【競輪】公正安全な競走へ 正当性の発信が課題

オールスター4日目11Rで5人落車

 20日に競輪のG1「オールスター競輪」が終了したが、ある審議レースに対して反響があった。個人的にも多くの質問を受けた。

 問題の競走は4日目の11R。最終回のバックストレッチ付近で、先頭から2番目を走る平原康多の後輪、3番目から仕掛けた脇本雄太の前輪が接触。脇本が落車して、後続の4選手が避けきれず転倒(1人再乗)した。

 失格審議対象のレースとなり、判定は対象となった選手の相互接触によるもので失格者なしと判断された。事象の前後の流れなども見て、審判員が審議を重ねた結果である。これには問題はないだろう。

 ただし、G1レースの中盤メインとなるレース、事象の派手さなどが重なったためだろうか、反論めいたものが大きかった。

ネット上で疑問を投げかける声も

 幾つかのインターネット内の投稿では、切り抜き映像などで、1人の選手が他の選手に当たった瞬間だけをクローズアップさせていたりした。そして疑問を投げかけていた。もちろん、ルール上では審議結果が正しいと細かく解説してくれる個人の方々も何人もいたが、全体的な印象は「負」の方に傾いていた。

 これは、競輪に携わる者として、あまりにも悲しい。全レースの事象について、細かく説明をする必要はないと思う。例えば、一定数の問い合わせがあった場合、解説つきで審議結果の「正当性」を発信してもらえないかなど、考えを巡らせてしまう。

 「ファンが信頼できる競輪」、「選手が安心して最高のパフォーマンスを披露できる競輪」。この2点は公正安全な競走を続けていく上での大前提。今回の事象は、今後も起こる可能性がある。それだけに、発信のやり方を次の課題として考えてほしいと願う。 (中村 秀昭)

(2023/8/30紙面掲載)

関連記事

過去記事(月別)

ページ上部へ戻る