日本生命カップ第23回鶴岡一人記念大会　初日（2023年8月18日、広島・鶴岡一人記念球場ほか）

　全国５ブロックが選抜チームを結成して日本一を目指す「日本生命カップ第２３回鶴岡一人記念大会」が１８日、広島県呉市の鶴岡一人記念球場などで始まった。この日は中学生の部、小学生の部、中学生女子の部の３部門でいずれも予選リーグが行われ、九州女子選抜が２勝を挙げて決勝進出を果たした。中学の九州選抜は１勝１敗の２位で準決勝に進出。小学の九州選抜は２敗で予選敗退となった。１９日は同球場などで中学と小学の準決勝と決勝、中学女子の決勝が行われる。

松村３回６Ｋ無失点

中学生女子の部・予選リーグ　九州１５－５中日本

　九州ガールズが新たな歴史を作った。予選リーグで中日本を１５―５（５回コールド）、東日本を９―５と投打がかみ合って連勝し、中学生女子の部で九州単独チームとして初めて決勝に勝ち上がった。

　初戦の中日本戦では先発右腕の松村（山口）が躍動した。「ストレートが伸びていて、カーブもいい感じに曲がっていた」と３回を１安打無失点。７月下旬に肩を痛めて２週間ほど投げられずに不安を抱えていたが、６三振を奪う快投でチームに勢いをもたらした。

吉本グランドスラム

　打線も援護した。初回に浦田（飯塚）の２点適時打で先制。３回に岩永（福岡中央）、山下（福岡春日）の２者連続適時三塁打などで８点を入れた。

　さらに４回には１点を加え、なお無死満塁で２番の吉本（山口）が左越えにランニング本塁打を放った。自身初のグランドスラムに「いつもより緊張したけど、打ってやろうと思った。チームに団結力があり、いい流れで打つことができた」と笑った。

４番・岩永３安打、英４イニング力投

中学生女子の部・予選リーグ　九州９－５東日本

　続く東日本戦は初回に２点を先行されたが、３回に岩永の適時三塁打で１点を返すと、続く４回は無死二、三塁で谷川（長崎松浦）の一邪飛で三塁走者の日野（大分明野）がタッチアップ。同点の生還を果たすと、続く奥本（京築）の内野ゴロで勝ち越しの１点が入った。５回には代打・松村の２点二塁打などで４点、６回にも２点を加えた。

　４番の岩永は３安打で打線を引っ張った。所属する福岡中央で普段から打撃を中心に猛練習している成果を発揮し、「（福岡中央の）玉本監督から『体の前でボールをとらえた方がいい』などアドバイスをもらい、調子はめちゃくちゃ良かった」と誇らしげに話した。

　投手陣では２番手の本格派右腕・英（直方）が２回途中から６回途中までの４イニングを無失点（自責３）と好投した。剛柔を使い分ける投球で相手打線を沈黙させてチームに流れを呼んだ。「直球とカーブが良く、走者を出した場面ではギアを上げられた」と振り返った。

　決勝は昨年の覇者・関西選抜と対戦する。水流監督（北九州中央）は「投手陣が良かったし、皆が意識してそれぞれの役割を果たしてくれた。決勝でも多くの選手を使いながら優勝を狙う」と力を込めた。　（弓削　大輔）

（web限定、2023/8/18公開）

※当記事、写真の掲載はweb限定。新聞紙面の掲載日は調整中