【ボートレース】酒見峻介 強伸び仕様で躍進 今季A1ペース

佐賀支部36歳 思い切った調整で活路開く

 伸び仕様が生きる道--。ボートレースは菅章哉、藤山翔大が強烈な伸び型で活躍している。両者は個性あるスタイルを確立して人気も沸騰中だが、佐賀支部の酒見峻介(36)=写真=も伸びを特化した調整で成績をグイグイ伸ばしている。

 108期の酒見は2011年5月にデビュー。初1着を挙げるのに2年5か月も費やし、その後もこれといった活躍はなかった。ペラ調整はゲージの範囲内。冒険することもなくB級暮らしの毎日。そんなもんもんとした状況を打破しようと「(ペラを)こうやるとどうなるのだろうか」。1年ほど前からゲージが届かない部分の調整が始まった。失敗に成功、試行錯誤する中で自身のアレンジに手応えをつかんだのが昨年4月の戸田一般戦。「勝率を下げてもいい。思い切った調整をしたら、伸びが来て成績も残せた。元々伸び系が好きで、この方向だと思いました」。

高田ひかる、藤山翔大にも話聞く

 7月の大村一般戦では、初めてチルト1で実戦。その後は同じレースに参加した高田ひかる、藤山にも伸び型調整の話を聞く機会を得た。そしてついに11月の児島一般戦で伸び仕様が大輪の花を咲かせる。4カドまくりで初優勝を達成。年が明けると、さらに高みを目指す。1月のスポーツ報知杯では、初めてチルト3度のセッティングに。最終日に4カドまくりを決めて、また一つ調整の引き出しを増やした。

 舟足に個性を見いだし、1月からは初めてA2に昇格して、さらに飛躍を目指す今期はA1ペース。現在は多摩川一般戦に参加中で、10日からは若松一般戦に出走を予定している。果たしてチルト3も武器にする佐賀の個性派は、伸び型ペラでどこまで躍進するだろうか。(高木 拓也)

(2022/2/2紙面掲載)

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