【フルコンタクト空手】頂点目指せ! 亀山真、多田成慶、江口雄智ら 新極真会福岡支部 男女総勢11人参戦/全日本空手道選手権大会24日開催

第54回全日本空手道選手権大会(2022年12月24日、25日、東京・国立代々木競技場第二体育館)

 フルコンタクト空手の男女の日本王者を決める「第54回全日本空手道選手権大会」が24、25日、東京の国立代々木競技場第二体育館で開かれる。体重無差別で争われる最高峰の大会で、「第13回全世界空手道選手権」(2023年10月・東京)の日本代表第1次選抜戦となる。大会には流派を超えて男子80人、女子34人がエントリー。新極真会福岡支部からは男子9人、女子2人の計11選手が出場する。今年最後の大一番に向けて、厳しい稽古に励む精鋭を紹介する。

【男子】

円熟期を迎えた重量級のエース亀山。世界ウエイト制を欠場した悔しさをぶつける

亀山真 重量級エースが挑む

 男子の重量級エースとして長く福岡支部をけん引してきた亀山真(30)。「もちろん頂点を目指している。最低でもベスト4」と抱負を語った。

 気になるのは5月の全日本フルコンタクト空手道選手権(JFKO)で痛めた左胸の影響だ。筋断裂で4か月間全く動かすことができず、日本代表として出場するはずだった世界ウエイト制大会(9月、ポーランド)を欠場した。ただ、思うように稽古ができない時期に徹底して下半身を強化したことで、下段蹴りの威力は格段に増した。「悔しい思いをしたので、ためていたものをこの大会にぶつけたい」と意気込む。

昨年準Vと大躍進を遂げた多田。今年は頂点を目指しての参戦だ(新極真会提供)

多田成慶 全国制覇で恩返し

 多田成慶(23)も、V候補の一人だ。2年前のこの大会で6位入賞、昨年は準優勝と着実に力を付けてきた。5月のJFKOで軽重量級を制し初の日本王者に輝き、9月の世界ウエイト制大会軽重量級で準優勝するなど実績は申し分ない。昨年の戦いぶりをみても、重量級の猛者を相手にしてもパワーで見劣ることは全くなかった。「全国制覇して、いろんな人に恩返ししたい」と力を込めた。

実力者の江口はこの大会を復調のきっかけにしたい

江口雄智 再浮上誓う

 復調が待たれるのが江口雄智(26)だ。昨年5月のJFKO軽重量級優勝の実力者。一昨年のこの大会でもベスト4に入った。このところは、思うような結果が残せていない状態が続いており、9月の世界ウエイト制大会軽重量級では2回戦敗退だった。「来年の世界大会の選抜戦でもあるし、勝ちたい気持ちは強い」。何とかここを再浮上のきっかけとしたいところだろう。

ベスト8以上を目標に掲げた緑

緑武士 「まずは8強」

 昨年は4回戦まで進んだ緑武士(26)も「まずはベスト8」と力を込める。中量級の選手だけに、勝ち上がる段階でいかにダメージを最小限に抑えることができるかが焦点だろう。

若手の成長株・大坪(新極真会提供)

大坪裕希、前平斗真、藤田春人ら若手にも注目

 若手の台頭が著しい福岡支部。今大会のV候補に挙げられる多田のほか、大坪裕希(23)、前平斗真(22)、藤田春人(19)にも注目が集まる。

 大坪は世界ウエイト制大会軽量級で3位入賞を果たした。当時より体重は6キロ増え71キロ。大会に向け、パワーアップを図ってきた。多田とは同級生で「負けられない気持ちはある」と、多田の活躍に刺激を受けている。

 5月のJFKO軽中量級の準決勝で、その大坪に勝った前平も成長株の一人。JFKOでは決勝で敗れたが、8月の全九州空手道選手権で優勝した。V候補として臨み無差別の大会を制した自信を、この大会で生かしたい。多田、大坪の一学年下だが、「同世代の活躍は刺激になる」と話す。

 藤田は11月の鹿児島大会をすべて本戦の5―0決着で制し、勢いに乗る。18歳の宇田川春稀、横島克一も含めた若手が、どんな戦いを見せるかも楽しみだ。


【女子】

潜在能力は高い網川(新極真会提供)

網川来夢 可能性十分、大坪桃香も準備万端

 福岡支部から参戦する女子選手は2人。網川来夢(19)は世界ウエイト制大会の女子軽重量級で3位入賞。元々、潜在能力は高く、勢いに乗って臨む今大会も期待は大きい。得意の膝蹴りを生かした組手を披露することができれば、上位進出の可能性は十分ある。「チャレンジャーの気持ちで、持てる力を出し切ることができればいい」と話した。

 大坪桃香(17)は優勝候補の撃破に燃える。初戦を突破すれば2回戦で2年連続4強の水谷恋(久保田道場)と対戦。「ここを勝って上位に勝ち上がっていきたい」と意気込む。大会に向けての準備は万端で、「兄(裕希)が世界大会で結果を出したので私も同じ舞台に立ちたい。そのためにも頑張りたい」と決意を新たにした。

(2022/12/21紙面掲載)

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