ボートレースからつＧⅢ「ウエスタンヤング」／2024年6月15-20日

　次世代スター候補が白熱バトルを展開―　ＧⅢ「第１１回ウエスタンヤング」が６月１５日から６日間にわたり、ボートレースからつで開催さる。ＰＧⅠヤングダービーのプレシリーズとして、満３０歳未満の勝率上位者により覇を競うＧⅢ戦。決戦を前に、ボートレースからつを担当するスポーツ報知の高木拓也記者と、ボートレースからつの直前予想「ズバッと！！なべチャンネル」でおなじみの渡辺裕介氏、同番組のＭＣ牧原真由さんがイチオシ選手などシリーズの行方を占う座談会を行った。

オールスター覇者・定松勇樹の地元凱旋シリーズ

　―からつでは初開催のＧⅢウエスタンヤング

高木「ヤングダービー前哨戦の位置づけで、次世代のスター候補が集結。定松勇樹選手は多摩川オールスターを制してＳＧ覇者の仲間入り。地元凱旋シリーズになりました」

牧原「定松選手と峰竜太選手の師弟が抱き合うシーンには本当に感動しました。ＳＧを勝ったトップルーキーの走りは大注目です」

渡辺「定松選手やりましたね。登録５０００番台で初のＳＧチャンプ。本当にうれしい。優勝したらヤングダービーの出場権が手に入るとあって、権利を持っていない選手は何としてでも勝ちたいレース。既に権利を得ている選手も注目の大会でハッスルするのは必至。歴代優勝者は篠崎仁志選手、前田将太選手、仲谷颯仁選手、大山千広選手…と実力者ばかり」

駆け出しのルーキーに立ちはだかるＳＧ常連組の壁

　―メンバーを見渡した感想は

なべ「上の方はＳＧを走っている。下の方は駆け出し中なので実力差はかなりありそう。実績なら羽野直也選手ですが、定松選手は多摩川のオールスターを優勝。ＳＧ覇者は２人になりました。普段戦っている舞台が違う人が何人かいます。下克上は難しそう」

牧原「羽野選手、新開航選手、末永和也選手、定松選手と、そびえ立つ壁がすごい」

末永和也は順応力抜群 新開航の安定感も魅力

　―それではイチオシ選手を挙げてください

渡辺「私は地元の末永選手。地元では、いい時と悪い時のムラはありますが、いい時の安定感は手が付けられないほど。風が変わったりしても順応できるし、コースを問わずで、戦法も色々持っている。活躍するのは間違いないと思います」

高木「定松選手はＳＧ覇者となりましたが、ビッグレースを勝っても何ら不思議ではない。ＧＷ戦は低調機で苦戦していたけど『ウエスタンはいいエンジンを引いて優勝します』と語っていた。ＳＧ覇者に成り立てで注目を浴びますが、彼は伸び特化の引き出しを持っているので、ＧＰ出場なら勢いのまま勝ちそうな予感がする」

牧原「私は新開選手。前回覇者でＳＧでも活躍している。ＧⅠを優勝して実力は十分。からつとの相性はちょっと？ですけど、優勝回数など最近の安定感はすごいですし、いいエンジンを引いたら活躍は必至でしょう。地元勢にとって、羽野選手と新開選手の福岡コンビは強敵ですね」

羽野直也「ＳＧ覇者として負けられない」

　―からつの羽野については

渡辺「ここ３年はＳＧグランドチャンピオンとＧⅠ唐津ダイヤモンドカップの２節しか走ってない。そんなにいい成績は残していない。相性はどうかなあと思いますが、ＳＧとＧⅠですから成績はそこまで気にしなくていいでしょう。調子自体は微妙ですが、ＳＧ３優出で１Ｖ、ＧⅠは４Ｖ。この中に入ったら別格です」

牧原「ダイヤモンドカップの前検日に、羽野選手にからつのイメージを聞いたら『広くて乗りやすい』と言われていました」

高木「大会への抱負を聞くと『ＳＧ覇者として負けられない気持ちは当然あります。優勝を目指して頑張ります』。格上さばきで白星量産と行きそう」

上り調子の入海馨　からつで初優勝した高橋竜矢もＶ戦線加わる

　―他で注目している選手は

渡辺「入海馨選手は地元児島のＧＷ戦は茅原悠紀選手、吉田拡郎選手、山口達也選手の強豪を相手に優勝。勢いは上り調子で、ターンもすごく切れがある。からつはＦが多いですが、自信を付けてきていると思うので侮れません」

牧原「からつフレッシュルーキーの常住蓮選手は、末永選手、定松選手ほどインパクトはないかもしれませんが、将来的にＳＧに行けるポテンシャルはあると思います。地元女子は山本梨菜選手の一人だけになってしまいましたけど、ぜひ頑張って欲しい」

高木「安河内健選手は躍動必至でしょう。グループの後輩（定松）がＳＧを優勝。燃えない訳がない。地元初優勝を目前にして２節連続で優勝戦の１号艇を生かせず惜敗と悔しい経験もしている。ウエスタンヤングが地元初Ｖにならないかとも思っている。当地が初優勝の高橋竜矢選手にも注目。ダイヤモンドカップはＦ２で苦戦したけど、レース運びがうまい」

