【競輪】輪界のレジェンド・神山雄一郎は養成所の所長に就任 神山イズム受け継ぐ選手の活躍楽しみ

神山雄一郎さんの写真
現役を引退し、4月から日本競輪選手養成所の所長に就任する神山

生涯獲得賞金&勝利数(S級創設以降)歴代最多

 昭和、平成、令和を駆け抜けた競輪のレジェンド・神山雄一郎。昨年12月23日、取手F1のレースを最後にバンクを去った。生涯獲得賞金29億3830万1609円は歴代1位。909勝もS級創設以降にデビューした選手としては最多勝利数である。

 記者が競輪担当としてデビューしたのが64期と同時期の1989年(中野浩一、滝沢正光、井上茂徳ら=いずれも引退=の全盛期)。デビューから1年余りの61期生・神山はすでに特別昇級を決めてS級に在籍していた。初め見た印象は体のラインが細いスリムな選手。それでも強烈なまくりは“さすが61期ナンバー1”と納得させられるスピードだった。

 ただ、記念競輪(現在のG3)では活躍していたものの、特別競輪(G1)ではなかなか優勝ができずに苦労した。

 その壁を打ち破ったのが1993年宇都宮で行われたオールスター。特別競輪初優勝の神山が地元ファンの前で涙を流した姿には現地に居合わせた記者も感動した。

 平成時代、東の神山VS西の吉岡稔真(引退)との東西横綱対決と称された対戦は伝説でもあり、数多くの名勝負を残した。

 加倉正義に神山のことを聞いてみると「神山さんのすごいところは向上心。自分とレースで競った後、格下の自分に神山さんが『競りはどうしたら良かったのか』と聞きに来てくれましたからね。普段は別線でしたけど、競輪に対する心構えがすごかった」と振り返る。また、神山と同期で現役の広川貞治は「さみしくなるね。やはり神山は間違いなくスーパースターだった」と語ってくれた。

 14日、4月1日付で神山が日本競輪選手養成所の所長に就任すると、JKAから発表があった。これからは競輪選手を育てていくという新たな挑戦が始まる。将来、神山チルドレンの活躍にも期待したい。 (田原 年生)

(2025/1/29紙面掲載)

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