【ボーイズリーグ】熊本田原坂 「絶対大丈夫」強い気持ちで悲願の全国切符/春季全国大会熊本予選

第52回春季全国大会【中学生の部】熊本県支部予選(2021年12月11、18日・山鹿市民球場)

 中学生の部、熊本県支部予選は熊本田原坂ボーイズが創部以来初の全国切符をつかんだ。本戦は3月に東京・大田スタジアムなどで開かれる。

初の全国切符をつかみ笑顔の熊本田原坂ナイン

▼決勝
熊本田原坂000 002 001=3
熊本宇城 001 100 000=2
(延長9回)

延長9回大賀決勝打で1点差制す

 「絶対大丈夫」。プロ野球で日本一に輝いたヤクルトと同じ言葉を胸に刻んで戦い抜いた。熊本田原坂が準決勝、決勝と2戦続けて1点差ゲームを制して優勝。1991年に熊本ブルーウェーブとして創部して以来、30年。ついに全国切符を獲得した。

 準決勝で最大の難敵だった熊本中央に競り勝ち、迎えた決勝。だが先発の大賀が「燃え尽きたところもあった」と話すように、激闘の直後で疲れの色を隠せなかった。ミスもあり、2点を先行される苦しい展開になった。

 ナインに焦りが見え始めた時、高永監督は「絶対大丈夫。自信を持ってやっていこう」と激励した。元気を取り戻し、6回に吉田の適時打などで追いついた。

 そして延長9回、1死から藤井が「9回裏から投手が1年生に代わるし、ここで打たければと思った」と二塁打で切り開き、その後2死三塁として大賀が「自分が決める、転がすよりも完璧に仕留めようという気持ちで」と中前に運んで勝ち越した。指揮官は「準決勝の後は出し切った感があったけど、よく乗り越えてくれた」とたたえた。

延長9回、勝ち越しの適時打を放った大賀は右手を突き上げて一塁へ走る

準決勝で熊本中央撃破

 精神的に強くなった。4季連続で全国に出場している熊本中央との準決勝に備え、「技術的なことはずっとやってきたし、メンタルを鍛えてきた。『絶対大丈夫』と言ってきた」と高永監督。自信を持って試合に臨み、序盤に5点を先行。終盤には1点差まで詰め寄られたが「練習してきたことを信じよう」と声を掛け合い、王者の追い上げをかわした。これまで何度も挑戦しては、はね返されてきた壁を突き破った。

 数年前までは人数も少なく、初戦敗退ばかりだったチーム。それでも地道に活動を続けて力をつけ、歴史の扉を開いた。初めて臨む大舞台。さらなる強敵が待ち受けるが、がむしゃらに戦い抜く。「絶対大丈夫」という言葉を胸に刻んで。 (弓削 大輔)

(2021/12/24紙面掲載)

※新聞紙面(12/24)では選手名フルネ-ム表記、別カット写真および全試合バッテリ-&長打の選手名入りの記録、その他チ-ムの記事を掲載 <バックナンバ-お買い求め方法

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