【高校野球】東海大熊本星翔のエース玉木 “魔の6回”乗り越え昨年のリベンジ/熊本大会決勝

◆第105回全国高校野球選手権記念熊本大会 ▽決勝 東海大熊本星翔5―0九州学院(24日・リブワーク藤崎台)

 熊本の決勝では、東海大熊本星翔が5―0で九州学院を下し、5年ぶり3度目の甲子園出場を決めた。エース・玉木稜真(3年)が圧巻の完封劇を披露した。長崎の決勝は、創成館が永本翔規(3年)の完投で海星を3―2で破り、5年ぶり3度目の甲子園出場をつかんだ。

優勝の瞬間、飛び跳ねて喜ぶ東海大熊本星翔の玉木

左打者並べた相手打線をシャットアウト

 1年前に屈辱を味わったマウンドで、誇らしげに拳を突き上げた。東海大熊本星翔のエース・玉木が9回3安打無失点の好投。次々とマウンドに駆け寄ってくるナインと、喜びを分かち合った。

 淡々とアウトを積み重ねた。左打者を6人並べた九州学院打線に対し、スリークオーターから投げ込む140キロ台の直球に、スライダー、カットボール、チェンジアップと多彩な変化球を効果的に織り交ぜた。三塁を踏ませず、全く危なげのない内容に、野仲義高監督も「あんなピッチングをするとは」と、賛辞を惜しまなかった。

 27のアウトの中で、玉木にとって大きな意味を持ったのが、中飛、遊ゴロ、二ゴロに仕留めた6回の三者凡退だ。何げない3つのアウト。それはヤマを乗り越えた瞬間でもあった。

歓喜に沸く東海大熊本星翔の選手たち

全5戦35回で計3失点

 昨年夏の準決勝。相手は同じ九州学院だった。先発した玉木は5回まで1失点に抑えた。しかし、3―1とリードした6回途中で走者を残したまま降板。その回に逆転を許したチームは1点差で敗れた。

 「忘れたくても忘れられない」という苦い記憶。この1年間、雪辱だけを胸に練習に取り組んできた。野仲監督は今大会、全て玉木を先発で起用した。「魔の6回」を乗り越えることで、自信を手にしてほしいと願ったからだ。

 終わってみれば、今大会は全5試合で35回を投げて3失点で、防御率0・51と抜群の安定感。決勝も、これぞエースと呼ぶにふさわしい108球の完封劇で、チームを頂点に導いた。「甲子園で校歌を歌うという目標がある」と玉木。悪夢を自らの手で拭い去った右腕が、大きな自信を胸に聖地へ乗り込む。 (加藤 博之)

(2023/7/25紙面掲載)

関連記事

過去記事(月別)

ページ上部へ戻る