お客さんとの距離が近い遊園地でした。毎日が記憶に残っていて、いまだに閉園の実感がない」と残念がる。

ラストイベント開催中 花の苗や種プレゼント
ところが閉園が決まったことで、3世代で来園する家族や数十年ぶりに訪れる人もいて、再びにぎわいを見せている。園では感謝の気持ちを込めてラストイベントを展開中だ。過去の思い出深いシーンを切り取った約80枚の写真を展示。「かしいかエンドレスプロジェクト」と題し、花の苗や種のプレゼントしている。黒田さんは「閉園後も思い出として、花を育てていただければ」と感慨深げに話す。
(2021/12/21紙面掲載)