【競輪】西島叶子 一念発起。「自力」の覚悟で成績急上昇

「自力に徹する」ことで好成績につながった西島。成長が楽しみだ

今年8場所のうち7場所で決勝進出

 ガールズ競輪の九州地区の自力選手で、今、最も輝いていると言っていいかもしれない。西島叶子(27)=118期=は今年に入り、8場所のうち7場所で決勝進出という好調ぶり。現在も5連続で進出と、その勢いはとどまる所を知らない。
 
 調子の良さが見て取れたのが、4月末の別府F1ガールズ。初日予選で、通算34Vを誇る実力者の大久保花梨を破ると、2日目はホーム手前から逃げて2着。決勝こそ大久保とのまくり合いで脚を使ったため6着となったが、最後まであきらめない姿勢は印象に残った。
 

実家を離れ、一人暮らし

 転機となったのは、昨年11月。2020年3月のデビュー後、一時は結果を求め過ぎるあまり、人の後ろを回ることもあったが、考えを改めた。「成績をまとめようとレースが小さくなっていた。でも将来を見据えた時、それじゃダメだと」
 
 一念発起して熊本市の実家を離れ、鹿児島県鹿屋市で一人暮らしを始めた。母校の鹿屋体大自転車競技部の学生と一緒に練習するためだった。ウェートトレーニングで上半身を鍛え、バンクで脚力とレース勘を養い、100キロロードでスタミナをつけた。栄養学を取り入れ、食事にも気を配るようになった。
 
 男子学生と一緒にもがくことで、肉体的にも、精神的にも成長。「自力でやっていきたい」という覚悟を常に前面に出して戦うことで、積極性が生まれ、好結果につながり始めた。
 
 熱烈な巨人ファンで、時には趣味の釣りで息抜きする。「調子は今が一番。だけど、まだトップレベルには届いていない。もっと強くなって、強い選手がいても気持ちで負けないレースをしたい」。今年の目標に掲げる「5V」を目指し、迷わず突き進む。(松永 康弘)

(2022/5/4紙面掲載)

関連記事

過去記事(月別)

ページ上部へ戻る