【わんにゃんリポート】犬猫へのマイクロチップ 装着義務化で飼育放棄の抑止へ

 6月1日に改正動物愛護管理法が施行され、ペットショップなどでの販売前の犬や猫にマイクロチップを埋め込むことが義務化されました。チップ装着にどんな狙いがあり、飼い主には何を求められているのでしょうか。愛犬家の記者が現場を訪ねてみました。(松永 康弘)

記者の愛犬・トイプードルの仁人(左)と、ぷ太朗

データベースに名前や飼い主情報登録

 福岡県大野城市のファミリア動物病院で、記者の愛犬・仁人(にと)(トイプードル8歳)の首の後ろに獣医師が読み取り機をかざすと、15桁の数字が浮かび上がりました。仁人には8年前、チップが装着され、民間団体のデータベース(DB)に登録しています。

 15桁の数字は個体を識別する番号です。DBで照合すると、飼い主の住所、氏名、電話番号、ペットの名前や生年月日などがわかる仕組みになっています。

 もし仁人が迷子になっても、どこかで保護されたらチップの所有者情報によって「身元」がわかり、我が家に戻って来ます。施行前から飼育している人にはチップ装着の努力義務があり、記者のようにすでに登録済みでも国のDBにも登録する必要があります。

仁人の首の後ろに読み取り機をかざすと個体識別番号が浮かび上がった

ペットへの影響「痛がることもなく体調に問題なし」

 チップは直径約2ミリ、長さ1・2センチ程度の電子器具です。これを専用の注射器を使って体内に埋め込みます。装着箇所は、首から肩甲骨の中間あたりの皮下だと教えてもらいました。

 ペットへの影響はどうでしょうか。福冨彰院長(51)は「装着時に体がビクッとすることもあるけれど、健康な犬や猫なら痛がることもなく、体調に問題はありません」と話します。

 しかし、ペットフード協会の調査によると、飼い主には「体に埋め込むのはかわいそう」「もう高齢だから無理はさせたくない」との声が多いそうです。装着率を高めるためには、制度の意義や実情を広く周知する必要性を感じます。

マイクロチップが入ったケースと(上)と専用の注射器

装着広げて殺処分ゼロへ

 2021年の全国でのペット飼育数は、犬が710万6000匹、猫は894万6000匹(ペットフード協会調べ)。コロナ禍での巣ごもりの影響もあり、感染拡大前の19年から2年連続で、新規の飼い主は増えているそうです。

 一方、保健所などで保護される犬や猫は年々減っています。福岡市動物愛護管理センターによると、20年度に収容された犬は104匹、猫は361匹で、そのうち飼い主に返還された犬は65匹、猫は8匹。残った犬や猫は、保護期間(福岡市は6日間)を経て譲渡か殺処分されました。

 同センターの吉柳善弘所長(52)は「大切な犬や猫を守り、殺処分をゼロにするためにもチップの装着をお願いします」と呼びかけています。装着が広がれば、身勝手な理由でペットを捨てることも防げます。癒やしを与えてくれるペットの殺処分が減ることを願ってやみません。


 トイプードル3匹、ミニチュアダックスフント1匹を飼っている愛犬家の記者が、最新のペット事情を探る「わんにゃんリポート」を随時、掲載します。

(2022/6/11Web限定公開)

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