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【鹿児島】錦江湾ブルーツーリズム 海の遊びは“奥”深い
- 2021/3/30
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錦江湾奥会議(ワンオク会議)
海で遊び、自然に親しむ--。鹿児島県の鹿児島、霧島、姶良、垂水の4市でつくる「錦江湾奥会議」(ワンオク会議)は、錦江湾の地形や特徴を生かした観光体験「ブルーツーリズム」をPRしている。気候が温暖になるこれから10月頃までが最盛期。アウトドアなら密も回避でき、巣ごもりでたまったうっぷんも、思いっきり晴らすことができる。4市イチオシのアクティビティーを体験してみた。(加藤 博之)

ウェーダーウォーク(姶良市)
干潟を水中散歩 イルカと遭遇も
桜島がぐっと近く感じられる。距離や角度が違うだけで、その表情はこんなにも変わるのかと驚いた。「ウェーダーウォーク」は、胸まであるウェーダー(胴長靴)を着て行う「水中散歩」。姶良市の重富海岸には約600メートルにも及ぶ干潟があり、この広大な地形を生かした観光体験なのだ。
準備するものはいらない。ウェーダーを着て準備運動を済ますと、ガイドと一緒に海に入る。徐々に水圧がかかってくると、陸では感じられない不思議な感覚になる。沖に向かって少し歩いたところで振り返ると松林が見えた。前方に桜島、後ろには松林。360度自然に囲まれた海中ならではの景色に、思わず笑みがこぼれた。
歩いていると様々な水中生物に出会う。運が良ければイルカと遭遇することもある。遠浅のため水深もなく、疲れたら座ったり、楽しみ方はいろいろ。中にはヨガを楽しむ観光客もいるという。
時間帯によって、桜島は全く違った顔を見せてくれる。何度も参加して、自身のお気に入りの「表情」を探してみるのもいいだろう。
約60分の水中散歩。身長が140センチ以上なら誰でも参加オーケー。これなら高齢者でも安心だ。
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体験料は1人1500円(税込み)。(問)くすの木自然館(なぎさミュージアム内)0995・73・3146

桜島の足湯掘り体験(鹿児島市)
湧き出る赤茶色の湯 掘りセットも販売
湧き出てきたお湯に、素足を浸した。ポカポカと熱が伝わってきて、心地いい。目の前には錦江湾の穏やかな海が広がっている。日頃の疲れや嫌なことが一気に吹き飛びそうだ。気持ちよさそうに海を渡っていく風の音に、耳を澄ませた。
「足湯体験」が楽しめるのは、桜島の西側にある有村海岸。桜島フェリーターミナルから車で15分ほど南下したところにある。スコップなどは持参するか、桜島ビジターセンターで温泉掘りセットを購入できる。
少し掘り進めると、鉄分を多く含んだ赤茶色の湯が沸き出してくる。イスはその辺に転がっている流木を使えばいい。カップルや友人、家族でのんびりとした時間を満喫したい。
足湯体験のほかにも、桜島の楽しみ方は様々。火山と海がつくる絶景に出会ったり、独特のシラス台地が育む桜島大根や小みかんなど、ここでしか味わえない「食」を季節に応じて堪能することもできる。1日遊び回った後に、足湯体験すれば疲れを癒やせる。
鹿児島港からフェリーで15分ほどの桜島は魅力いっぱい。旅行日程に合わせて、様々なアクティビティーを組み合わせて、満喫したい。
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温泉掘りセットは1100円(税込み)。潮の干満や天候などで体験可能日は限られる。(問)桜島ビジターセンター099・293・2443

SUP体験(垂水市)
アメンボのように水上をスイスイ
まるでアメンボになったようだ。ボードの上に立ってパドルをこぐと、スイスイと水上を進んでいく。SUPとは、Stand Up Paddleboardの略。「マリンパーク垂水」では、波がない穏やかな海で、その体験を存分に味わえる。手ぶらでも大丈夫なのがうれしい。
ボードは1人乗りから、大きいのになると8人乗りのものもある。一度乗ると病み付きになる人も多く、初心者から大会に出るような上級者まで、レベルに応じて楽しめる。
正直、乗るまでは不安だった。うまく乗ることができるだろうか。だが、すぐに心配は無用だと分かった。ガイドの田屋敷幸太さんにレクチャーを受けて、海に入った。意外に簡単だ。
そうやって遊んでいると、ほどなくして海に落ちた。ドボン! みんなワハハと笑っている。「沈」もまた楽しい。一度落ちてしまうと、開き直ってスピードを出してみたくなった。爽快だ。ドボン! また落ちた。笑い声。その繰り返しだ。
リレーをしたり、鬼ごっこをしたり、童心に帰って楽しんだ。夢中になって遊んでいたら、時間がたつのをすっかり忘れていたようだ。いつの間にか、錦江湾に夕日が沈もうとしていた。
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SUP体験は60分3500円(税別。所要時間は90分)。他にも様々な体験プランあり。(問)マリンパーク垂水0994・45・7182

カヤック・フィッシング(霧島市)
初心者も簡単 カヤックこぎルアー巻き取るだけ
ピピピ、ピピピ。カヤックに積まれた魚群探知機の発信音が鳴った。ワクワク感が高まる。磯、船、防波堤、川…。これまで様々な所で釣りを経験してきたが、カヤックの上から糸を垂らすのはさすがに初めてだ。
今、この下に魚がいる――。高揚感はいつもの釣りと一緒だった。釣り方は簡単で、カヤックの下に魚がいることを確認したら、いったんルアーを海底まで沈め、巻き取るだけ。その途中に魚が食ってくるという仕組みだ。
元々はガイドを務めてくれた具志堅太一さんが趣味で始めた。するとすぐに、大きなタイが釣れたという。「こんなに簡単に釣れるんだ」。面白さに、はまった。たくさんの人に楽しんでもらいたい。少しずつカヤックをそろえていった。
自分でカヤックをこいで、ポイントを探して当て、ターゲットを釣り上げる。まさに、大人の遊び心を刺激するアクティビティーだ。カヤックの操作にもすぐ慣れるし、初心者や女性でも簡単に楽しめるのがうれしい。
この日は、霧島市の若尊鼻遊歩道周辺でカヤックフィッシングを楽しんだ。楽しい時が過ぎるのは早い。釣り上げたのは結局、エソ1匹だったが、次こそは大物を狙ってみたい。
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前日正午までに予約が必要。3時間で1人6000~7000円(税込み・料金は場所により変動)。(問)グシケンカヤック090・5451・3602
(2021/3/28紙面掲載)