【ボートレース】今村豊さん 殿堂入り“第1号” 山口県が生んだレジェンドに新たな勲章

 山口県が生んだボートレース業界のスーパースターに新たな勲章-。昨年10月に現役を引退し、BOATRACE殿堂の第1号に認定された今村豊さんの殿堂入り表彰式が、2021年のSG戦線(福岡ボートレースクラシック)が開幕した3月23日、東京都内の「BOATRACE六本木SIX WAKE HALL」で行われた。殿堂入りを祝して製作された記念レリーフもお披露目され、今村さんにはBOATRACE振興会の小髙幹雄会長からレプリカが贈呈された。

殿堂入り第1号となった今村豊さん(右)とBOATRACE振興会の小髙幹雄会長

基準全て満たす

 ボート界のレジェンドに、また新たな勲章がひとつ加わった。BOATRACE殿堂入りの認定第1号。SGとG1の合計の優勝回数が50回以上など、厳しい基準が設定された中、今村さんは文句なしに全ての基準をクリア。約39年間の現役生活で残してきた輝かしい功績が認められ、「大変光栄で身に余る思いでいっぱいです」と殿堂入りに喜びのコメントを残した。

努力の結晶「全速ターン」

 デビュー直後から前代未聞のスピード出世を果たし、今後絶対に破られそうにない数多くの新人最短記録を残して「天才」と呼ばれた今村さんだが、天才は天才でも実は「努力の天才」だった。

 訓練生時代は言うに及ばず、デビューしてからも誰よりも早く水面にボートを下ろして、1秒でも多くボートに乗って練習を積み重ねた。新人時代から簡単にやっているように見えた「全速ターン」は努力の結晶だった。

表彰式でインタビューに応える今村豊さん

尊敬される人柄

 今村さんは、その人柄から誰からも尊敬され、好かれる存在でもあった。「出る杭は打たれる」弱肉強食の勝負の世界にあって、新人時代は先輩たちからかわいがられ、後輩ができる年代になると、支部の垣根を越えて誰にでも優しくアドバイスを送り、ひとつひとつの行動、そして他艇に絶対にぶつけないクリーンなレースでボートレーサーとはどうあるべきかを示してきた。今村さん以降にデビューした選手は全員が、あらゆる面で今村さんを目標にしたと言っても決して過言ではない。

全てに「神対応」

 常にファンを意識し、マスコミへの対応も、今風で言えば誰に対しても「神対応」。マスコミ関係者は例外なく今村豊ファンでもあった。

 ボート界の頂点に立ち続けてきたレジェンドが、ただ強いだけのレーサーではなく、これほどまでの人徳者だったことは、ボートレース業界の誇りであり、現在のボートレース業界の発展の一端を間違いなく担ってくれた。そんな今村さんのBOATRACE殿堂入りはファンのみならず業界関係者、そして選手一同、みんなが心の底から喜んでいる。

「大変光栄です」

「私の引退のタイミングでBOATRACE殿堂の制度が新設され、殿堂入りの第1号となり大変光栄です。また、応援していただいたファンの皆様と関係者の皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。後輩のボートレーサーにはBOATRACE殿堂入りをひとつの目標として頑張ってもらいたいです」

【BOATRACE殿堂入りの認定基準】
 次の基準を全て満たした者が対象となる。
①2010年4月以降に現役を引退した元ボートレーサー
②ゴールデンレーサー受賞者または振興会、ボートレース関係団体による同等の表彰受賞者
③SG競走、G1競走の優勝回数が合計50回以上
④現役期間を通じて品行方正を保ち、他ボートレーサーの模範となった者

◆今村豊(いまむら・ゆたか)1961年6月22日生まれ。59歳。山口県出身。元山口支部。81年5月に48期生として徳山でデビュー。同期には鵜飼菜穂子ら。まな弟子に柳瀬興志、白井英治らがいる。SG7勝、G1 48勝、生涯獲得賞金約29億円、デビューから78期連続最上位級キープなど、多数の記録を残し、20年9月の徳山G1を最後に惜しまれつつ現役を引退した。妻・真知子さん(旧姓・庄島)も同期の元レーサー。

(2021/3/26紙面掲載)

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