【ボートレース】アクシデント続出…危険伴うピット離れ勝負を改めて考える

 今月はピット離れに絡むアクシデントが続出している。

 4月6日の津ルーキーシリーズ8Rでは、6号艇からピット離れを飛ばした大場恒季が斜行して1、2号艇と接触。1号艇の選手は転覆。2号艇も影響を受け、レースはこの2人が欠場の4艇立てに。大場は悪質な待機行動違反で帰郷した。

 4月8日の浜名湖8Rでは4号艇だった大峯豊がピット離れ勝負でイン奪取を狙ったが、勢い余って2Mのブイに激突して落水。大峯は返還欠場(選手責任の出遅れ扱い)となり、レースは5艇立てでやり直しとなった。

 4月21日の下関7Rでも、6号艇の後藤翔之がピット離れ勝負に出て斜行、接触はしなかったが1号艇の村田修次が転覆。村田には選手責任の出遅れという判定が下された。

 この3件のアクシデントはいずれもペラをいわゆるピット離れ仕様にして内奪取を狙っていた選手によるもの。レアケースとはいえ、レースではなく待機行動中に転覆や落水で欠場なんて、被害を受けた選手も舟券を買っていたファンもたまったものではない。もちろん、返還になるので施行者にもダメージがある。

 以前にもピット離れ勝負は禁止にすべき…という内容の原稿を書いた。本番だけピット離れを飛ばして内を取る選手もそうだが、ピット離れで遅れてコースが入れ替わることも多々有り、S展示を見て進入を考えて舟券を買っているファンにとって、想定外の進入の変化は大迷惑な話。S展示と本番でコースを変えるな…とまでは言わないが、ファンに予想不可能な入れ替わりは避けて欲しいということ。

 ピット離れは進入固定戦の時と同じようにゆっくり出て、そこから前づけに行く選手は動けばいいだけの話。無用なアクシデントがなくなり、選手、施行者、そしてファンにもウィンウィンになると思うが…。 (井上 誠之)

 (2024/4/24紙面掲載)

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