渡辺「宮地元輝選手がＪＬＣの番組で高橋選手をほめていました。若手でターンがすごいと」

女子レーサー注目は實森美祐と米丸乃絵

渡辺「津田陸翔選手は、前回からつは伸びが良くて３コースから２勝しているけど、３、４コース辺りから結構いい成績を残している。４月に若松で初優出したけど、その時も３コースと４コースから１勝ずつしている。センター戦は注目です」

高木「津田選手は峰選手に整備などアドバイスを受けているようですが、成長の裏には峰あり」

牧原「實森美祐選手は、成績に波がありますが、宮島のＧⅡレディースオールスターで優出２着。優勝が１回は不思議。大きなレースでも勝てる実力はあると思います。米丸乃絵選手も目が離せません。ボートレーサー養成所に入る試験を一緒に受けましたが、１８歳の彼女は最初からしっかりしたイメージがありました。選手になっても、そのテキパキ感がレースに反映されているのかなと思います。成績の上がり方もすごい。レディースオールスターの準優でＦを切りましたが、軽視は禁物です」

高木「藤原碧生選手は３回目のからつ登場ですが、デビュー後初優出したのは２０２２年７月の当地一般戦。思い入れはあるはず。今年３月の浜名湖ルーキーシリーズで初優勝を飾り７月からは初のＡ１入り。岡山のホープは勢いがある。前期は勝率７点に乗せＡ１復帰を決めた中亮太とともに活躍しないかと期待している」

１９号機と２９号機のツートップ ５６、２４、６３号機にも注目

　―注目のエンジンは

渡辺「混沌としてきましたね。１９号機は現状でもいいとは思いますが、赤井睦選手が初優勝（２月）した時のような勢いがない。ペラが換わってダメになったかなと思ったら、中川りな選手がえらく伸びていて（２月ＡＬ優出）、ＧＷ戦の浦田晃嗣選手もカドまくりを３度決めるなど動きは良かった。ポテンシャルはもちろんあると思います。２９号機はいいですね。中間整備後（昨年１２月末）の動きがすごい。最近だと常住蓮選手（優出３着）と四宮与寛選手（優出６着）が使用した３０号機が軽快。２人に共通していたのはバックの足が良かったこと」

高木「２７号機はペラが換わって下降したけど、ＧＷ戦で峰選手がペラに手を入れて伸びはトップ級へ。その後も橋本年光選手（準優勝）、河上年昭選手が上位級。元々パンチがあるエンジンで完全復活の兆しあり」

牧原「宮地元輝選手がＧＷ戦を制した１６号機も注目機。節間を通して余裕がありました」

渡辺「数字以上の５６号機も推奨機。門間雄大選手はもう少しで初優出でした。２４号機も安定していて、最近だと６３号機が出てきた。エンジンは１９号機と２９号機のツートップですかね」

スタートの決まっている選手が狙い

　―レースパターンは

渡辺「ルーキーシリーズとか意外にインコースが強い。そんなに極端に変わることはないと思います。外枠になった時にチルト跳ねる、前原大道選手、定松選手、宗行治哉選手。その辺が一発勝負かかった時にチルトを跳ねてくると展開がガラッと変わってくる」

高木「土屋南選手も伸び仕様あり。ただ、レディースオールスターの準優でＦを切ってしまったので戦法は変わるかもしれない」

渡辺「コースの得意、不得意がまだまだあると思うので、ぜひ枠番別データを参考にしてもらいたい」

高木「最近は追い風が強いことが多い。風向きも変わりやすく、本当にスタートが難しいレース場。スタートが決まっている選手を狙い続けるのも一つの手」

なべちゃん「褒め称えられるようにビシバシ当てる」

　―最後に一言

牧原「ズバッと！！なべチャンネルの裏実況で、１日のレースで勝ち越し７勝以上、回収率１００％超えだと『渡辺さんすごいですね』と、視聴者と褒め称えるコーナーがあります」

渡辺「リスナーからコメントで褒め称えられるように、ビシバシ予想を的中できるように頑張ります」

高木「何と言ってもＳＧチャンプとなった定松選手の地元凱旋シリーズ。全国的にも注目間違いなし。なべちゃんと牧原さんはズバッと！！なべチャンネルで、私は新聞紙面（スポーツ報知）とX（旧ツイッター）で皆さんの舟券予想に役立つ情報をお届けします。みんなでウエスタンヤングを大いに盛り上げましょう！」

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【プロフィル】

渡辺裕介　身長およそ１９０㌢の大男。幼い頃からボートレースに慣れ親しむ。２０１６年１０月からボートレースからつの直前予想「ズバッと！！なべチャンネル」で解説を担当。

牧原真由　　２０１７年８月に若松でＪＬＣリポーターデビュー。２０２０年４月からボートレースからつの直前予想「ズバッと！！なべチャンネル」のＭＣを務める。ボートレーサーに憧れボートレーサー養成所の試験を受けた経験あり。

高木拓也　唐津市在住。ボートレーサーに憧れ７２期選手養成員として山梨県の本栖研修所に入所。選手の道は絶たれたが、ボートレースの知識が生かせるスポーツ紙記者の道へ。記者歴は２８年で、からつ担当は計２０年。

（web限定、2024/6/3公開）